UFC1:The Beginning(1993)

いまやMMA界のトップを突っ走るUFC。大会のナンバリングも300を超え企業価値1兆を超える。そんなUFCの1993年11月12日に開かれた第1回大会である。


最強の格闘技とは何か?ノールールの戦いの勝者こそが最強だとホリオンの考えから目潰し、噛みつき、金的以外は何してもOK、判定なし1R5分の無制限ラウンドと言う過激なルールが生まれた。



第1試合 ジェラルド・ゴルドー◯vsテイラ・トゥリ(1R 0:26 TKO 顔面蹴り)

前田日明戦や佐竹戦などで日本でも馴染み深い空手家ゴルドーと高見州と言う四股名で三段目まで行った力士テイラ・トゥリ。しばらく見合った後ノーガードで向かってくるトゥリにゴルドーがアッパーを入れダウン。倒れざまにゴルドーがサッカーボールキックを入れレフェリーストップ。


第2試合 ケビン・ローズイヤー◯vsジーン・フレジャー(1R 4:20 TKO 踏みつけ)

こちらも日本でドン・中矢・ニールセンとも戦ったローズイヤーとのちにケンドーナガサキを瞬殺するフレジャー。キックと空手の立技対決。ローズイヤーのフォームは素人目にも酷いものでとにかく力任せ。初期のボブサップに似たファイトスタイルかもしれない。いきなり倒されるフレジャー 。グラウンドの展開になりバックを取られるが抑え込みもしないのであっさり立つフレジャーケージ際に追い込み逆に攻め込むフレジャー。UFC初のケージレスリング。ケージから離れお互いフラフラ。攻められていたローズイヤーがダウンを奪いフットスタンプでタオル投入。試合終了。


第3試合 ホイス・グレイシー◯vsアート・ジマーソン(1R 2:11 ギブアップ)

ボクシングvs柔術。アート・ジマーソンは29勝5敗の戦績を誇るボクサー。

前蹴りのフェイントからテイクダウンを取るホイス。そのままマウントを取るホイス。タップするジマーソンだがカメラの角度が悪くて何で決まったのか見えない。シャードッグにはsmother chokeとある。何も出来なかったジマーソンだが片手グローブと言うスタイルで歴史に名を刻んだ。


第4試合 ケン・シャムロック◯vsパトリック・スミス(1R 1:49 ヒールホールド)

既にパンクラスに出場していたシャムロック。パトスミも正道会館で戦ったことあるみたいだしこうやって見ると日本に馴染みのある選手が多い。ちなみにシャムロックのバックボーンはシュートファイティングとなっていた。

いきなり組み付くシャムロック。倒されるがちゃんとガードポジションを取るパトスミ。ヒールホールドを狙うシャムロック。見よう見まねでヒールホールドをするパトスミ。しかし結局タップアウト。個人的にはしっかりガードをしていたり、見よう見まねでヒールを取ろうとしたパトスミの適応力と言うか負けん気の強さを褒めたい。


第5試合 ジェラルド・ゴルドー◯vsケビン・ローズイヤー(1R 0:59 TKO)

準決勝。ローで攻めるゴルドー。ゴルドーのパンチが入りローズイヤーダウン。立ちあがろうとすると拳が飛んでくるのでローズイヤー何もできない。タオル投入終了。


第6試合 ホイス・グレイシー◯vsケン・シャムロック(1R 0:57 チョークスリーパー)

開始早々タックルに行くホイス。しかしタックルを切るシャムロック。上になるが足を取りに行った?シャムロックがバランスを崩し逆に返される、シャムロックが逃げようと後ろを向いた隙に首を取られタップアウト。レフェリーがタップの意味をわかってなくて試合を止めない黎明期らしいシーン。


第7試合 ジェイソン・デルーシア◯vsトレント・ジェンキンス(1R 0:52 チョークスリーパー)

リザーブマッチ。後にパンクラスで活躍するデルーシア。あっさりテイクダウンを取り後ろに回りチョークスリーパーで勝ち。


第8試合 ホイス・グレイシー◯vsジェラルド・ゴルドー(1R 0:44 チョークスリーパー)

決勝戦。開始早々タックルに行くグレイシー、組みつかれ何もできないゴルドー。倒され逃げようとして後ろになったところをチョークスリーパー。途中噛みつかれて腹が立ったホイスはタップしたゴルドーの首を長めに絞める。ホイスが見事に優勝。


ホリオンがグレイシー 柔術を広げようと始めた大会だったがその期待に答えたホイスが無傷の優勝。さらに兄ヒクソンは10倍強い発言で幻想は加速していくのだ。


グラウンドの展開になると何をしたらいいか分からなくなって間違いを犯す選手が多いのが今の目で見ると新鮮だ。一歩間違えるとただの残酷ショーにしかなりかねないルールをホイスが柔術再興の場に昇華した。

試合前にバックボーンの格闘技が大きく出る演出も異種格闘技感があって良いワクワクする。