力道山物語 怒涛の男(1955)


木村政彦との一戦の前後あたりに作られたらしい力道山本人出演で作られた伝記映画。

うちは貧しいが小さい頃から喧嘩は強く、力が強かった力道山。ちなみに力道山は北朝鮮出身だがこの映画ではもちろん本人が生前語っていた長崎県大村市出身ということになっている。たまたま喧嘩を見られたことをきっかけに相撲にスカウトされる。


青年時代は武藤章生という俳優が演じているがよく見つけてきたなというくらい力道山に似ている。最近の伝記映画でも似てないケースも多いのに感心である。厳しいしごきに耐え母の葬式にも帰らず相撲に邁進し番付を上げていく力道山。


戦時中も部屋を支えてきた力道山だったが親方からの給料の支払いも滞っている。この扱いについに爆発した力道山が髷を切り相撲界から引退。


ちなみに髷を切ったロン毛みたいなった力道山が夜の浅草を1人で歩くシーンはなかなかシュールで見ものだ。


現場仕事をしてたところたまたまプロレス興行のポスターを発見、見つめていると横からひょっこり遠藤幸吉が登場。都合よくチケットをプレゼント。この試合に感銘を受けいきなりハロルド坂田の道場に訪問。坂田を投げあっさりレスラーになることを認められる。これも実際は酒場で喧嘩した相手がハロルド坂田だったからだがそういうことになっている。


ここからは実際のプロレスラー力道山の映像がダイジェストで流される。シャープ兄弟戦、ハンス・シュナーベル&ルー・ニューマン戦、オルテガ戦、キングコング戦。ちなみに力士時代の力道山の実際の試合も見ることができる。


最後は力道山亜細亜選手権優勝、ルー・テーズとの対戦が決まり飛行機でアメリカに行くところで完結する。


相撲時代が映画の大半を占めており、プロレス時代が描かれるのはラスト10分強だけである。ちなみに力道山は頑張ってる感はあるものの演技はあまり上手くない。