プロレス鬼 集英社 コンタロウ


「1・2のアッホ」などで知られるコンタロウ先生の短編集。プロレスに関する4つの短編が収録されています。


「ザ・マスクマン」「プロレス鬼」「チャンピオン」「ザ・サムライ」の4編です。


4編ともプロットが秀逸で面白いですちょっと内幕モノっぽい感じもあります。


特に個人的に面白かったのがザ・サムライ。強いがファンには塩対応、ショーマンレスラーを見下している主人公サムライ・ジョー。プロモーターはそんなサムライ・ジョーにつぶし屋・闇の帝王をぶつけます。苦戦しながらも闇の帝王を倒したジョー。なんでこんな強いレスラーがつぶし屋をやっているのか疑問を感じるジョー。その後ジョーは勝ち進み敵なしの状態になるが、勝ちに徹するジョーはファン、相手レスラーから嫌われるようになり最後は...


読後感は少し世にも奇妙な物語みたいな感じでもあります。


またプロレスファン的に必読なのは表題にもなっているプロレス鬼。

力道山、馬場、猪木モデルの登場人物が出てきますが力道山の猪木への可愛がりが描かれています。そしてそれは実は力道山の思いやりと思いきや...という2段オチになっています。


この時代にこれだけプロレスの暗部を描いていることに驚きます。ということで多くの方に読んでほしい隠れた名作です。