U.W.F外伝 平直行 双葉社

目次

プロローグ

第1章 「無限大記念日」〜第一次UWFという転換期

第2章 新しい格闘技〜天才・佐山聡とスーパータイガージム

第3章 歪んだ愛情〜シュートボクシングから見たUWF

第4章 まだら色の季節〜正道会館・石井館長の先見性

第5章 金魚を食べるシャーク〜「何でもあり」UFCの衝撃

第6章 グレイシー旋風〜総合格闘技「第2章」の幕開け

第7章 確立されたルール〜技術を競う時代へ

エピローグ


空手から始まり、大道塾、シューティング、シュートボクシング、リングス、グレイシー柔術などその時代に流行ったあらゆる格闘技を経験しバキのモデルにもなった平直行の自伝。


UWFの本と言うと暴露本と相場決まってますが本書は違います。と言うかUWFはほぼ関係ないです。同年に出た1984年のUWFに便乗したタイトルでしょう。


藤波辰巳に憧れ、プロレスラーを志した平少年。しかしプロレスなんか習えないのでとりあえず空手を

習います。その道場に大道塾創始者東孝がおり大道塾で稽古することになったようだがそこらへんはあまり描かれていない。

プロレスラーになるために上京した筆者はタイガージムに入会。UWF信者だった筆者だったがケーフェイ出版前の佐山にケーフェイをバラされ複雑な思いを抱く筆者。佐山はプロレスラーを育てる気はなくジム生にはバラしていたようだ。その後タイガージムでインストラクターまで上がる筆者。


当時タイガージムのインストラクターをUWFへ引き抜けと言う指令が出ていたようでかつての憧れUWFへ入るよう前田から説得されるがこれを断るも、スーパータイガージムでも佐山の指導を受けれないという宙ぶらりんな状態となり「第1回プリシューティング」で優勝後シュートボクシング入り。その後メインイベンターまで成長するが正道会館の「第8回全日本空手道選手権大会」に出場。本人はオープントーナメントだからと深く考えず出場したようだがこれが話題となりこの時の筆者をみた板垣恵介がこの平の姿から「グラップラー刃牙」の主人公範馬刃牙の着想を得たと言う。


その後はリングスの舞台で戦ったり、UFC2を現地観戦しグレイシー柔術を習いに行くが「君はプロの格闘家だ。闘う可能性がある相手には教えられないんだ」と断れる。(結局ホリオンと不仲なカーリー・グレイシーと言う人物から学ぶ)K1の舞台でヤン・ロムルダーと素手でバーリトゥードを行ったりした。


佐山聡を始め、前田日明、カーリー・グレイシー、シーザー武志、石井館長などさまざまな人物が出てくるが全て人のいい人物として描かれていて逆に筆者の人の良さが伺える本だ。(そこがものたりなさでもある。)