「愛知県豊田市」にある「湿原(しつげん、冠水する草原)」と言う事で、もっと奥深い場所にあるのかと
思っていましたら「豊田市矢並町」という、「豊田市役所」から直線で6kmほどしか離れていない場所に
ありました。 しかも「鞍ヶ池(くらがいけ)パーキングエリア」に隣接する位置にあるんです。

「矢並(やなみ)湿地」と呼ばれる一帯は約3000平米の広さで、「東濃地区」の固有種とされる「ミカワバイ
ケイソウ」「トウカイコモウセンゴケ」「ヒトツバタゴ」などの植物が茂り、特に「ミカワシオガマ」の自生
については東海地方でも最大のものと言われているそうです。 十分な緑と水分に囲まれた事により
「ハッチョウトンボ」や「ヒメタイコウチ」といった昆虫類も400種以上が生息しているといわれます。

この湿地は「豊田植物友の会」が1973年(昭和48年)に偶然見つけたものだそうで、翌年より「豊田市自然
愛護協会」の保護のもとで立ち入りに制限がもたらされました。 現在も年に1度、10月の上旬に3日間
だけ一般公開されているのですが、これだけ保護に熱心なのに隣接するかのような位置に「パーキング
エリア」の建設が許されているのは意外でした。 

豊田市内では近年保護活動が盛んになった「上高(かみたか)湿原(上高町)」や「恩真寺(おんしんじ)湿地
(山中町)」などと合わせて「東海丘陵湧水湿地群」とされまして、2012年(平成24年)5月には「環境省」より
『ラムサール条約登録湿地』の候補地とされ、晴れて7月には登録された所でした。