『ひな祭りが好きじゃなかった』
ふつうの女の子は、ひな祭りがたぶん、好きだと思う。
女の子の特別な日みたいな…。
でも、わたしはひな祭りが好きではなかった。
あってもなくても、どっちでもいい。
わたしの家は、子どもの頃はひな祭りの時にひな人形を飾っていた。
割と大きめの何段もあるひな人形だった。
飾るのは、祖母と母親と姉。
飾られたひな人形は、確かにきれいだった。
でも、わたしはどこか寂しさを感じていたのかもしれない。
どうしてかというと、そのひな人形には、姉の名前だけが木の札に書かれ、飾られていたから。
わたしは、そこに居なくてもいい…
こどもだったのかもしれない。