Loved Circus (Canna Comics)
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地味で平凡なサラリーマン・ケイは、全てを投げ打って惚れた風俗嬢を借金から救おうとするも、投資に失敗。人生に絶望したまま自殺を図るが死にきれず、次に目を覚ますと、そこはゲイ向け風俗店〈サーカス〉の店内で……!?
ワケあり男4人がサーカスで共に暮らし、働き、それぞれの愛や生き方を見つけていく――「どこでだってよき人生は送れるんだよ、心次第さ」
注目の新鋭・朝田ねむいの最新作!(Amazon紹介文より)
始めましての作家さん、朝田ねむいさんです。
ブックパス読み放題の方で発掘いたしました。
最初にこちらの作家さんの1st.コミックス『兄の忠告』を読んだんですけど、結構ハマりまして。
『兄の忠告』はまったくエロくないんですよ。短編集。愛だの恋だのというよりも、もっと違う感じ。でも癖になりまして。(……ああ、語りたい。でもこっちの方を優先で。)
この『Loved Circus』は2nd.コミックとのこと。
いやー、すごい癖のオンパレードで、最近『癖』が大好物の私にとっては、まるで山盛りのいくらとウニの海鮮丼のような本でした。(←私の大好物)
なぜ主人公のケイがサーカスという名の男性向け風俗店に流れ着いたかというのは、上記の紹介文を読んでいただければわかるので省略。
“訳あり男4人”の紹介を。
【ケイ】ごくごくフツーの人。見た目も考え方もフツー。
【リン】一番まともな子。若いけどしっかりしております。
【ジョー】荒くれモノ風情のギャンブラー。
【シロ】インテリジェンスあふれる、一人だけ貴族風な人。
この癖のある4人が、日々癖のある客を相手にお体ご奉仕のお仕事をするのですが、これがね、たまらんのですよ!
リンの得意分野は、どうやら女装っこ。アイドル顔負け、リボンいっぱいのフリフリな衣装を身にまといツインテールでラジカセ担ぎ、『…世の中理解しがたい性癖があるんだよ』と一言吐いて客が待つお部屋に向かうシーン、笑えました。
ある日、ジョーがシロとタッグを組んでお相手する上客相手の仕事をバックレたため、ケイがタッグを組むことに。
この上客っていうのが、とってもキュート(心がね♡)だった!!極上のギャップ萌え頂きましたー。
なかなかなシチュエーションプレイだったんだけど、まだ読んだことない人がいたら、直接読んで欲しい!
私がここでネタバレさせたら、この本の楽しみを一つ減らしてしまう事になってしまうから書けない。
実は仕事してすぐ、ゲイでも何でもないケイは、男性相手にEDになってたんですけど、何とシロの超絶テクによって復活!
その後のなれないお仕事も、あの時のシロとのプレイを思い出して励むのです(笑)
サーカスには、団長という人の良いオーナーがいるんですよ。
奥様は、サーカスの隣の普通の春を売るお店を経営。(ケイはそのお店の女の子にまんまと騙されております)
二人とも、ずっとここにいてはいけないと思ってくれるし言ってもくれます。
もちろん、皆そう思ってるけど、シロだけは違うんですね。
その深い理由も団長とマダムは良く知っていて、ある日ケイに教えてくれます。
お仕事はある意味体力勝負で大変だけど、不思議と個性的な面々のおかげで深い傷も癒えてきて。
ケイだけではなく、仲間も色々状況に変化が。
『自分以外の誰かに自分の人生を犯されるなんて最高にバカげてる』と言い放って自由奔放なギャンブラーのジョーも、何と相手に付いてきてくれと頼まれてもいないのに一人の男を追っかけて出て行ってしまって。(ちゃんと常連にお別れの挨拶やら手順を踏んだけど)
1人いなくなっても、補充はしないという団長。
ケイも借金がチャラになっているので、再就職が決まりサーカスを旅立つことに。
温かいんですよ。本全体が温かい。幸せな気分になります。
出てくる皆、常連客もお隣の春を売ってるお嬢さんたちもジョーを目の敵にしているレストランオーナーも、みんな愛すべきキャラに感じてきます。
シロがケイを想う気持ち。ケイがシロを想う気持ち。互いに想い続けて、それぞれの道を突き進むシーンは切ない。
その後の展開はその何倍も素晴らしかった。
やっている事は、そこにいなきゃいけなくなった人たちにとっては底辺のような気持ちだったとしても、そこで過ごした日々は二人にとっては宝箱にしまった宝石のように感じになっていて、じんわりと幸せな気持ちにさせてくれます。
コミック本描き下ろしに、なぜリンとジョーがサーカスに来ることになったのかがわかる、衝撃的な1ページがあります。
ジョーには相変わらず笑わせられましたけど、リンなんだか不憫ねー。
でもこの描き下ろしで、すごいハッピーな気分になれることお約束します!
【コミック情報】
ページ総数:224ページ
発売日:2015年12月28日
マル秘な部分の修正情報:絶妙な角度で全く見えておりません。