(私は藤井聡太さんのファンですので、以下は藤井聡太さん寄りの視線で書いてますので悪しからず。)

将棋の六冠、藤井聡太叡王は、現在、叡王戦のタイトル戦を菅井8段と戦っています。

 

藤井聡太六冠は居飛車党です。

これまでのタイトル戦は、対戦相手がほとんど居飛車党だったので、戦型がほとんど相居飛車(角換わり、相掛かり、矢倉等)でした。

でも、今回の叡王戦の対戦相手の菅井8段は振り飛車党なので、戦型が対抗型と呼ばれる形で、同じ居飛車でも対振り飛車の居飛車になります。

この振り飛車戦法は、昭和から平成にかけて、随分長い間主流戦法として、プロ棋士やアマチュアの間で指されてきた戦法です。

でも最近は、AIが振り飛車にした途端に不利だと判断してしまうこともあるせいかどうか分かりませんが、相居飛車が主流で、振り飛車を指す棋士は少数派になってしまいました。(女流棋士の間では、主流戦法のようです。というか、振り飛車戦法が人気が高すぎて、お互いに飛車を振る相振り飛車が多いようです。)

 

というわけで、藤井六冠は、タイトル戦で対振り飛車の居飛車は、ほとんど指してきてませんでした。

そこで菅井8段の登場です。本人は、これで私が負けたら振り飛車ではもう藤井聡太に勝てない、というような意味のことを言ったとか言わないとか。それぐらい振り飛車党の代表者で、振り飛車では現在一番強いと自他共に認める棋士じゃないかと思われます。

 

で、私はちょっと心配でした。藤井六冠は、対振り飛車の戦いは慣れていないから。

将棋の各戦法には、その戦法独自の感覚というものがあるそうで(ヘボの私には全く分かりませんが)、例えば振り飛車戦法の場合は、大駒を軽くさばく感覚が必要だと言われたりします。

そういった戦法における感覚は、藤井六冠は、相居飛車ならば当然持っていると思われますが、対振り飛車の場合は経験が少ないので、ちょっとどうかな、と思っていました。

そして、その心配が現実のものになってきたような気がします。

 

叡王戦の第1局は藤井六冠の先手で藤井六冠が勝ちましたが、その対局を見てて、ちょっと気がついたことがありました。

藤井六冠のこれまでの対局を見ていると、AIが予想する次の手の中で最善手を指すことが多いです(私の感じでは)。

でも、叡王戦の1局目では、なんだか次善手(2番目にいい手で、悪くはないけど一番いい手ではない手)を指すことが多いような感じがしました。これは、対振り飛車の感覚を掴み切れてないからじゃないかと、勝手に想像(妄想?)しました。

 

この想像(妄想)が当たったのかどうか分かりませんが、第2局では後手番で負けてしまいました。

第3局は先手番でしたが、終盤不利で、1分将棋になってからの逆転でぎりぎりの勝利でした。

 

現在3局が終わって2勝1敗で、星の数では有利ですが、内容を見ると全然安心はできません。それに次の第4局は後手番だし(これまで両者とも先手番で勝っています)。

 

できれば次で決めてほしい(先に3勝すれば勝ちなので、第4局に勝つとタイトル防衛になります。)。最終局の第5局まで行くと、いくら藤井聡太と言えども、何が起こるか分かりませんし。

 

ほとんど、自分の子供(というか孫)を見るような感じになっちゃってますね🥺