私がざこば師匠を初めて知ったのは、鶴光師匠のラヂオで流れた『動物いじめ』の音源で、小5の時でした。
そして、中2の春。4月に日テレが連想ゲームの加藤芳郎をメイン司会に「テレビ三面記事 ウィークエンダー」をスタートする。
この番組に、動物いじめの桂朝丸と、大正テレビ寄席に牧伸二のバーターで出ていたギター漫談の泉ピン子が出ていた。

朝丸さんは、兎に角、早口で「◯◯しよる、××な訳だ!」と、関西訛りの落語語り、七五調なんやけど、吃音混じりにまくし立てる。
これが受けて、朝丸さんはテレビで売れ始めます。この世代は鶴光師が売れて、鶴瓶師匠が若者に支持され初めて、
笑いの王道は枝雀師匠が頭角を表し、『花王名人劇場』ウィークエンダーの数年後に始まり、同時くらいに『枝雀寄席』が始まるから、私は朝丸さんより枝雀ファンに成ります。

そんな流れで、私は京都で学生時代を枝雀と米朝、時々、吉朝。そんな4年間を過ごしますが、朝丸さんの落語も米朝一門会では聴いています。
また、立川談志師匠が、年に2、3回米朝師匠と2人会されていて、そんな会には、朝丸師匠が前方を努めていたから高座を聴きました。

更に、私が関東に就職してからは、鈴本の余一で、ざこば・南光2人会。米朝師匠の歌舞伎座公演。
そして、横浜にぎわい座での、落語チャンネルの収録と、内幸町ボールのJAL寄席の収録でも、ざこば師匠を堪能させて頂きました。

私のざこば師匠の演目ベスト3は、『天災』『厩火事』、そして『肝入り』です。
なかには、ざこば師匠、本人が演じながら泣く『一文笛』と言う人も居ますが、米朝師匠、存命の時期にざこば師匠が『一文笛』を演じた記憶が有りません。
あの人情噺に演じる『一文笛』は、米朝イズムじゃない。あの噺は、最後に「ワテ、左利き(ギッチョ)やねん!」と落として笑顔で舌を見せるから、米朝師匠のエスプリ感が出る噺です。

この噺 矢鱈聴きたくない。東なら亡くなった喜多八師匠とか、西は、米朝一門にも居るかなぁ〜。

九代正蔵とか、本当に止めて欲しい。

そんなことより、天界では、米朝、枝雀、吉朝、そして、ざこばと揃いまして米朝一門会は、豪華なメンバーで『地獄八景』し、亡者が戯れているに違いない。

合掌🙏