昼間が二代目文蔵師匠の二十三回忌の追善で、夜は落語協会百周年に新真打となる四人、柳家福多楼、柳家平和、林家希林、林家まめ平の真打披露興行となります。
昼夜逆な気もしましたが、昼に追善なので、この初日を観に行きました。歌武蔵、きく麿、一朝、正雀、仲入りが白酒。
小朝、喬太郎、膝の紙切りに正楽、当代三代橘家文蔵がトリを務める芝居なのに、百五十弱で半分席が埋まらないとは残念でした。
【12時半開演】
・いっ休 狸札 京大理学部出身の一之輔師匠の弟子。IQが高そうな落語をやります。全く上方訛りはない。
・文吾 高砂や 尺の関係で隠居の八五郎への指南が笑いが薄く、唐突に豆腐屋の売り声になる
・鏡味仙志郎・仙成 大神楽
・歌武蔵 不精床 何度も寄席で聴く歌武蔵師匠の『不精床』ですが、くすぐりが進化し続けています。カルメ焼は昔からだが、バナナボートをイデデ、イデデと歌い出すのは笑いました。
・きく麿 歯ンデレラ 根多卸しから四、五年を経過したと思いますが、物凄くクスグリ、ギャグが洗練されて噺に馴染んでいました。
・菊之丞 替り目 冒頭の俥屋の部分は無く、角帯とレールを間違えるクスグリから主人が帰宅し、女房との機微をたっぷり演じて、おでんを買いに出るまでで完結。
・正雀 松山鏡 浪曲で国本武春の『松山鏡』を聴いた経験が有りますが、浪曲より笑いが少ない正雀師匠の『松山鏡』に、驚きを禁じ得ません。
・一朝 初天神 飴と団子まで。団子を縦舐めを入れて、縦横両方向から舐めるのが実に新鮮でした。殆ど横舐めだけですが、一朝師匠の縦舐めは素晴らしい。
・小菊 端唄と都々逸 艶っぽい芸が粋です!!
・白酒 花色木綿 「そんなクスグリは先代文蔵は入れない!」と言いながら、独自のクスグリで笑わせる白酒師匠でした。
仲入り
【14時半】
・伊藤夢葉 奇術 相変わらず鞭から始まりました。
・小朝 葬儀に行かぬ理由 BARのカウンターに見立て釈台を置いて新作落語『葬儀に行かぬ理由』をやります。とにかく、駄洒落のオンパレードで好き、嫌いが分かれる作品。
・喬太郎 普段の袴 足が悪い様子で、釈台を使い演じる喬太郎師匠。マクラは池袋の西武がストライキしていた話題に。喬太郎らしいマクラが炸裂し、爆笑を攫っていました。
・正楽 紙切り 試運転は相合傘、リクエストは国定忠治と大谷翔平。
・三代文蔵 子は鎹 少し臭い当代文蔵師匠の『子は鎹』です。泣かせようがやや強め。亀ちゃんがませている感じは噺に合っていると思います。熊さんの別れた先の女房は可愛い女性に演じるのは良いと思います。