落語や講釈でやる際も『豊志賀』『豊志賀の死』として真景累ヶ淵では一番抜き読みにされている部分で、

彼の圓朝直系で六代目圓生の孫弟子に当たる三遊亭白鳥師匠も、改作の『豊志賀ちゃん』を演じている位有名な『豊志賀』です。


 豊志賀の死 https://youtu.be/ARyfNxFdQjg


あべよしみさんの豊志賀が宜いですね。艶っぽさの加減が丁度良いと感じるし、同じ新吉を慕う女性でも、

年齢と色気の違う豊志賀とお久の対比が素晴らしいと感じます。また今回は落語や講釈で聴く物語とほぼ同じで、朗読の良さ立体感を強く感じる一話に成っております。


又、落語で『豊志賀』『豊志賀の死』を抜き読みにする場合は、続きはやらないから切れ場の豊志賀の手紙まで読んで、

幽霊は七代祟る、偈に恐ろしき執念じゃなぁ〜と、サゲに致しますが、続きをやるから手紙前を切れ場にするのも新鮮です。


最後に、豊志賀を駕籠に乗せて、叔父さんが提灯を?!と、謂って「ブラでも、高張でも!?」と謂いますが、

こんな莨屋さんに、屋号を印した高張提灯が在るとは驚きで、落語では聴いた記憶が有りません。

高張提灯と言えば家紋を描いた大型の提灯で、大名駕籠のイメージだから、少し驚きました。

ブラか?小田原か?なら、此の莨屋の叔父には似合うけど、高張は意外です。

ただ、正にシックスセンスを先取りした演出を圓朝は怪談に取り入れていて、実に進歩的だと感じました。