太守・信濃守綱茂公のご寵愛を一身に集めている愛妾、側室のお豊の方様の父親で、二百石取りの馬廻り役、松浦金左衛門が去って間も無く、
御側用人の大澤倉之丞を始め鍋島藩の御重役の面々並びに伊東荘太郎は、佐賀の本城重臣詰所に於いて、一同は額を集めまして評議を執り行う中、
鍋島の化猫騒動を小森半之丞が関係した其の昔より誰よりも深く詳しく知る、大澤倉之丞が意見を取り纏めつつ、大英断を語り始めます。
大澤「此の様なかつて前例無き複雑な問題を扱う時に、控え目にして居ると評定は際限の無いもので、誰かゞ猫の首に鈴を付ける役目をせねば成るまい。
依ってここは拙者が自らの趣意を述べまする由え各々方よーく承れ。昨夜宿直役の伊東荘太郎が見聞した件と、父親松浦金左衛門からの聴取を鑑みて、
櫻の御殿に座します愛妾・お豊の方に最も怪しいと眼が付いて仕舞ったからは、櫻の御殿に出張ってお豊の方を捕縛致し、吟味を致す他無いと心得まする。
若し吟味を致し十分に怪しい証拠が有ったれば、チト残酷な様ではあるが成敗止む無しと心得まする。何故ならば先に起きたる小森半之丞の二つの事件、
先ずは老母が化猫に喰い殺されて成済ましを受けた件、次に亡くなったはずの内儀が蘇生した様に装い、之も又内儀に成済ました件、双方小森家への祟りを成すが、
実に神出鬼没の妖怪化猫の仕業なれば、若しや三年余りの昔に真実のお豊の方を既に喰い殺して、お豊の方に成済まし御殿様に近付き仇を為すやも知らん。
斯かる御殿様のお命が危うい事態には一刻の猶予も無く、喩え万一真のお豊の方を化猫と誤って斬殺したとて、殿の愛妾殺しの罪は全て此の倉之丞が飽くまでも着ましょう。
之は総て拙者の一存で行いし事とされて構いません。まぁ此の様な言い方は過言と取れましょうが、御愛妾などゝ申す輩は謂わば贅沢品、閨中の慰み者。
百害有って一利無き存在で御座る。真のお豊の方だったとて斬り捨てた所で、左様に苦しい物に在らずと考えます由え、倉之丞が一身に責務は引き受けまする。
どうか此の義、何卒皆様の賛同と決定を願います。又、拙者は既に初老の身なれば、お豊の方討伐には之なる伊東荘太郎殿も助成を相勤めまする。」
さぁ之を聴いた重役一同は驚きの表情で互いの顔と顔を見合わせましたが、大澤倉之丞が全責任を背負い子飼い伊東荘太郎を伴い化猫退治には向うと謂うので、
特段反対する理由はなく、逆に太守が化猫に取り憑かれて喰い殺されでもしたらお家の大事なので、兎に角、お豊の方を捕縛吟味して成敗するのが先決。
御殿様に報告申し上げるのは事後でも構わないから、大澤倉之丞と伊東荘太郎の両人を櫻の御殿へ派遣して、縄目を掛けて召し捕る事こそ肝心と全員の意見の一致を見ます。
さて是が延宝四年七月六日の正午前で、此の日は櫻の御殿ではお豊の方が久々に夜のお勤め、夜伽をお上に願って休む事に致します。そして代わりに、
櫻の御殿に於いては腰元連中の慰労の宴が催される事に成りました。そこで大澤倉之丞は日頃奥向きの腰元や側室との連絡役を相勤めます茶坊主、
奥への出入自由が御殿様から許されます、茶道家の梶川珍阿弥を呼び付けまして、此の珍阿弥を使者に立てゝ櫻の御殿へ大層な酒肴、あるいは菓子なども携えて、
櫻の御殿の部屋方を致して居りますご老女龍野と謂うお局様に是を献上して、お豊の方との面会ができないか?と、言上する為に長い廊下で結ばれた櫻の御殿の入口に参ります。
梶川「御免!龍野の局様はいらっしゃいますか?」
取次「ハーイ、どちら様ですか?」
梶川「茶道指南役、梶川珍阿弥に御座る。御部屋役の龍野様はいらっしゃいますかなぁ?!」
取次「ハイ、いらっしゃいます。どの様な用向きでしょうか?」
梶川「実は、本日お豊の方様が七夕前夜の宴を催されると伺い、お粗末ながら酒肴と、下戸の方には菓子などをお持ち致しました。」
取次「アラまぁ〜、左様でしたかぁ、早速、龍野様へお知らせ致します。」
そう謂うと取次の腰元は、奥へと下がると直ぐに龍野の局を連れて、二人して廊下の先まで連れて参ります。
龍野「之は之は、梶川殿お久しぶりで御座いまする。相変わらず御壮健でおめでとう御座います。」
梶川「之は龍野の局様、無沙汰は互いで御座る。本日罷り越したるは、大澤様を始め御重臣の皆様より仰せを蒙りまして手前推参仕りました。
其の訳は御部屋のお豊の方様に於いては、近頃毎夜夜毎の御看病、如何にもご苦労千万に存じるに依って重臣一同より御慰労の為、粗末なれど酒肴などを献上致します。
又下戸の御方も有りましょうから、江戸より取り寄せました一折の菓子なども御座います。之も併せて献上致す所存です。どうか宜しくと御側用人様が仰って御座いました。
ついては後程、御側用人の大澤倉之丞殿が重役連の総代として、口上をお豊の方様へ述べさせて頂きたく、お鈴の口まで参上致します趣に御座います。
先ずは此の露払の珍阿弥めが、御部屋番頭の龍野の局様にお知らせに上がった次第で御座いまして、こちらの酒肴と菓子をどうか奥へお運び下さい。」
そう梶川珍阿弥は龍野の局に伝言すると、有明の海の幸一台と、名酒『葉隠』の四斗樽、更には大変美しく大きな菓子折、右の品々を披露致しました。
龍野「委細畏まりまして御座います。進ぜられし品々は妾が確かにお預かり申しました。後程倉之丞殿が参られる口上の義も、妾がお豊の方様に申し上げて於きましょう。
尚、今日はお豊の方様は久しぶりの安息日で御座れば、只今は入浴中で御座いまして湯殿に居られますので、残念ながらお目に掛かれません。」
梶川「ハイ、では宜しくどうぞ。」
そんな訳で櫻の御殿のお豊の方の元には、城の重役連より四斗樽で酒が届き、有明海の活きの良い魚と、江戸の御取寄せの菓子まで届けられましたから、
然るにお豊の方は気心の知れた子飼いの腰元を七、八人を集めまして酒宴を催します。軈て日は落ちまして五ツも過ぎてから、大澤倉之丞が伊東荘太郎と珍阿弥をお伴に現れます。
そして、梶川珍阿弥が部屋頭の柳野の局に伝えた通り、本丸と櫻の御殿を結ぶ廊下の向こう端に有る連絡用の鈴が置かれた広間から、鈴をチリンチリンと鳴らして、
奥の櫻の御殿側に合図を送ると、基本的に殿様以外は男子禁制の、千代田の大奥の様な信濃守の側室を集めた櫻御殿から取次の女官がやや赤ら顔で現れた。
取次「何用ですか?此処は櫻御殿で御座いますよ。男子ばかりで参るなど非常識にも程があります。明日午前の早い時間、辰の刻か巳の刻にでも出直して参られるが宜い。」
珍阿弥「アッいや、昼過ぎに龍野殿に噺は通して御座る。お主の赤ら顔の素を献上致された、御側用人の大澤様とお伴の不寝番役、伊東荘太郎殿をお連れ致した。
早く、龍野殿へご確認の上、お豊の方様にお取次を致して下さい。拙者は奥に出入りの茶坊主で梶川珍阿弥と申しまする。宜しくお頼み申しまする。」
取次「嗚呼、知らぬ事とは謂えご無礼申しました。直ぐに扉をお開け致しまする。お下がり下されぇ。」
と、大変に恐縮した腰元は、裏から閉まりのしてある大戸を開け放ち、思いも寄らぬ二人の武士をジッと凝視致しまして、漸く口を開きます。
取次「失礼致しました。再度、ご確認させて下さい。貴方達は?!」
梶川「先程お昼過ぎに龍野殿に此の茶坊主・梶川珍阿弥がお伝え致しました。此方に座すは重役総代を御勤めで、汝も御相伴の酒肴をお豊様へ献上なされた、
御側用人の大澤倉之丞様なるぞ!!無礼にも程が御座る。即刻、奥のお豊の方様並びに、龍野の局殿にお伝え致し、大澤様が参られた旨をお知らせ召されよ。」
取次「ハイ、ご無礼致しました。畏まりまして御座います。して、もう一人の方、若い御方は?もう一度、お名前を頂戴いたします。」
梶川「之なる若党は倉之丞様の随行で御座いまして、伊東荘太郎殿に御座いまする。昨今江戸表より國元へ配置換えの上殿様御近習、不寝番と成られた御方なれば心配は御無用。」
取次「承知仕りましたが…、女人ばかりの御殿で御座いまして、男子禁制の女の花園で御座いますし…、妾一人の裁量でお通し出来る所では御座いませんで…。」
取次の赤ら顔の腰元は完全に酔いが覚めて御座いますが、女人ばかりの館に法度破りの上、大澤倉之丞並びに伊東荘太郎を通して良い物か?自身単独では決めかねて居ました。
大澤「お困りの様子、倉之丞、お察し申し上げまする。女人ばかりの館へ推参仕る無礼は重々承知。由えに予め此の梶川殿に昼間根廻し願いました。
実は太守信濃守様のご意向、且つご家老並びに側用人一同からの申し付け賜りし由え、不肖倉之丞が総代として推参仕りました。古き教えの通りで御座いまして、
李下に冠を正さず、瓜田に履を納れずとは申しますが、其れを弁えての上、罷り越した次第なればどうか、荘太郎と謂う若党共々どうか奥の間へお通し願いとう存じます。」
取次の腰元はそれでも暫くはモジモジ致しまして、自分自身では決め兼ねる様子でしたが、梶川珍阿弥が此のまま総代の大澤を本城へ返したなら、
重役衆は名酒『葉隠』の四斗樽と有明の海の珍味、並びに江戸表よりの菓子まで取寄せ献上し、事前に昼間龍野の局に根廻しまでしているのにと怒り心頭に発して、
櫻の御殿の側室、お豊の方付きの腰元、女中は全ては斬首の上死罪は免れやないし、お豊の方もタダでは済まない。全ては貴様のせいに成るのだぞ!と脅します。
取次「判りました。では御三方、妾に同道願いまする。」
さぁ、漸く取次の腰元お園は珍阿弥の強い後押しに負け、三人を櫻の御殿へと招き入れますが、其れでも入口の客間に待たせ上司である龍野の局に此の事を報告致します。
さぁ、是を聴いた龍野の局は大至急、お豊の方へと自ら伝えに走りますがお豊の方は落ち着き払った様子で、錦の褥(しとね)を払ってからニッコリ笑います。
お豊「マァ之は大澤様。御用の趣、承りましょう。」
大澤「アァイヤ、御酒宴の邪魔を致して恐縮では御座るが其の訳は他では御座らん、昨夜の宿直、不寝番の折り、之れなる新参者・伊東荘太郎とお豊の方様が、
殿様の寝所とお廊下の継ぎ目にてお逢いに成った時、貴方様が荘太郎の問い掛けにお答えなさったお言葉に、明暦二年九月江戸生まれとお答えに成りましたが、
父上である松浦金左衛門殿曰く、江戸下屋敷で貴方は生まれておらず、國元佐賀への道中東海道の掛川宿は佐渡屋なる旅籠にて貴方様は生まれたと証言致して御座います。
更に現在は二十一歳にお成りで、茶は千家にて指南役は村田陽石殿、又花は遠州流の家元、松尾一徳斎様よりご指導を受け、琴は野村勾當先生から、
御手跡は長尾金十郎先生の手習本で学び、囲碁は御納戸役の松井慶順殿にお習いで、和歌は元吉重成先生よりご指導頂いたと荘太郎にはお答えに成りましたが之らは真実で御座いますか?」
お豊「ハイ確かに。荘太郎と申される忠義の近習が、殿様の御寝所の不寝番の二十四人の一人として御勤めと成り、眠気を堪える為自ら小柄にて腿を刺し血を流しても、
其のお勤めに励んでおられる姿に感銘を受けた由えに、同じ殿様への忠義を強く感じ入り、多少盛りは致したが妾は素直にお答え致しました。其れが何か不都合が御座いますか?」
大澤「イヤ、荘太郎にお答え頂いた内容を当方で吟味致しました。と、申しますのは貴殿の実父、松浦金左衛門殿に登城頂き、事細かくお答えの内容を精査致しました。
すると先に申した通りお生まれの月日は明暦二年九月の二十一歳で間違いないようですが、お生まれに成った場所は、江戸表の鍋島藩江戸下屋敷などではなく、
丁度松浦殿は國元佐賀勤番へと転宅に成る道中東海道の掛川宿は佐渡屋なる旅籠にて貴方様は生まれたと証言致して御座います。まぁ、之は多少の記憶違いで御座いましょうが、
問題なのは茶道、花道、右筆、お琴、囲碁、和歌など広く御教養を有されているのは事実、その事は殿様をはじめ 周知の事なれど、父上、松浦殿曰く娘は至って不器用の生まれ、
十五に行儀見習いで御殿に上がり十七にて殿様のご寵愛を受ける様になり、愛妾と成るも父上曰く娘に勤まるのか?両親共に心配だったそうで御座る。
又、確かに手習は金左衛門殿が自ら教え、琴と花道はご内義が少々手解きは致したが、茶道、和歌などは十七まで嗜む姿を知らぬと申されております。
更には三年以前は、大変に親孝行な娘子で年に二回の宿下りで実家に戻る際は土産を持参し、母と娘はすこぶる仲が良く頻繁に楽しげな談笑していたが…。
十七で側室と成ると人が変わった様に母親ですら近くに寄せ付け無くなり、不思議な位に人情の通った会話は親子には無く、金左衛門殿は此の年にして独り娘を失うとはと、
重役一同の面前で憚る事なく、漢泣きして落涙に及ぶ姿を晒して御座いましたぞ!この義は如何に!と言うのが重役一同の疑念であり、倉之丞、総代を賜り推参仕った。」
此の大澤倉之丞の口上を皆まで聴かず、スッとお豊の方は立ち上がり、キッと仇を睨むが如く恐い顔に成りまして、倉之丞と荘太郎の方を睨み付けます。
お豊「鶏を裂き殺すに、何んぞ牛刀を用うべきや?!高が知れたるか弱き女人を捕まえて、何事を宣うか!思えば此の仰々しい詰問は何事ぞ!そもそも昨夜廊下に於いて、
此の新参者の伊東某と申す御仁が、忠義を尽くして不寝番を致す姿に感じ入り、態々、無碍にも出来ずお答え致したのに、確かに側室としての見栄も御座れば噺を盛りも致します。
左様な次第をお察し出来ぬのですか?勿論、盛ったと申しても出鱈目に近い答えも御座いまする。其れを態々実の父・松浦金左衛門を呼び出し一々裏取りするとは笑止千万!
か弱き愛妾を寄って集って重臣重役の意向を笠に着て虐める事が当家の政ですか?しかも妾が取り巻きの腰元、局を集めて酒宴の最中を狙って貶めるとは虐め以外の何者でもない。
大変に不愉快です。此の事はお殿様はご存知なんでしょうね?妾は必ず殿様にご注進致しますよ!?困るなら直ぐに立ち去りなさい、此の無礼者、早く下がりなさい!下郎。」
何時もは艶麗しきお顔をみせるお豊の方が、般若の面を付けたかの様な形相となり、大澤倉之丞と伊東荘太郎を叱責致します。是に呼応するかの様に御老女龍野も援護致します。
龍野「只今、お部屋様の申された通り無礼千万、大澤殿!殊に出過ぎたるは此の新参者の伊東荘太郎は無礼至極!酒が不味くなります、早々に立ち去られよ。」
さぁ、此の様な展開は百も承知で、従順に従わないなら吟味の手間など省いて成敗すると、強い英断を胸に来ている大澤倉之丞は荘太郎に目配せし合図を送ります。
大澤「ヤァ!妖しきお豊の方の挙動よ、真のお豊の方では御座らん!我が鑑定は妖怪化猫と決まり申したからは生かして於くな!何に致しても國色の聴こえ在る淫婦!
御家、鍋島家にとって夏に盆無し。之なる化猫を斬り捨てゝ御手の障害、仇を祓う所存!サッ、荘太郎、遠慮は要らぬ之れなる化猫を討ち取れ!!」
そう下知を飛ばした大澤倉之丞、ズラッと脇差を抜いて正眼に構えます。そして脇に控えて居ります伊東荘太郎も、すかさず大刀を抜きまして此方も構えますから、是を見たお豊の方は、
お豊「コレ!狼藉者じゃ、其れ女中衆、出ませぇ!」
と、声を上げますと、取次のお庸と老女龍野の局が先ずは膳部を大澤と伊東に手当たり次第投げ付けますと、奥から予め準備していた薙刀隊が襷十字に鉢巻をして七、八人が現れます。
腰元お庸と御老女龍野の局も、懐剣を抜き逆手に持つと是で大澤、伊東の両人に斬り掛かります。更に後から出て来た薙刀隊は、鍋島藩自慢の精鋭、腰元お夕が率いる隊で御座います。
大澤、伊東の両人は都合十人を相手に斬り合いとなり、丁々発止中々お豊の方を討ち取るどころか、特にお夕の薙刀に苦戦を強いられます。其れでも二人の豪傑は、
十人の女中を相手に一上一下と斬り結んで居りましたが、御老女龍野、取次のお庸、そして薙刀のお夕は討ち取りましたが、肝心のお豊の方の姿が御座いません。
コレは実に遺憾至極に御座います。さて倉之丞、荘太郎の両人はまだ、抵抗する五、六人の薙刀を持つ腰元に苦戦中で、疲労は激しく肩で息をする始末です。
すると、一陣の生暖かい風が部屋中に吹き込みまして全ての灯りを吹き消して仕舞います。嗚呼、全くの真の闇に包まれた修羅場のお豊のお部屋。
ふふふ、ハハハ、ふふふ、ハハハ!
遠くに笑い声が響くと風は止まりましたが、相変わらず戦場と化したお部屋は真っ暗闇で、時々、刀と薙刀が当たる火花が散り、二対六の殺し合いは続いています。
其処へ、大澤倉之丞と伊東荘太郎の二人が刀を抜いた瞬間に、後ろの廊下の方へ逃げ出した梶川珍阿弥が見て来た一部始終を、本城の重役達に伝えまして漸く明け方に成ると役人が駆け付けます。是が延宝四年七月七日。
さて、このお豊の方捕縛に失敗した、大澤倉之丞と伊東荘太郎でしたが、この後、どの様な展開が待っておりますか?更に伊東荘太郎は出世する事に成るのですが、其の辺りは次回のお楽しみに。
つづく