遂に、東映時代劇チャンネルで、竹脇無我主演の『清水次郎長』が配信開始です。


◇第一話 https://youtu.be/ioLOu9CIwKA


養子の次郎長が米屋を継いで、お蝶と結婚間近の檻に、鬼瓦一家と何かと揉める所から、物語は始まります。


オープニングカットの茶畑をバックの富士のお山がなかなか素晴らしいです。



そして、森の石松があおい輝彦で、この石松が東海道を西に向かうか?東にするか?思案している所に現れたのが、范文雀のお竜。



范文雀は、このオープニングだけで物語には、まだ、全く絡んで来ません。この石松の登場は、三代目伯山の『清水次郎長傳』とは、全く違う展開で、こんなに早く石松は出て来ないから、テレビオリジナルです。


さて、清水湊のこの時の大親分は鬼瓦で、演じるのは河津清三郎。そして、鬼瓦一家に草鞋を脱いでいる客分が、黒駒ノ勝蔵で、露口茂!太陽に吠えろの山さんが演じます。



また、鬼瓦の一の子分で代貸を務める佐吉役が、宍戸錠の実弟、ちあきなおみの旦那さんの郷鍈治です。

まぁ、超悪人顔の強面だから、佐吉って言われると『人形佐吉』をイメージするから、どこが?と、思ってしまいます。



物語は、搗き米屋『山本屋』の養子長五郎(清水次郎長)と継母のお直親子が、料亭を営む『増川屋』、増川与左右衛門と内儀・お民の娘、お蝶との縁談噺を進める所から始まります。

竹脇無我の次郎長の継母、お直を演じるのは村瀬幸子。このお直役の時は67歳で、とにかく舞台、映画、テレビドラマに大活躍の女優さんです。


一方、増川屋側は、増川与左右衛門役は永井智雄。内儀のお民役に磯野道子。永井氏は加藤剛の『大岡越前』で仇役の中山出雲守を演じていたのが印象に残ります。


また、お蝶役は梓英子、その弟の増川ノ仙右衛門役を太田博之が演じています。ここは三代目伯山とはかなり違う。

伯山の増川屋は、料亭ではなく魚問屋だし、増川屋の女房はお三津と謂う悪女の設定で、此のお三津の間男の相手が仙右衛門の仇になります。


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併し、このドラマでは仙右衛門とお蝶が姉弟だから、このお民が間男して与左右衛門を殺すとは思えません。

さぁ、お蝶役の梓英子さんは、大忠臣蔵でも紹介したから、多くは語りませんが、70年代は時代劇に能く出ていました。

一方、太田博之氏は子役からアイドル的な俳優でテレビにも70年代は活躍したが、寿司チェーン店「小銭すし」を経営して芸能界から引退されました。

まぁ、金銭トラブルで監禁事件を起こしたりして、役のイメージとはかなり違う一面があり、残念ながら寿司チェーン店「小銭すし」は倒産し、以後、ニュースでは聴かなくなりました。


そして、物語は前半の『次郎長傳』のキーマン、謎の僧侶が登場します。この役を佐野周二が演じています。

此の謎の僧は、次郎長に「死相が出ているから、命はあと一年!」と宣告しますが、その余命宣告が、次郎長に踏ん切りを与えて、鬼瓦と悪代官を殺害する決意をさせるのです。

ちなみに、悪代官役は小柴幹治という人ですが、私は殆ど知らない役者です。


まぁ、次郎長が謎の僧侶に余命宣告されると、次郎長は伯山の講釈通り、自暴自棄に成るのだが、竹脇無我の演技が酷い!見てやって下さい。

次郎長は、鬼瓦と悪代官を討つ決意をしますが、剣術の心得が無いから、二十五歳凸凹の年齢なのに道場に通い道場主に弟子入りします。

余命一年だから、十ヶ月程度の剣術修行で、任侠一家と代官所を相手に斬り合うとは、流石に無理が在るけど、物語の都合上仕方が無い。


だって、道場主は後の清水一家の代貸、大政だから。そして、此の槍の名人大政役は大木実が演じています。



そして、見事に鬼瓦と悪代官を次郎長は討ち果たしますが、凶状持ちとなり、大政の紹介で関東一の大親分、上州の大前田英五郎を訪ねて行きます。

この時、桶屋の鬼吉が子分になりたいと、石松と一緒に付いて行くのですが、鬼吉役は吉永小百合の相手役の田辺晴夫です。


また、ラストシーンが凄くて、母親を棺桶に入れて駕籠代わりにするのは斬新です。