この後半90年代に入ると極端に、小野寺十内は夫婦では描かれずに、単独で登場する様に変わります。
描くのがやっぱり難しく地味なのと、あとは、和歌を通じての夫婦の絆を演じる男女というキャスティングが難しいんでしょうねぇ〜。
赤穂浪士四十七士を描く際に、まぁ、二十人位の浪士は描かれて、堀部安兵衛や赤垣源蔵、大高源五、萱野三平の様な際立つキャラと、
片岡源五右衛門、吉田忠左衛門、原惣右衛門、不破数右衛門、寺坂吉右衛門の様な、中程度に個性がありつつ、ストーリー上必要な人物と、
矢頭右衛門七、岡野金兵衛、神崎輿五郎、倉橋傳助の様な強烈なエピソードの在る人物は、役者選びに理由付けが出来ますが、
此の小野寺十内の場合、夫婦で位置付けて、キャラクター固めされていないと、なかなか、役者選びが大変な様に感じます。
1990年忠臣蔵
庄司永建、妻・丹:なし。庄司さんは本当に大河ドラマに能く出ている印象があります。
また、忠臣蔵だと、あのポンコツ江戸家老、安井彦右衛門を演じたりしていて、その影響からか?
この二枚目の写真でお馴染みの西部警察の係長役が、実に合っていて、安井江戸家老と重なるキャラだと思います。
インテリなイメージが有るので、小野寺十内は庄司さんに合うとは思いますが、どうせなら妻とのやり取りも見てみたい気がしてやや残念。
1991年 大石内蔵助
内藤武敏、妻・丹:なし。内藤武敏さん、小野寺十内には、かなりピッタリな役者さんです。時代劇に、現代劇に両方活躍した役者さんです。
大河ドラマは、能く出ていて、忠臣蔵の大河は、64年では上杉の用心棒、清水一学役、75年の大河は老中土屋主税役を勤めています。
また、忠臣蔵だとテレ東の十二時間ドラマで、堀部弥兵衛を演じたりもしています。
尚、私達世代は百恵ちゃんの『赤いシリーズ』のお父さんの役のイメージもかなり有ります。
1991年 忠臣蔵
草薙幸二郎、妻・丹:なし。是又、大河ドラマの常連な感じがする草薙さんです。『元禄太平記』では、神尾主膳、『峠の群像』では、都座半兵衛と、四十七士ではない役どころでした。
ただ、小野寺十内というより寺坂吉右衛門などが似合う感じの役者さんだと思います。
線の細い悪代官、悪役家老みたいなイメージが強い気が、私は致します。
1994年 大忠臣蔵
井川比佐志、妻・丹:長山藍子。此処に、内藤武敏さん辺りを使いたくなるなぁ〜、長山藍子さんのお丹は、非常にしっくり来ます。
お丹って、長山藍子さんのイメージです。決して工藤明子さんではありません。
さて、井川さんも忠臣蔵は、何作品か出ていて、71年大忠臣蔵は橋本八十八役、99年元禄繚乱は原惣右衛門、映画・四十七人の刺客では奥田孫太夫を演じています。
ちょっと、小野寺十内にしては角があると言うかぁ、ゴツゴツし過ぎたイメージが御座います。
1996年 忠臣蔵
大出俊、妻・丹:なし。工藤明子さんの実の旦那さんですが、小野寺十内にしては、切れ過ぎて悪人感がやや強い気がします。
大出さんは、家老や代官側の役のイメージが強いです。又、実の夫婦で演じると、違和感有り過ぎて、是又無理でしょうなぁ。
1999年 元禄繚乱
川辺久造、妻・丹:なし。川辺さんは、『ザ・ガードマン』『キーハンター』『Gメン★75』の時代から悪役のイメージが非常に強い役者さんです。
時代劇でも、『水戸黄門』『暴れん坊将軍』の悪代官、悪役家老は、何度も演じているはずです。
さて、では忠臣蔵ではどんな役をやって来て居るか?見ると、意外に善人色が強いんですよ、『元禄太平記』では神崎輿五郎と、この『元禄繚乱』の小野寺十内何んですよねぇ〜。
2003年 忠臣蔵
上村厚文、妻・丹:なし。上村さんが主役に絡む役を演じる時代劇を私は余り知りません。ちょっとした、小悪党で、割と早くに殺されるイメージです。
2004年 最後の忠臣蔵
城春樹、妻・丹:なし。超アクション俳優で、殺陣は上手いですが、小野寺十内の要素を感じません。やっぱり、夫婦で和歌のイメージで、物語を組み立て欲しいです。
2007年 忠臣蔵
原田清人、妻・丹:なし。典型的な時代劇と刑事ドラマで活躍された悪役スターだと思います。
忠臣蔵は、79年・赤穂浪士で潮田又之丞を演じて居ますし、94年・大忠臣蔵では奥田孫太夫も演じています。
だから、この二つよりは、この2007年の小野寺十内は、メジャーな四十七士ですよね。十年単位で出世しているのが面白いです。
完