毎度お馴染みのテレビドラマ『忠臣蔵/赤穂浪士』作品に見る「小野寺十内」を見て行きましょう。
まぁ、小野寺十内は愛妻家で、和歌の名人!なんせ、インテリのイメージが強い人なので、そんな視点を入れて、登場していたら、妻・丹の配役にも注意して行きます。
1964年 大河ドラマ『忠臣蔵』
志村喬、妻・丹:夏川静枝。流石!NHK、渋い夫婦ですね。共に明治生まれで、志村喬さんが、正に十内と同じ還暦くらいで、夏川さんも五十二、三歳。
志村さんは、私はこの『七人の侍』のイメージがやはり強い。小野寺十内をやって不足なしだし、夏川さんは、兎に角、大正時代はプロマイドの売上No. 1女優でした。
個人的には、『夢千代日記』のはる家の女中、おスミさん役の印象です。
1971年 大忠臣蔵
伴淳三郎、妻・丹:夏川静枝。伴淳さんは、私達の世代だと時代劇のイメージは非常に薄いです。映画だと高田浩吉先生の『傳七』とかでは見ていますが、
やっぱり、伴淳さんと言えば、私達世代は、TBSの久世さんのドラマになります。『時間ですよ!』『寺内貫太郎一家』。
あと、『てなもんや』にも出ていましたが、あんまり印象にありません。てんぷくトリオとかまんがトリオの方が覚えている。
さて、小野寺十内の妻!また、この『大忠臣蔵』でも、夏川さんなんですよね。伴淳さんは小野寺十内のニンに無いんだけど、夏川さんがリードしたのか?面白い夫婦です。
1975年 大河ドラマ『元禄太平記』
加藤嘉、妻・丹:なし。加藤嘉さん!小野寺十内には、かなりピッタリ!残念ながら妻は登場しません。加藤嘉さんの方が、志村喬さん、伴淳さんより若いんですね。
私は加藤嘉さんは、もう、爺さんになった後に認識していますから、この辺りの俳優さんは、殆ど同じに見えておりました。
で、個人的には、加藤嘉さんと言えば、映画『砂の器』の主人公の父親役です。あの演技を真似する竹中直人のモノマネも必見ですが、現在は放送事故に成るから演じられません。
1979年 赤穂浪士
西村晃、妻・丹:なし。西村晃さんにも、私は水戸黄門以外、時代劇のイメージが薄いです。
小野寺十内のニンが無いとは言いませんが、個人的には、加藤嘉、西村晃よりは、次に紹介する山村聰のイメージです。
1979年 女たちの忠臣蔵
山村聰、妻・丹:杉村春子。是又、小野寺十内にピッタリの配役で、又、妻・丹には杉村春子さんが演じております。
舞台で、強い女を演じるの宜いのですが、和歌で結ばれた夫婦が、忠義の為に死んで行く様を、どの様に演じたのか?
山村聰さんは、『あゝ忠臣蔵』の内蔵助の時にも書きましたが、この必殺の元締のイメージが強くてね、内蔵助よりは遥かに十内が似合います。
其れにしても、山村聰と杉村春子の小野寺十内夫婦は見たいと思う素晴らしいキャスティングです。
1982年 大河ドラマ『峠の群像』
小栗一也、妻・丹:鈴木光枝。是は、普通過ぎる夫婦をあえてキャスティングされたのか?小栗一也さんの小野寺十内でも、悪くは無いのですが、短歌、和歌のイメージが薄い気もします。
ただ、極悪冷淡なイメージが無いから、らしく演じて頂くと、連続ドラマならば、イメージ造りがそれなりに出来て馴染むんだとは思います。
鈴木光枝さんは、主婦の役やお手伝いさん役のイメージも強いのですが、滝田栄さんの『徳川家康』で大政所のねね役が印象にあります。
1985年 忠臣蔵
山内明、妻・丹:なし。忠臣蔵は、映画で片岡源五右衛門、テレビドラマでは、小山田庄左衛門、大野九郎兵衛、そして此の小野寺十内と、演技の幅広さを感じます。
四十七士なら、どの役にもオールマイティ、ワイルドカードに嵌まる役者さんだと思います。
1989年 大忠臣蔵
石浜祐次郎、妻・丹:工藤明子。是は何んとも不思議な小野寺夫婦の組合せです。
石浜さんは、本当に時代劇中心の脇役として、多数ドラマに出てられますから、先の山内さんと同じ様にオールマイティで小野寺十内を演じると思いますが、
工藤明子さんは、妖艶過ぎると思います。そして、悪女感があるので、不思議なお丹になりますよねぇ〜。
そして、工藤明子さんは、二時間ドラマで割と早目に殺される悪女のイメージが私には強く感じられます。
つづく