幡髄院長兵衛は、百年目の長兵衛、朝比奈藤兵衛、帆柱伊之助、天王寺屋五兵衛、番頭の蓑吉、手代の藤吉、
鹿島屋久右衛門、番頭の三平、そして源太郎で久しぶりに芸者を上げての大宴会をしていて、気の合う連中に集まって貰ったので、こんな噺を始めます。
幡髄院「俺は、一つ皆んなに聴いて貰いたい願い事がある。」
藤兵衛「何んだい兄貴!兄貴の頼みなら、俺は喜んで協力するぜぇ!」
一同「ワテらも、勿論ダス。」
幡髄院「其れは他でも無い、人助けの提案何んだが、そうだ!藤吉は知っているよなぁ〜、俺が生駒峠で、川へ身投をしようとしていた、
大和郡山の浪人、中西藤助の内儀・梅と申す女を助けてやった、あの出来事を。」
藤吉「ハイ、元締が、川に飛び込む寸前に、女の帯を掴んで抱え上げて、自殺を思い止まれと、噺を聴いてやると、
旦那が眼病で働けなくなり、家ん中の金目の物を質入れて、何んとか暮らしている中、旦那が命の次に大切にしている刀を売らないと、遂に暮らしが立ち行かず、
是を売りに出て、三両で売れたのに、胡麻の蝿に摺り取られて仕舞い、生きる望みを失って死のうとしていた奴を、
幡髄院の元締が、ポーンと五両の金子を、その女に恵んでやって、女は死なずに済んで、喜んで大和郡山の佐々木村へ帰って行った、あの一件ですよね?!」
幡髄院「そうだぁ、あの一件だぁ。貧しい暮らしで明日の扶持にも困るような者は、ニ、三両の銭の為に命を落とす。
一方で、俺は商売に恵まれ、仲間や子分に恵まれたから、時に芸者を上げて、仕出しの料理と宜い酒を求めて、二十両、三十両の金子を散財出来る暮らしをしている。
其処でだ。この様な宴会に使う金子を我慢をして、中西藤助さんの様な困って居る人達に、少しでも暮らしの足しにして頂く、
『頼もし講』
そんな基金を、皆さんから少しずつ集めて、困っている個人や村、町に定期的に施しが出来るようにならぬものか?と、考えているのだが、
もし、皆さんのご賛同が頂けるなら、米一合からでも構わないから、先ずは、中西藤助さんの眼病の見舞いから、始めたいのだが、どうだろう?協力して貰えないだろうかぁ?!」
是を聴いて、天王寺屋五兵衛と、鹿島屋久右衛門の二人は、直ぐに其れは素晴らしい考えだと、この幡髄院長兵衛の『頼もし講』への参加を名乗り出ます。
更に、帆柱伊之助が、俺も同じ様な自殺を止めた経験があると、語り出すのでした。
伊之助「兄貴、少し待って呉れ。オイラの噺も聴いて呉れ。実は、つい最近の事なんだが、渡辺橋の街道沿いにある大きな松の木の前を、
通り掛かった時に、アッシもシゴキを松の太い枝に引っ掛けて、死のうとしている女を見付けて、之を取り押さえてみると、
天満天神の裏門、大工町に居る夫婦で、子供が三人、そして亭主の母親の六人で暮らしていると言う女子(女子)でした。
この女も、年末年始で金子が要り用で、親戚や知り合いを何軒も廻り、漸く、五両の金子を工面して帰る途中で、摺りにやられ、途方に暮れて死にたく成ったと言うから、アッシも五両を恵んでやりました。
だから、兄貴が郡山のご浪人にお見舞いで更に施しをなさるなら、アッシが助けた天満天神の六人家族にも、施しに行って貰いたいがどうだろう?
アッ?!待てよ、オイラが助けた女も、名前は『お梅』と、そう名乗りましたぜぇ。」
と、伊之助が申しますと、其れを聴いていた、鹿島屋の番頭三平も、私にもと噺を始めます。
三平「アッシも、実を言うと三十凸凹の小柄な女が、名前は『お梅』って女が首を吊ろうとしているのを、千日前で助けてやって、五両を摺りにやられたと言うから、
亭主に死なれて、幼いガキが三人居て、患い付いた亭主の父親を抱えて難儀をしていると申すもんで、五両恵んでやった事が御座います。」
幡髄院「俺の助けたお梅さんも、小柄な三十凸凹の女で、色が浅黒く。。。目がクリッとした男好きのする女だった。伊之助ドンの女は?」
伊之助「俺が助けた『お梅』も、三十凸凹で色は黒い小柄の女だぁ。それと、左側の小鼻に黒子が有りましたぜぇ、兄貴!!」
三平「そうです。俺が助けたお梅にも、有りましたぜぇ、其の黒子。」
幡髄院「之りゃぁ〜、俺たち三人が三人共、同じお梅にハメられた様だぁ、なぁ〜。」
と、長兵衛達が噺をしておりますと、この日も座敷が掛かり呼ばれて居た、長兵衛の贔屓の芸妓『梅乃』が、突然泣き崩れます。
幡髄院「梅乃!どうした?なぜ、泣いている?!」
梅乃「長兵衛さん、私は実を申しますと、大和郡山藩本多大内記政勝公の元家来だった、中西藤助の内儀・梅に御座います。」
幡髄院「梅乃!誠かぁ? どう言う仔細だぁ!詳しく話して呉れ。」
梅乃「ハイ、私の主人、中西藤助は、三年前に眼病を患いまして、読み書き手習の師匠の仕事が立ち行かぬ様になり、先祖伝来の刀を売り、
その代金で、郡山に田畑を買って小作に貸して生計を立てるか?大坂で長屋を買って賃貸するか?その様な腹積りで、刀の買い手を探しておりました。
その時、大坂中之島の萬屋利兵衛と申します質屋から、五十両で買いたいとの噺が御座いまして、その刀売却の相談を進めておりました。
そんな或日、私が留守中に、刀の商談で中西は萬屋利兵衛と其の番頭の白虎ノ六蔵に呼び出されて、
刀と交換する田畑を見せてやるからと、巧みに誘い出されて、西大寺門前の田圃へ駕籠で連れ出され殺されて、奴らは刀を奪い其のまま逐電するのです。
跡で分かったんですが、この萬屋利兵衛は、元中國の浪人で本名は杉田金兵衛といい、藩の金子を持ち逃げ横領し、大坂へ出て来て、質屋の株を手に入れて商売して居ましたが、
質屋とは名ばかりで、殆どの商いは、所謂『故買屋』で、盗賊が盗んで来た品物を安く買い叩いて売り捌く。
そんな商売をしておりますから、御用の筋から目を付けられて、何処かへ逐電、高跳びしようと機会を狙って居た所へ、ウチの中西の刀の噺を耳にして、
片腕で番頭の六蔵と二人して、ウチの人を殺して刀を奪って三年前に何処ぞへ逃げたので御座います。
この白虎ノ六蔵には、目地金ノお藤と申す女房が御座いまして、平生は酌婦をしながら賭博に現を抜かし、資金(もとで)が無くなると、
身投、首吊の真似をしたり、大家へ行って騙り強請りを働く、そんな性根の腐った女子で御座います。
恐らく、そのお藤が私の『梅』と言う名前を利用し成り済まして、騙りを働いて、賭博の元を稼いで居るに違いありません。」
幡髄院「と、言う事は、その萬屋利兵衛、白虎ノ六蔵、そして内儀の目地金ノお藤の三人が、三年ぶりに、熱りが冷めたと、大坂へ戻り又悪事を働いているんだなぁ?!」
梅乃「ハイ、其れに相違御座いません。私は、三年前に主人、中西藤助を殺されて、結局、女一人で生きて行く為に、芸者置屋に身を沈めて、今日まで生きて来ました。
其れでも、中西の仇だけは、何んとか討ちたいと願い。女の細腕で、出来る限りの情報は仕入れては見たものの、
萬屋利兵衛、白虎ノ六蔵、そして内儀(にょうぼう)のお藤を、この手で討ち取る事は、叶わぬ事と、諦めておりました。
然し、今は幡髄院の元締、朝比奈の親分、そして帆柱の親分さん、百年目の親分さんが味方して下さるなら、どうかぁ私の仇を、討って下さいましと、お願いしとう御座います。」
幡髄院「そいつは、ひでぇ〜悪党だぁなぁ〜。盲人を騙し討ちにして家宝の刀を盗むなんて、犬畜生以下の所業だ!
そして、俺は前にも話したが、今の俺が在るのは一重に本多のお殿様のお陰だ。だから、梅乃、お前の旦那、中西藤助さんは、身内みたいなモンだぁ。
だから、必ず、この俺が、お前さんの仇を討ってやる。とは言え、相手は大坂三郷、摂州・泉州・堺の何処に潜んでいるか?
江戸モンの俺には検討も付かない。どうかぁ、百年目の親分!そして、兄弟!何か宜い知恵はないかい?」
百年目「そいつは、簡単だ。俺と朝比奈と帆柱の三人が、その萬屋利兵衛と白虎ノ六蔵の人相書きを、子分衆に回状にしたら、まぁ、三月経たない内に行方は知れるさぁ。
そして、梅乃さんの旦那が取られた刀の特徴も、添えて回状に書き足してなれば、まず、間違いなく潜伏先は知れる。
と、言うかぁ、『頼もし講』の時は、自信が無かったが、この仇討ちが幡髄院の元締の願いになるなら、之を叶えてやれんようでは、俺たち三人の『鼎の軽重』が問われます。」
幡髄院「本当ですか?!百年目の親分。」
百年目「そうだろう?藤兵衛!伊之助!」
藤兵衛「へぇ!勿論です。」
伊之助「アッシも、喜んで!!」
こうして、芸妓『梅乃』の主人、中西藤助の仇を討つ為に、百年目の長兵衛、朝比奈藤兵衛、そして帆柱伊之助の三親分は、
梅乃が話した萬屋利兵衛と白虎ノ六蔵の特徴を人相書にして、大坂中の子分に回状にして廻し、二人の情報を集め始めた。
さて、幡髄院長兵衛の宴席に、百年目の長兵衛は、若頭の玉造ノ五郎蔵と言う右腕を連れて行き、恐らく跡目を継ぐ、この漢に、事ある毎に幡髄院を見せて、その器の大きさを学ばせて居た。
百年目「どうだぁ?五郎蔵、幡髄院は?」
五郎蔵「本まに、伊達に『江戸で一番』と言われるだけの器ですなぁ。親分が、病を押して仲人になり、朝比奈のオジキが、あそこまで心酔されるのも頷けますワぁ。」
子分A「親分!そないに幡髄院長兵衛は、凄いですか?!」
五郎蔵「あぁ、凄いワぁ。例えばや、お前が五日に一回、一分で女郎を買うのが日課やとする。月に五回か?六回の女郎買いをやぁ、
一回我慢して、皆んなで基金を作って、困ってはる人とか村とか町に恵んでやりましょう!、何んて、そんな発想の任侠が世の中に何人居るかぁ?ちゅうこっちゃ。
其れには、情けは人の為ならず!と、遠い先々かも知らんけど、必ず、其れは無駄や無かったと思える報いで返るに違いないと、
信じる心!そんな暖かい信念を、幡髄院の元締が言う『頼もし講』には、夢が在るねん!分かるかぁ?!」
子分A「女郎買いを一辺我慢したら、見返りは何両返るんでっか?親分。一分恵んだら、ワテなら三分か?一両は欲しゅうおまんなぁ。」
五郎蔵「アカン!アカン!そないな料簡で恵むんやったら、商人と一緒や!任侠が、素人(カタギ)ハンを助けるんやでぇ、
ワテら横道者が、暮らして行けるのは、素人ハンのお陰なと言う料簡で、『頼もし講』を作るんやから、おまはん等には判らんやろうなぁ〜。」
子分B「へえ、判りまへん。」
子分A「女郎買い、我慢でけへんと思いますワぁ。」
五郎蔵「そうやろうなぁ、儂も、『頼もし講』やのぉ〜てぇ、『仇討ち』に変わって、ホッとしとるもん。」
さて、正に、そんな噺を子分二人と、玉造ノ五郎蔵が、小料理屋で一杯やっての帰り道、太左衛門橋に差し掛かると、
橋のど真ん中で、小兵な女が仕切りに小石を袂や懐中に入れて居ります。
五郎蔵「ハテなぁ?」
と、五郎蔵が春の朧月の明かりを頼りに其の女の様子を見守って居りますと。女が欄干の前で手を合わせ拝む様に致します。
女「お父っぁん!お母さん!先立つ不孝をお許し下さい。もう、生きる望みも御座んせん!南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。。。」
と、仕切りに。何故か、聴こえるような声で、唱えて御座います。
子分A「親分!身投でっせぇ。」
五郎蔵「かも知れんが、今、回状で廻しとる、目地金ノお藤かも知れん。三吉、お前、泳ぎが得意やったなぁ。」
三吉「へぇ、伊勢は鳥羽の生まれですから。」
五郎蔵「ならばお前、其の橋の袂から降りて、河岸で下帯一本に成っていつでも飛び込める体勢で待って居て呉れ。
万一に一つとは思うが、本当にあの女が川に飛び込んだら助けてやって呉れ。其れから、亀吉!貴様は、先に、向こう側へ渡って待って居て呉れ。
あの女は、十中八九、目地金ノお藤だ。俺と挟み撃ちにするから、油断せず向こう側に居て呉れ!」
亀吉「ヘイ!親分、合点です。」
三吉「下帯一本は寒いです。」
五郎蔵「我慢しろ!水に飛び込んだら、もっと寒い。まぁ、飛び込む必要は無いと思っているから、分かった!ホラ、寒冷地手当だ!」
と、五郎蔵が一分を手渡すと、三吉、現金な野郎で「ハイ、合点だ!」と成ります。そして、
亀吉「親分、アッシも下帯一本に成って、向こう側へ行きますから、寒冷地手当を?!」
五郎蔵「馬鹿!貴様は変態かぁ?!下帯一本で、橋を渡る奴は居ないよ。」
と、五郎蔵、亀吉と三吉に命じて、其々の持ち場に着かせると、あぁ、あの二人が幡髄院長兵衛の『頼もし講』の料簡に成る日は遠い!と、思うのでありました。
女「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。。。」
五郎蔵「早まった真似はよしねぇ〜」
女「死なせて下さい!死ななければならない理由(ワケ)が在るんです。」
五郎蔵「どんな理由だ!旦那が眼病で、刀を売ったからかい?!其れともガキが三人居て、病気の義父か?義母があるのかい?!」
女「???」
五郎蔵「亀吉!早く来い。この女(アマ)、三十凸凹、色黒の小柄で、左の小鼻に黒子が在る!目地金ノお藤だ。
三吉、貴様も飛び込むには及ば無いから、コッチへ来て、この女を捕まえるのを手伝え!」
そう言うと、三人で囲んで取り押さえ様と致します。
女「何を仰います!人違いです。死なせて下さい!」
五郎蔵「分かった!死なせてやろう!」
そう言うと、五郎蔵が取り押さえ様とすると、女は懐中から匕首を出し抵抗致しますが、五郎蔵が手刀で簡単に匕首を叩き落とし、
その女を抱え上げると、橋の欄干から川へ突き落とします。
女は泳げない!「アタイが白虎ノ六蔵の女房、お藤だよぉ。」と白状しましたら、三吉に川へ飛び込んで助ける様に指示致します。
ずぶ濡れの目地金ノお藤を川から引き上げて、五郎蔵は是を担ぎ上げると、難波新地の幡髄院長兵衛の家に連れて行きます。
五郎蔵「亀ッ!この女を、幡髄院の元締ん所へ連れて行くから、お前は道頓堀長堀橋の芸者置屋に一走り行って、梅乃さんを長兵衛さんの家まで連れて来て呉れ。」
亀吉「ヘイ、合点です。」
亀吉は、太左衛門橋から長堀橋へ向かい、梅乃の居る置屋へとやって来た。
亀吉「梅乃さん!居るらっしゃいますか?」
梅乃「アラ?五郎蔵親分の所の若衆さん、何んの用ですか?」
亀吉「ヘイ、五郎蔵の子分で、亀吉と申します。ウチの親分が、幡髄院の元締が探している『目地金ノお藤』を捕まえて、今、難波新地の元締の家へ連れて行きました。
そんな訳で、梅乃さんにも、元締の家へ来て頂きたくて、お仕事は大丈夫ですか?」
梅乃「ハイ、判りました。仕事は抜けられますから、直ぐに行きます。」
こうして、幡髄院長兵衛と芸妓で、浪人中西藤助の後家、梅乃の前に、目地金ノお藤が引き出された。
長兵衛「ヤイ、お藤!俺と此方の婦人を覚えて居るか?」
お藤「お前さんは、生駒峠の旦那だねぇ。差してた刀が鮫鞘で柄も鮫皮だったから覚えちゃいるが、そっちの芸者だか女郎だかは知らないね!」
長兵衛「知らないハズは無かろう!貴様が、儂に語った偽名の『中西藤助の内儀、お梅さん』なんだから?!」
お藤「アラまぁ〜そうかい。アタイが会ったのは三年前で、衣装(ナリ)が変わっているし、一、二度挨拶しただけだから。。。忘れたよ。」
長兵衛「梅乃、目地金ノお藤に間違いないか?」
梅乃「ハイ!お藤で御座います。」
長兵衛「其れでは、お藤。俺はお前さんを痛め付けたくはない。だから、正直に有体に話して貰いたいのだが、
この梅乃の主人、中西藤助殿を殺して家宝の刀を盗んだ、杉田金兵衛こと萬屋利兵衛と、貴様の亭主、白虎ノ六蔵は今、何処に居る?!」
お藤「さぁ〜、アタイもあいつ等に、一年半前に播州の加古川で捨てられて、其れで食うに困り、熱りも冷めたか?と、大坂へ出て来たんだから。」
長兵衛「播州の加古川?其処に奴等は今も居るのか?!」
お藤「知りませんよ。アタイを明石の宿場女郎に売る算段を、二人でしてたから、アタイは加古川で逃げ出したんだ。
お遍路に化けて、四国を巡り、一年くらい放浪した跡、半年前にこの大坂へやって来たのさぁ。
播州に戻る訳ないだろう、みすみす、売られに戻る事になるからねぇ〜、だから、二人が今何処に居るか?は知らないよ。」
幡髄院長兵衛は、目地金ノお藤を捕まえれば、芋蔓式に、萬屋利兵衛・杉田金兵衛、白虎ノ六蔵に辿り着けると踏んで居たが、目算が外れる。
目地金ノお藤の身柄は、大坂へ来て知り合った大坂東町奉行所の同心、原勝次郎と相談して引き渡した。
更に、この目地金ノお藤が白状した事を受けて、又、幡髄院長兵衛、百年目の長兵衛、玉造ノ五郎蔵、朝比奈藤兵衛、帆柱伊之助、天王寺屋五兵衛、鹿島屋久右衛門、そして源太郎が集まり今後に付いて算段した。
百年目「幡髄院のぉ!こりゃぁ〜、播州へ出張ってお前さん本人が、探してみるしかないぜぇ。
俺や、藤兵衛、伊之助の回状にも、播州で奴等を見たと言う報告が、三、四件見られるが。。。播州は本多様の領分だし、どうだい?」
幡髄院「ハイ、親分が仰る通りで、前々から本多様にはご挨拶に上がらねばと思っていたので、兎に角、播州へ行ってみます。」
こうして、幡髄院長兵衛は、梅乃の仇を探す為に、次回からは、播州へと旅立つ展開となり、思わぬ新しい争いへと長兵衛は巻き込まれて仕舞います。
つづく