今回は、小里ん師匠/一朝師匠の両ベテランがゲスト出演。 
ネタも大ネタ揃いで、長時間の会になりました!! 
こんな内容でした。


・穴子でからぬけ … 金原亭駒松

・狸賽      … 金原亭馬吉

・一眼国     … 蜃気楼龍玉

・二階素見    … 柳家小里ん

・大山詣り    … 五街道雲助

お仲入り

・たがや     … 春風亭一朝

・居残り佐平次  … 金原亭馬生



1.穴子でからぬけ/駒松 
今年四回目ですね、駒松くん。よく当たる前座さんです。 
当たるけど、嬉しくはならないのが残念!! 
でも、こんなのが、たまに大化けする事もあるから落語は分からない。


2.狸賽/馬吉 
マクラでは、弟弟子の駒松さんをイジリました。 
「どうすれば、『からぬけ』でも、延ばせますかねぇー」に、 
洒落で、2回同じセリフを言いなぁ!倍になるから、と教えたら、 
素直ですね、駒松さん!!やってました「黒くって、尻尾が長くて、 
ヌルヌルするの? 黒くって、尻尾が長くて、ヌルヌルするの、何だ!?」 
そんな弟弟子イジリから『狸賽』へ。いい感じに弾けていました。 
もっともっと弾けると、新境地に入れるのかもしれませんね。


3.一眼国/龍玉 
最近、小三治師匠以外で、この『一眼国』を、これで二回聴いています。 
赤鳥庵の扇辰師匠以来の『一眼国』でした。面白いのは最初のマクラ、 
ここで紹介する見世物が違いました。目が3つ、歯が2つの化物と言って下駄。 
それと、八軒灯篭だよ!と言って、入口から手を引かれて出口からアッと云う間に叩き出され、 
入口から出口が八軒あります、これが本当の八軒通ろう。こんなマクラから『一眼国』へ。 
人を殺さない噺の時は、実にゆっくり噛み締めるように語ってくれる龍玉さん。 
香具師の親方は、それなりに鉄火に、客分の六分さんは、おっとりしていて、 
一つ目の娘、これが実に可愛いのです。扇辰さんのも可愛かったが、 
龍玉さんの娘が呼び掛ける「おじちゃん!!」も可愛かったです。


4.二階素見/小里ん 
『二階ぞめき』ですね。談志家元がよくやってました。 
何と!小里ん師匠は、この日ネタ卸しだったそうです。そうは思えないデキ。 
マクラでは、吉原の起こりと「吉原LOVE!!」を語る小里ん師匠。 
「あの神近市子って婆ぁが、無くしやがって」のセリフのドスが効いておりました。 
知ってますか?神近市子。社会党の創世記の重鎮ですね。 
元アナキストで、四角関係から愛人の大杉栄を刺して牢屋に入った過去がありながら、 
Free SEXから買収防止法に走ったという、本当に迷惑な婆ぁだと思います。

さて、小里ん師匠の『二階素見』確かに硬い部分もありましたが、 
若旦那の一人妄想喧嘩が、両方が職人風にならないように意識してましたね。 
また、聴きたい一席でした。


5.大山詣り/雲助 
箱根八里ではなく、この日は志ん生の一丁入りで高座へ上がる雲助師匠。 
開口一番マクラで、今日は梅雨の晴れ間、これが本当の五月晴れですね。 
だから、「新三!! 良い節句だなぁー」 このセリフが頭ん中を駆け巡り、 
家で何度も呟いてて、高座でも言いたくなったので、言いました、と、云う。 
実にお茶目な雲助師匠です。芝居の本息で云うんですよね、このセリフを。 
また、それが似合うのが、素晴らしいと思います。


そんなマクラから、W杯の話にも少し触れて、行楽シーズン昔は山へ登って、 
それを信仰の対象にしていた話を振っておいてから『大山詣り』へ。 
熊さんが長屋の女将さんを全員坊主にして、騙してお経を上げる場面、 
ここで、「芋洗ってるみたいだぞ!」のクスグリが私は大好きです。


6たがや/一朝 
いつものように「いっちょうけんめい」を言ってから『たがや』へ。 
柳朝師匠譲りの芸、江戸前ですね、たがやの啖呵!!好きです。 
同門ですけど、正雀師匠のとはまた違う迫力ですね。 
正雀師匠のは稲荷町譲りの江戸前です。共に菖蒲浴衣ですけどね。 
この日は、やや長いバージョンの『たがや』でした。


7.居残り佐平次/馬生 
鞍馬で登場!!そして『居残り』 談春みたい!!と思ったのは俺だけ??? 
サゲは、飯の種にしてやがるんです!!通りで一杯食わされた、でした。 
どーも苦手です、この師匠。咄家で一番着物が似合う男とか、自分で云うのに、 
私はついて行けません。そして、モゴモゴなのに高い声!! 苦手だ。


次回、第十五回 古金亭は、9月13日の土曜日です。