高円寺にあるノラやさん、ここで毎月7~8回程度寄席というか、独演会・二人会が開催されています。
そして、ついにこの会が通産250回を迎えたというので、3日と4日の二日間、中野小劇場にて、
素晴らしいメンバーによる落語会が、開催されました。特に、この日の3日の初日は即完売でした。
さて、この記念落語会、こんなメンバーで、こんな内容でした。

 

・一目上がり … 橘家かな文

・崇徳院   … 柳家小せん

・メルヘンもう半分 … 三遊亭白鳥

・ひと夏の経験 … 三遊亭天どん

お仲入り

・ちりとてちん  … 橘家文左衛門

・茄子娘     … 入船亭扇辰

・あの頃のエース … 柳家喬太郎
  
 
1.一目上がり/橘家かな文
なんと!あの文左衛門師匠のお弟子さんなのです。まだ、入門半年の見習いさんですが、
なかなか、落語がちゃんとできております。なかなか好青年です、皆さん!止めないように応援しましょう。


2.崇徳院/柳家小せん
ノラや寄席では、第一回に出たという小せん師匠。現在は「鐙の会」というのを毎月ノラやさんでやっています。
かな文さんを暖かく応援しましょう!とエールを送って、今日は長いので覚悟をしてくださいと云って『崇徳院』へ。
前座の後、いきなりの『崇徳院』で、ビックリした感じですが、なかなか良かったですよ。
熊さんの奮闘ぶりと、三軒長屋に目がくらんだお上さんの夫婦が本当に落語の夫婦って感じでね。


3.メルヘンもう半分/三遊亭白鳥
喬太郎師匠の入りが15時過ぎの予定だから、30分以上各メンバーが高座を繋ぐ必要があるという噺を振って、
それからの流れで、この落語会のお席亭であり、ノラやのオーナーでもある松本せい子さんの事に触れました。
その日、素敵なお召し物で、ノラやHAKOでやっている通常のノラや寄席より、ドレスアップしたせい子さんを見て、
白鳥節が炸裂しておりました、ヤングマダム風で妖しい香りを感じたようですね、
白鳥師匠、自身のブログにこんな絵を描いておりました。この絵です。本人を見た人には受けると思いますが…
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そんな話題から、久しぶりに『メルヘンもう半分』をやりました。
結構、鉄板ネタですね白鳥師匠の作品の中でも、五街道雲助師匠の『もう半分』にインスパイヤされて作ったそうです。
今回は、永代橋の上で、ムーミンをスナフキンが殺す場面で、ハメものが入り、雲助風になってました。
ただ、ギャグが古い部分がやや気になりました、カバジョンイルは、カバジョンウンの方がいいし、
一平から三平も、三平が女優さんと結婚した話に、ギャグのバージョンUpが必要だと感じました。

 

4.ひと夏の経験/三遊亭天どん
グダグダのマクラからスタートでした。高校時代の思い出みたいな話から入ったのですが、
客に面白さが伝わりません。それなのに、同じような思い出を、これでもか?!と、話すのです。
どんどん客席が不愉快な空気で包まれます。それがピークに達してから、『ひと夏の経験』へ。
本人は、この噺好きみたいですが、イマイチ面白さが伝わりません。
夏休み中に、女子高生は、ひと夏で変わるというストラクチャーを、真面目な子が小ギャル風になり、
もともと小ギャルだった奴は、花魁みたいになり、ならば元々花魁だったら?みたいな面白さなんだけど、
天どんさんの落語の技術では、客に半分も伝わらないのが、可哀想というのか、グダグダになります。
途中で、演者の方が辛くなって止めた感じがしました。25分やれませんでした。

  
 
5.ちりとてちん/橘家文左衛門
マクラで、鈴本の夜、サラ口に出ていて久しぶりにトリの権太楼師匠に会った話をしました。
権太楼師匠から、権太楼式ストレッチを伝授されて、凄く体が痛い!と云っておりました。
ただ、このストレッチ、凄く体に利きますよ、肩甲骨が開く感じがひしひしと致します。
そんなマクラから、季節のネタですね『ちりとてちん』へ。
碁会が流れた主人が、カビの生えた豆腐で“ちりとてちん”を作る場面が文左衛門らしかった。

  
 
6.茄子娘/入船亭扇辰
マクラでは、「かな文」を楽屋で、呼び捨てにしてコキ使えるのが嬉しいと言う扇辰師匠。
文左衛門師匠の前座名ですからね、かな文。かな文も、二つ目に上がると小文吾になるのか?
そして、ノラやの開業記念パーティーで、初めて3K辰文舎として舞台に立った時の話をしました。
3K辰文舎誕生秘話ですね。ノラやさんがデビューだったとは知りませんでした。
さて、『茄子娘』。いいですね、様子が。どんどん扇橋師匠に似てきています。
この日の落語の中で一番印象的でした。耽美な感じなのです。鈴木清順監督の映画みたいでした。

 

7.あの頃のエース/柳家喬太郎
いきなり変な着物で登場しました。襟に赤い大きな縁取りのある淡い紫色の着物なのです。
「私どもの方では、よく、ウルトラマンなんて申しますが…」とマクラを振り出して分かりました。
そうなんです、ウルトラマンの着物だったのです。「親は茄子とも子は育つ」とかしらっと言って涼しく降りてみたい。
そんな事を云う喬太郎でした。そして、ノラやさんの会だと、力が入らないのです。なぜか?
楽屋のメンバーが、文左衛門、白鳥、扇辰、小せん、天どんだから遊びに来た気持ちになるそうです。
GWの話を少し振りました。行き着けの飲み屋がGWは休みになるので… と云って趣味の話へ。
扇辰さんは俳句、文左衛門は料理、白鳥さんはアウトドア、小せんさんはバンド、そして、天どんさんは人生が趣味。
私は、ウルトラマンぐらいしか趣味がないと云う喬太郎。初代ウルトラマンと帰ってきたウルトラマン、
この両者のスペシュウム光線のポーズの違いを実践してみせる喬太郎師匠。
万一、柳家を破門されたら、円谷プロにお願いして、円谷喬太郎になる!とまで云います。

そして、羽織を脱いで『あの頃のエース』へ入るのですが、羽織を抜くと益々ウルトラマンらしく見える着物でね。
こんどは、袖の肩へのラインに、赤い線が入っているのですよ!!笑いました。ウルトラマンネタの為の着物なのです。
さて、『あの頃のエース』自身は、弁当屋の女社長の出番が減り、以前ほど目立たなくなり、変わりに主人公が、
かなりエキセントリックな存在に成っておりました。まだまだ変化し続ける『あの頃のエース』でした。
 
さて、この会の後、一緒に会に行った友人と、ジンギスカンの「ゆきだるま」という店に行きました。
知り合いが、美味しくて安いと言うので、予約なしで行ったら予約で満員。1時間だけという条件で入店。
〆の付け麺まで、美味しく満腹になるまで、ラム肉を堪能しました。

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