神田春陽と神田松之丞の対照的な二人が、「天保水滸伝」をクルマ読みする会が、
GW期間中の3日~6日まで、早朝9時半から2話ずつ行われるのです。
その初日と二日目の様子を、一番前で聞いて来たので報告します。
GW期間中の3日~6日まで、早朝9時半から2話ずつ行われるのです。
その初日と二日目の様子を、一番前で聞いて来たので報告します。
【初日】
・相撲の啖呵 … 松之丞
・鹿島の棒祭り … 春陽
【二日目】
・ボロ忠売り出し … 松之丞
・笹川の花会 … 春陽
【初日】
1.相撲の啖呵/松之丞
マクラが相変わらず長かった!!まず、芸協の真打披露が始まったという話題から、
その三人真打の一人、神田京子先生に松之丞さんが大変嫌われているそうである。
結構、有名な話で、松之丞曰く、もうかれこれ4年くらい口をきいてもらっていない。
理由は、松之丞が京子先生の悪口:コケシみたいな顔と言ったらしい。それ以外にも、
やたら、京子先生のエピソードをマクラにしていたら、それが本人の耳に入り、
完全に嫌われてしまったらしい。このままではいけない!!同門なんだから仲直りしたいと思い、
この披露目には、必ず行こう!!お祝いを心からすれば、雪解けは近い!と思っていたのに…
結局、いろんな理由を付けてまだ新宿末廣亭の楽屋には顔を出していないそうです。
更に、マクラは続き、師匠の機嫌がすこぶる悪い日に、学校寄席に行った話をしました。
学校の控え室/視聴覚室で出番待ちを皆さんしていたら、小学生の悪ガキ三人組が入って来て、
「あっ!志村けんだ!!」と、松鯉先生に向かって騒ぎ始めたそうです。
松鯉先生の機嫌は、ますます悪く成ったが、きらり姉さんが「この人は志村けんより偉いのよ!」
と、本息の講談師の声で云うと、小学生が一転、尊敬のまなざしで松鯉先生を見るようになり、
これだけで、松鯉先生の機嫌は、コロっと直ってしまったらしい。実に分かり易い人です松鯉先生。
さて「天保水滸伝」は、今更私が解説するまでもなく、現在の千葉・東庄を舞台に争った二人の侠客、
飯岡助五郎と、笹川繁蔵の争いを描いた物語で、何と言っても利根川河原での決闘が有名です。
そして、その物語の発端、これがまた公団らしく、繁蔵が任侠道へ足を踏み入れる前!!
相撲取りだった頃の話から始まります。繁蔵という物語の主人公の生い立ちを通して、
その性格をまずは、説明しておこうという訳なのです。
この『相撲の啖呵』、見所は、なんと言っても繁蔵が相撲を辞めるキッカケとなった事件で、
横綱の稲妻雷五郎に対して啖呵を切る場面が一番の見せ所です。
松之丞の回転の良い啖呵を期待したのですが、早朝9時半だったのでやや切れが悪かったです。
・鹿島の棒祭り/春陽
いきなり、私の知り合いにホモが居るんですよ。そいつがねぇ、この早朝で「天保水滸伝」やると聞き付けて、
行こうかなぁーと、言うから絶対来るな!集客に影響するからと言ったんです!!と云ったら来てませんねぇ。
そのホモの友人から、昭和36年だか37年だかの、大阪・歌舞伎座で行われた勝新太郎の公演
「座頭市」「悪名」の公演パンフレットを持ったらそうで、その座頭市が、この天保水滸伝がベースだという。
そんなマクラから、『鹿島の棒祭り』 平手造酒の物語を語りました。
この「天保水滸伝」は、連続の物語というよりも、その物語のキーマンの生い立ちから、
助五郎、繁蔵との出会いまでを外伝風に語るという趣向なのです。千葉道場を破門になり、
笹川繁蔵の用心棒として身内になり、そして、結局千葉道場と同様、酒でまたまた事件を起こすという物語です。
こちらは、鋭い啖呵はないのですが、決闘だったり、平手造酒の剣の凄さだったりの描写があり、
春陽の語りが、それらを深く丁寧に描くので、いいですね。また、人物の会話に情感がこもっておりました。
【二日目】
・ボロ忠売り出し/松之丞
昨日を反省し、4時に起きて、啖呵が切れるように体調を整えたという松之丞さん。
そして、マクラも短めにして、『ボロ忠売り出し』へ。この噺は有名ですね。
着物がボロなんで、通称・ボロ忠と呼ばれている奴が、親分の結城のツイを着て大きな賭場へ。
一転勝負の二百両で大勝して、名を売って、有名親分の仲間入りをするという出世話なのです。
・ボロ忠売り出し/松之丞
昨日を反省し、4時に起きて、啖呵が切れるように体調を整えたという松之丞さん。
そして、マクラも短めにして、『ボロ忠売り出し』へ。この噺は有名ですね。
着物がボロなんで、通称・ボロ忠と呼ばれている奴が、親分の結城のツイを着て大きな賭場へ。
一転勝負の二百両で大勝して、名を売って、有名親分の仲間入りをするという出世話なのです。
・笹川の花会/春陽
そんなボロ忠が貢献人となって活躍するのが、笹川繁蔵が開いたという大きな賭場です。
マクラでは、あのエロ男優山本竜二さんの話をしました、そして横浜野毛で有名なホモの映画館の話も。
なぜか、昨日に続き、ホモの話で、松之丞で硬くなった空気を柔らかくして、会場の空気をニュートラルにして、
この日の本編『笹川の花会』へ。この噺の聞かせどころは、全国の親分集がこの花会(賭場)に来ているので、
その名前を言い立てで披露するのが、この噺のポイントになります。立て板に水でした、この言い立て。
そんなボロ忠が貢献人となって活躍するのが、笹川繁蔵が開いたという大きな賭場です。
マクラでは、あのエロ男優山本竜二さんの話をしました、そして横浜野毛で有名なホモの映画館の話も。
なぜか、昨日に続き、ホモの話で、松之丞で硬くなった空気を柔らかくして、会場の空気をニュートラルにして、
この日の本編『笹川の花会』へ。この噺の聞かせどころは、全国の親分集がこの花会(賭場)に来ているので、
その名前を言い立てで披露するのが、この噺のポイントになります。立て板に水でした、この言い立て。
上州の大前田英五郎:関東一の親分ですね、次郎長伝、国定忠治伝にも登場する地味だけと有名な親分です。
一ノ関の忍常吉:ボロ忠に塩釜の賭場で銭を貸した、大親分
仙台、丸屋の忠吉:売り出し後のボロ忠
上州館林の江戸屋寅五郎、伊豆の台場忠七、伊勢の武蔵屋州太郎、塩浜の吉五郎、舛屋の増吉… 駿州清水次郎長まで、
ズラズラズラっと、28人の侠客の名前を言い立てました。 ただ、赤穂浪士とは違って、
このヤクザ者の名前の言い立てでは、拍手は起こらないようです。
そして、助五郎が名代としてこの花会によこした代貸の洲崎の政吉に対して、国定忠治が難癖を付けるのです。
しかし、それを大きな度量で、なんと!繁蔵が返してやり、政吉は、何て懐の深い親分なんだ!と関心するという話。