18:30に始まる落語会なのに、12:45に会場に到着した。
当然1番かな?と思ったら、既に30人くらい並んでいた。
そう!13:30からの会に並んでいる行列だったのだ。それにしても…
日本橋亭で、こんなに並んでいる会は、あんまり知らない。
誰の会だろう?と見たら、三遊亭全楽さん(元立川国士舘)の会だった。
頑張ってるなぁー全楽さん、ほぼ満員での開演になっておりました。

そして、13:15くらいに2番目の常連さんが来て、
14:30くらいに、常連の春日部のお婆ちゃんが登場!!
実は、10時に来ていて朝席に行って、黒門亭を聴いての戻りだそうで、
結局、この御老女様が1番でした。
この後、15:00くらいに4番、5番、6番と駆けつけて、
18時の開場時点では、60~70人が並んでおりました。
そうそう、この日、初めて白酒師匠の一番弟子“はまぐり”さんを見ました。
まだ、お手伝い見習いなので、受付も一人ではなく、わん丈さんと二人。
高座返しを1回だけやりました。初々しい存在に、思わず応援したくなりますね。

そんな毎回、超人気の同級生二人会の演目は、こんな感じでした。

  
・強情灸   … 三遊亭わん丈

・馬の田楽  … 桃月庵白酒

・御神酒徳利 … 柳家甚語楼

お仲入り

・新聞記事  … 柳家甚語楼

・二階ぞめき … 桃月庵白酒


1.強情灸/わん丈
今年は、わん丈くんが手伝う会によく当ります。
そして、今年は二つ目さんがやるような古典を現場で稽古していますね。
圓丈一門の会では、新作を創って披露するので、他の会は古典みたいです。
ただし、前回の『ガマの油』も今回の『強情灸』も、圓丈師匠に習った型でした。
だから、圓丈スピリッツのギャグがところどころで登場しました。
強がりの方の江戸っ子が、バーベQに掛けてバーベ灸と言うのは、
間違いなく圓丈師匠のギャグですよねぇー 受け継いで欲しい古典です。

 
2.馬の田楽/白酒
いつもは、80人くらい予約が来ると切って満員御礼にしているけど、
今回は、油断をして120人も受けてしまった。どうなるのか?と心配したが、
結局、ドタキャンが続いて、約100人となり、なんとか窮屈だけど会場準備ができた。
そんな話から入る白酒師匠。GWだったからキャンセルが多かったので助かったみたいです。
わん丈さんの『強情灸』を聴いて、圓丈師匠の古典へのこだわりを感じると言う白酒師。
それでも、「えっ!そこは変えないんだ?」と思うフシがあるそうで、
圓丈師匠らしい感性が、そこからも伺えると評しておりました。

GWについて思いを語る白酒師匠。欧米並みに休まなくても、と言う。
日ごろ日本人は、そんなに根を詰めて働いてはいないからだ。
そんな振りから役所の悪口を言って、国立で開場35周年記念のイベントをやる話へ。
更に、そこから皇居を走っているランナーの悪口へ。
あんな空気の悪い場所で走って健康が良くなるはずがない!!と言うのです。
外国人の観光客が見ると、エンペラーに課せられた拷問?と思うには笑いました。

更に更にお遍路さんの話題へ。バスツアーのお遍路さん。高知でのリタイア率が高い。
ここから交通事情の話を振って、馬方と馬は相棒同士のような関係だったと説明し、
ここから『馬の田楽』へ。去年に続いて二回目の白酒さんの『馬の田楽』
いたずらする子供の場面がやや短いけど、耳の遠い婆さんが実におかしい。
そして、何より白酒師匠の田舎言葉が上手い!!軽妙なのです。


3.御神酒徳利/甚語楼
人間は、努力するればいつかは報われると言うが、大人になると、
必ずしも報われないのを知り、神頼みだったり占いなどに頼る人が出てくる。
そういうマクラから、甚語楼師匠自身、テレビの星座占いや12ヶ月・誕生月占いは、
なんとなく気になって見てしまうし、最悪の日だ!と言われると権太楼師匠の家を、
訪問する日を変えてしまう事すらあるらしい。そんなマクラから『御神酒徳利』へ。
当然、柳家なので『占い八百屋』の型で演じました。

最初の意地の悪い女中!!これがいい。こいつなら御神酒徳利を隠す!!と思いました。
そして、八百屋さんの困り果てる姿と、直ぐに元気を取り戻すげんきんな態度もいいですね。
最後のサゲが、甚語楼師匠流に、ひと捻り工夫されておりました。良かったです。
今後、他の会でも掛けて、どんどん成長させて欲しい一席です。
 

4.新聞記事/甚語楼
先代の歌奴師匠の型らしいです。先代歌奴師匠を殆ど聴いていないので残念なんですが、 
毎度、『新聞記事』を聴くと、やっぱり『阿弥陀池』の方がいいよなぁーが感想でしたが、 
この先代の歌奴師匠のは、なかなかギャグの切れがいいです。現在の歌奴師匠のも聴いていますが。 
それより、この甚語楼師匠の方が絶対にいい!!特に、「身の丈豊かな…」のところで、 
タケさんの家なだけに、「身の丈豊かな武豊!!」が、ツボでした。もっとベタにやっていたそうです。先代の歌奴師匠は。 
  

5.二階ぞめき/白酒
どんな風に料理するのかなぁーと思ったら、意外と古今亭の王道です。普通にやりました。
特に良かったのは、若旦那の独り喧嘩ですね。ここで一番笑いました。
石井さんが自身のブログで日活無国籍映画の喧嘩風と評しておりましたが、確かにそうですね。
個人的に、この喧嘩のシーンで、宍戸錠の指を立てて「チェッ、チェッ、チェッ…
俺のツラに色つけた奴は皆、墓の下でオネンネしてろ」や、
せめて、「チェッ、チェッ、チェッ… 俺に触ると怪我するぜ」くらい言って欲しかったです。

あとは、徐々に吉原の中の様子を詳しく若旦那や、二階をこさえる棟梁の口から聞きたいですね。
これは、演じるうちに少しずつで良いと思う。60歳になる頃に完成させれば。

  
次回、この会は七月二十日・日曜日です。