
横浜にぎわい座の地下・のげシャーレホールで開催されている、
咄家さんの登竜門シリーズの一つ、神田京子さんの会に行きました。
今年最後の独演会なので、満員御礼かと思ったら半分くらいの入り。
前回、ここでのこはるの会と同じくらいの入りでした。
来年、真打も決まり今年は飛躍の年だったのにね。
咄家さんの登竜門シリーズの一つ、神田京子さんの会に行きました。
今年最後の独演会なので、満員御礼かと思ったら半分くらいの入り。
前回、ここでのこはるの会と同じくらいの入りでした。
来年、真打も決まり今年は飛躍の年だったのにね。
さて、そんな京子さんの会、こんな内容でした。
1.いざ鎌倉! 佐野源左衛門
この日は、開演に間に合わず30分遅刻で入場。
既に、この有名な『いざ鎌倉!』が始まっていて、時の権力者=五代執権・北条時頼が、
旅の修行僧姿で諸国を見聞して巡る最中、まさに、上野国の佐野の渡しで行き暮れて、
路端の貧しげな民家に一夜の宿を求めました!! という冒頭部分でした。
おそらく、始まって2~3分くらいの所だったと思います。
毎度の事、長いマクラだったようで、本編をほぼ冒頭から聴けました。
これは、あまりにも有名な話ですね、謡曲「鉢の木」をベースに語られる講談。
僧侶に、「貴方は、今でこそ、そのようなナリですが、元は由緒あるお方では?」
と、尋ねられますが、最初は「違います」と、佐野源左衛門常世である事を隠す。
しかし、僧侶が興味半分で訊いているのではないと悟り、自らの身分を正直に語る、源左衛門。
「一族の者に所領をことごとく
押領されて、かくの如き身となりました。
しかしながら、落ちぶれたりといえども
この源左衛門、鎌倉殿の御家人として、
もし一大事が起これば、
千切れたりとも具足を着け、
錆びたりとも薙刀を持ち、
痩せたりともあの馬に乗り、
一番に鎌倉に馳せ参じ、一命を投げ打つ所存でござる」
実に武士らしいやりとりで、話が締まります。
この言葉に感動した時頼、領地を源左衛門に戻してやりたい!と心に誓います。
更に、そんな言葉の源左衛門が、僧に化けている自分に、寒かろうと、
大切にしている秘蔵の盆栽「梅」「松」「桜」の鉢の木を切って、
囲炉裏にくべ、火を焚いて暖を取らせてくれたのです。
早速、この話を鎌倉に帰った時頼は、重臣たちに話して聞かせ、
この佐野源左衛門常世の地位復活を相談するのですが、
家臣の中でも切れ者と名高い:青砥左衛門尉藤綱!!
「源左衛門、もしや君が僧侶に化けし事を悟り、図ったやもしれません」
と、言って、一計を講じることを時頼に進言します。
それは幕府に弓を引く輩が徒党を組み、鎌倉を攻めるとの噂を流したのです。
すると、源左衛門、予てより公言の通り、
千切れたりとも具足を着け、
錆びたりとも薙刀を持ち、
痩せたりともあの馬に乗り、
一番で鎌倉に馳せ参じたのでした。
そして、めでたく佐野源左衛門常世は、
奪われた佐野庄三十余郷を与えられただけでなく、
薪にされた三鉢の盆栽の梅・桜・松にちなんで、
加賀国梅田庄、越中国桜井庄、上野国松井田庄の、
合わせて三つの庄園を新たに恩賞として与えられました。
この噺は、「梅」「松」「桜」を、なぜ大切にしているか?
と、時頼から問われた際の左衛門の答えと、
左衛門が、いざ鎌倉へと向かう道中が、
実に講談らしい修羅場読みに成っていて、
これを真打の名に恥じぬ流暢な名調子で語る京子さんでした。
京子さんは、“できる”んだけど=本編は申し分ないのですが、
どうも、マクラとクスグリ風の語りの部分の喋り方が、
私は好きになれないのです。それでも、年に2・3回は聴いておきたい一人です。
2.四谷怪談「お岩誕生」
この噺は、講談だとよく聴きます。昨年の夏に人間国宝の貞水先生でも聴いた。
伊右衛門の父親の身勝手で、お岩は両親を失い、親の無い子として生まれます。
そして、祖父母に引き取られて、田宮の家に引き取られ婿を迎えるのですが…
親を殺した相手の血筋とは知らず、色男の浪人・伊右衛門との縁談が決まるのです。
この発端は、お岩と伊右衛門の親同士、特に父同士の因縁噺なんですね。
真冬でも、それなりに恐い演出でした。
この噺は、講談だとよく聴きます。昨年の夏に人間国宝の貞水先生でも聴いた。
伊右衛門の父親の身勝手で、お岩は両親を失い、親の無い子として生まれます。
そして、祖父母に引き取られて、田宮の家に引き取られ婿を迎えるのですが…
親を殺した相手の血筋とは知らず、色男の浪人・伊右衛門との縁談が決まるのです。
この発端は、お岩と伊右衛門の親同士、特に父同士の因縁噺なんですね。
真冬でも、それなりに恐い演出でした。
3.四谷怪談「伊藤喜兵衛の最後」
誰れなんだ!?伊藤喜兵衛。この人は、伊右衛門の上司であり、
上司の家に出入りするうちに、伊右衛門が喜兵衛の娘・お花に手を付けます。お花が間女ですね。
これを知った伊藤喜兵衛は怒り狂うのですが、普通は伊右衛門に恨みを向けるはずなのに、
娘可愛さの、親バカ喜兵衛は、お岩が居なくなれば娘と伊右衛門が一緒になれると画策します。
で、夜鷹女郎に売られたお岩が、真相の全てを知って自殺するのですが、怨念の塊と成って蘇る。
そして、最初のターゲットに選んだのが、伊藤喜兵衛なのです。
この噺は、先の発端よりも、更に更に陰惨です。お岩の目が飛び出す場面などは悲鳴が上がります。
やっぱり、冬に聞くより、こいつは夏に限ります。
ついに、神田京子後援会が、真打を期に発足したようです。
私は、ファン倶楽部に入る程まで、応援はしていないのでね。
それでも、講談界のエースの一人に育つ人だと思います。
本日は、この後も講談です、松鯉先生と松之丞の親子会です。