小満ん師匠の会です。今回は小菊姉さんがゲスト。
落語は、小満ん師匠が二席(一席は火事息子)だけなのに、
開始時間が18:00といつもより30分早い設定でした。

なぜ?

そう思って入場時にプログラムを貰い見てみると「ゲスト“ないしょ”」と書かれていた。
そうかぁー もう一人落語をやるゲストが居るから早いのかぁーと思った。
そして、そのゲストは、あの人気者でした、出囃子で少し開場がザワザワしました。
ダブルゲストの小満ん師匠の会、こんな内容でした。


  
・元犬   … 林家なな子

・睨み返し … 柳家小満ん

・次郎長外伝「小政のおいたち」 … 柳家喬太郎

お仲入り

・俗曲 … 柳家小菊

・火事息子 … 小満ん

 
1.元犬/なな子
よくなっていますが、落語じゃない感じがするのは俺だけかな?
独り芝居みたいな感じがするのです。リズムを落語でやって欲しい。


2.睨み返し
この噺は、現役では小三治師匠になるのかな?
あの歌舞伎の隈取みたいな睨み顔は笑いますよね。
目白の師匠のは、もっと変でしたなぁ、顔が捻れたか?と思うようでね。
喜多八師匠もやるらしいが、それは見たことがありません。
小満ん師匠の変顔もなかなかですね。愛嬌があるのです。
あと、私が現役で聴いたのは、彦いちさんですね、彼もいい顔します。
変顔が上手い人は、みんなやって欲しい噺です。


3.次郎長外伝「小政のおいたち」/喬太郎
“まかしょ”が鳴り、少しザワザワして喬太郎が出て来ると一際大きな拍手でした。
得した気分ですよ、シークレットゲストが喬太郎で。本人はかなり卑下してましたが、
やっぱり、ゲストを明かすと、喬太郎ファンが集まってね。目白庭園の雰囲気が…
そんな事も、石井さんは考えたんでしょうなぁー ちなみに小三治、三三は明かしてゲスト。
喬太郎だけがシークレット扱いでした。

さて、マクラでは、赤鳥庵に初めて入ったと言って、ここが豊島区の所有である事を話しました。
喬太郎自身、豊島区民だが、この日本庭園を目白に造るあたりは、豊島区もセンスがある!
と、褒めておいて、池袋では似合わないし、大塚だと論外!!と言う喬太郎。
ここから、石川県に仕事で遠征した話をし、石川にも有名なソースカツ丼が在る話へ。
石川のは薄いカツで、キャベツを敷かないらしい。これは新潟とかにもありますね。
蕎麦屋さんがやってますなぁ、越前そば、越後そばとセットで食べる感じで。
そんな話から、『小政のおいたち』へ。久しぶり!! 以前、風間さんの会のゲストで、
このネタを掛けた喬太郎を聴きました。清水出身の春風亭昇太師匠のクスグリも同じでね。
来年、講談・落語・浪花節での清水次郎長を聴かせる会で、これを喬太郎はやる予定。
その稽古だったのかな? 次郎長伝、人物伝は面白いからもっと色々やって欲しい。


4.俗曲/小菊
いやぁー、小満ん師匠が『火事息子』をやるので、「冬の夜」を唄うなんざ憎いです。
1年くらい前ですかね、薮さんのブログでも紹介された志ん生の十八番「冬の夜」
志ん生のは、本当に味があります、是非、薮さんの所で聴いてください。

大津絵
芭蕉の句に「大津絵の 筆の始めは 何仏」というのがあるそうです。
小満ん師匠の大津絵への思いが、短くプログラムに語られおりました。
それを見ながら、小菊姉さんの三味線の唄を聴くなんて幸せです。
また、持ち時間が、寄席なんかよりタップリだったから、都々逸も沢山!!
冬の都々逸、雪を今年初めてやると言って、

この雪に よく来たものと 互いに積もる 思いの深さを 差してみる

トーンとシリを上げてね。


5.火事息子/小満ん
志ん生師匠の「冬の夜」に触れて、志ん生の厭世観みたいなものを感じると言っておられました。
そーしておいて『火事息子』へ。全部やり過ぎないのが良いのと、最後の母親の早口なのが印象です。
これを聴いてしまうと、先の甚語楼のは、まだまだです。冬の夜長に、素敵な夜をありがとう!!

次回は、2月27日なのですが、残念ながら既に志の輔・成城ホールを予約しているので、
1回お休みとなります。真に残念です。