三遊亭夢花さんの独演会。お友だちのせいこさんに誘われて参加し始めた会です。
私は、二回目ですが、会自身は、既に十三回目なんだそうです。
年に3回開催されていますから、五年目に突入したんですね。
さて、今回は、こんな演目でした。
私は、二回目ですが、会自身は、既に十三回目なんだそうです。
年に3回開催されていますから、五年目に突入したんですね。
さて、今回は、こんな演目でした。
・つる
・火焔太鼓
お仲入り
・そば清
・終演後のお茶会
1.つる
文化庁からの助成金で、義務教育の子供達に伝統芸能を体験させる企画で、
東北の小中学校を廻ったそうです、そんな東北の子供達に一番受けたのが、
この『つる』だったそうです。単純で子供には分かりやすく、また、真似できるのが良いらしい。
聴かされた私は、少し退屈でした。
2.火焔太鼓
古今亭の師匠から習ったそうですが、とっておきの時だけしか掛けないように言われたそうです。
結構、気を使いながら時々掛けているそうです。この辺りは、立川流の連中とは違いますね。
さて、肝心の中身なんですけど、明らかに稽古不足だと思いました。
噺が平坦で、志ん生の伝説のくすぐりが全部網羅されていません。
何より、甚兵衛さんと女房の関係を、もう少し丁寧に描くべきですね。
できる人なので、ここで練習して、次回は良くなるに違いないと思います。
3.そば清
これは、ちゃんとキャラクター造りができていて、蕎麦食っいの清兵衛さんが良かったです。
ただ、毎回思うのは、全体が早すぎると感じます。この噺などは、“そば清”さんが、
蕎麦を食いながら喋る場面、ここだけ早口で良いはずなのに、全体的に高速だから、
この蕎麦を食べる場面が超高速になってしまっています。昔の志らくを聴いているみたいに。
もう少し、溜めるところは、ゆっくりで良いと思うのですが…
このスピードに合うのは、『堀の内』『反対車』そんな噺になってしまいます。
4.歓談の時間
いつも会が終わると、夢花さんを囲んで一時間半くらいお茶飲みながら、
芸談というか、夢花師匠の近況をうがう時間が設けられています。
この日は、まず、マクラでも触れた文化庁の依頼で東北の小中学校を廻った話から。
小学生は、好奇心旺盛でまだ、そんなに強い羞恥心もないので、
積極的に参加してくれるけど、中学生はかなり微妙らしいです。
特に、着物を着て、羽織・袴姿というのが、結構新鮮らしく、
また着ると可愛らしいので、仲間ウケも良いので小学生には人気なんだとか。
落語、小咄だけでなく、太鼓を叩かせたりと、ワークショップ風に色んな体験を、
小中学生にしてもらって、まずは好きになってもらうところからみたいですね。
でも、中には落語大好きな子供も居て、何席も落語を覚えています!!
てな、子もいたそうですよ、将来、咄家になるんですかねぇ。
一方、この巡業は、真打・二つ目・前座が組になり、何組かで日本中を廻ったようです。
だから、夢花さんは、初めてリーダー/座長をこの巡業で体験したと言っておりました。
落語の勉強というよりも、座長を初めて経験した方が得るところが多かったとか。
また、一緒に付いて来る前座・二つ目さんも、座長によって楽しい仕事にも、
地獄のような仕事にもなりますよねぇー 小言魔の座長だと大変です。
なにより、2週間くらいの長い旅だから、最初にしくじって小言を喰らうと、
そこから旅の最中不愉快が続くに違いありません。
太鼓が上手く叩けない前座などは、苦労すると、夢花さんしみじみ語っておりました。
そんな小言魔座長の話から、もし、立川談志みたいな座長だったら… って話へ。
談志師匠と、一緒に旅してしくじった前座さんたくさん居ますね。
よく、志らくも、生志くんも、師匠と旅した話をします。志の輔も時々しますね。
志らくは、北海道でラーメン食って、家元が「塩ぱい!」といい出して、
店主に「湯を足せ」と命令、そして、お前等も無理せずに足してもらえと言う。
マネージャーは、逆らうと恐いから湯を足していたけど、志らくは、
その店主が泪目だったのに気付き、「私は、結構です」とそのまま食べたら、
「若ぶりやがって…」と、家元が旅の道中一切口をきいてくれなくなり、
全ての会話が、マネージャーを介してになったそうです。
まぁ、ホテルのアメニティーを必ず全部お持ち帰りする談志師匠、
ある前座が、自分の分を持ち帰らなかったのが見付かり、破門されそうになったそうです。
「俺が持ってかえるのに、前座のお前が持ち帰らないなんて!」と激怒したそうです。
夢花さんは、何度か談志師匠と一緒になり、楽屋で挨拶したけど、
絶対に、「よろしくお願いします」なんて言うなと、先輩に教えられたそうです。
挨拶はしないと怒られるから、おはようございますは良いけど、
本日は、宜しくお願いします、は絶対に禁句なのです。
俺がお前に何か“宜しく”やんなきゃなんねぇーのか?と始まるからです。
弟子でも、一門でもねぇーお前に… と、スイッチが入ってしまいます。
そんな話題から笑点の話になり、好楽師匠はほんとうに良い人だという話題に。
ひとしきり、笑点メンバーの話に花が咲いた後、浅草で夢花さんが『表札』という、
新作落語を演じていたら、いきなり火災報知器が鳴って、場内がザワザワした話へ。
なんと、火災報知器が二回もなって、めげそうになったけど、なんとかサゲまで来て、
「また、新しい子供が出るといけねぇー」というサゲの部分を、とっさの機転で、
「また、火災報知器が鳴るといけねぇー」に変えて、ドカン!!と受けて下りると、
楽屋に、桃太郎師匠が居て、「師匠、参りましたよ、火災報知器なんて初めてで…」
と、話し掛けると、桃さん下向いて、元気なさげに生返事しかしない。
???
気になったから、夢花さん、前座に「俺、何か悪いことしたか?」と訊ねると、
「違うんですよ、実は…」と、前座が言うには、楽屋に来るなり桃太郎師匠が、
寒い!寒い!と言い出して、エアコンを点けろと言う。前座が故障中ですよ、
と、言ったけど、いいから点けろ!!と言うので、点けたら、白煙が出て、
その煙で火災報知器が鳴ったんだそうです。
でも、良かったですね、浅草の楽屋で、スプリンクラーなんて絶対に付けないから。
そんな楽しいお話を、1時間半いたしました。
次回、九品仏寄席は、来年3月24日の日曜日です。