横浜での談春一門会を終えて、新宿・湘南ラインで新宿経由で高円寺のノラやへ。
ノラやのHACOで、50人限定の落語会でした。20坪くらいの狭い会場です。
そこに高座を組んで50人入れる為に、ノラやのせいこさんは考えました!
これは、雛壇を自作するしかない!!と。プラスチックのドリンクケース。
烏龍茶、ビール、日本酒と三段階の高さが設定できる3種類のケースを用意。
これにダンボールで蓋をして、その上にクッションを置くのです。
24人くらいの席が、雛壇に形勢されて、その奥に椅子席が用意されました。
そんな50人限定打上げ付きの落語会、こんな感じでした。


・禁酒番屋 … 喬太郎

・ねずみ   … 喬四郎(もうすぐ、喬志郎)

お仲入り

・路地裏の伝説 … 喬太郎

  
1.禁酒番屋/喬太郎
足元の悪い中、こんな狭い空間へようこそと、マクラを振り始めました。
いきなり、もうこの状態です。何かあったらみんな一緒にあの世行きです。
一番最前列の中央に座った俺は、間違いなく死ぬなと覚悟しました。
まず、本日のゲスト、弟分の喬四郎が9/21の寄席の披露目から真打になると報告。
寄席の披露目のチケットを手売りするのでヨロシクと伝えて、喬四郎が喬志郎になると言って、
つまり、談志一門に移籍します!と、付け足したので、ドカン!と受けました。
確かに、喬四郎の「四」は、さん喬の四番弟子という意味。それを「志」変える心は?
どうせなら、狂四郎にすれば良かったのに、狂った四番弟子みたいなぁーーー
「志」は、志ん朝一門の「志」かもしれませんね。

 
そして、今朝、東京五輪が決ったとう話題に触れました。
ここまでは、お昼の横浜の談春と同じですが、突っ込むベクトルが違います。
日本が選ばれたけど、若者がFacebookやTwitterに、
コンビニのアイスBOXにふざけて入って、その写真を投稿している!!
それだけじゃない!餃子の王将で素っ裸の集団が写真を投稿している!!
そんな事が世界中に知れたら、IOC委員も日本には投票しなかったかも?
と、最近の若者の風潮を強く批判する喬太郎でした。

ここから、テンションがどんどん高くなる喬太郎。客を置き去りにして一人盛り上がります。
「久しぶりに、このギアが入りました!」と、絶叫しながら、突き進みます。
まずは、『禁酒番屋』へ行こうと、酒のマクラを振ります。
最初に、酒というものを意識したのは、ウヰスキーだったと言う喬太郎。
ウヰスキーを水割りで、チビチビ飲みながら、11PMを見るのに憧れたそうです。
しかし、実際に喬太郎自身が酒を呑む年齢になるとウヰスキーはすたれて、
代わりに、焼酎が台頭し始める。その頃ですよ、○○サワーや酎ハイが登場したの。
まず、レモンサワー、次にライムサワー、更にはカルピスサワーなんてのも登場する。

「カルピスなんて、初恋の味ですよ、女・子供の飲み物だ、
それに焼酎を入れるなんて??? 何だこりゃ?と、当時は戸惑いましたヨ」
と、喬太郎らしい世界観をぶっちゃけ始める。

更に、これから話題が80年代の文化についてへと脱線する。
ミスDJグランプリから女子大生ブームの先駆者だった千倉真理、
そこからラヂオのブームがTVに飛び火して「オールナイトフジ」が始まる。
正直、関西でその時期を過ごした私は、「オールナイトフジ」を知らない。
関西では、関西テレビが放送する「エンドレスナイト」が放送されていたからだ。
同じCX系列なのに、フジテレビと関西テレビは仲が悪く対抗意識が在ったようです。
喬太郎は、ちょうどこの時代に大学生になっている。
○○シスターズを、詳しく喬太郎は紹介していたが、私は全然知らない世界である。
見ていた人には受けるのかもしれないが、私は置いて行けぼりだった。
更に更に、斉藤慶子の映画「さわこの恋 上手な嘘の恋愛講座」を観た話へ。
そんなこんなで80年代を濃く語って合計20分、ようやく『禁酒番屋』へ。

喬太郎の『禁酒番屋』は、今年二回目。練馬文化センターの文治師匠の披露目で聴いていた。
その時と、同じ演出。というか、喬太郎の『禁酒番屋』はオーソドックスである。
美味そうに呑む酒の仕草を、この上ない至近距離で見ることができました。


2.ねずみ/喬四郎
9/21から真打になる事と、寄席のチケットを販売していることだけ宣伝し、
マクラは大して振らずに、『ねずみ』へと入りました。
笑いは、殆ど起きない『ねずみ』でしたが、一応、人物は演じ分けされていました。
ただねぇ、卯兵衛と一子・兎ノ吉の親子の情とか、
甚五郎の親子への思いとか、そいう人情噺的なものが伝わらない。
恐ろしいくらいに伝わらないので、本当に不安になります。
何を喋っても、人情噺になるさん喬師匠の弟子とは思えません。
 
  
 
3.路地裏の伝説/喬太郎
二席目は新作の『路地裏の伝説』。噺にすーっと入るのか?と、思ったら、
こちらも長いマクラになりました。楽屋で偶然前座修行を一緒にやった同期が集まる。
そんな話を振って、前座時代の思い出話を、懐かしそうに語る喬太郎。
特に、馬遊/三平との友情を語りつつ、こん平師匠との打上げの思い出、
銀座六丁目のライオンから放送していたラヂオの寄席中継の話などを披露しました。

喬太郎が、ここだけの話にしてねと言って披露したので詳しくは書きませんが、
1つだけ、 小三治師匠と扇橋師匠は、非常に仲が良い。
同じ頃に、圓生会長の推薦で真打になった二人である。
この二人には共通点があり、どちらもゲコ、殆ど酒が呑めない。
ある時二人で地方に出かける仕事があり、在来線の特急電車で、
二人で缶ビールの小さいやつ、350mlよりも小さい250ml缶を1つ買って、
これを電車の中で二人で呑んだら、さー大変。ベロベロに成った二人。
新幹線のように急ぐ旅ではないので、仕事には影響なかったけれど、
そのくらい呑めない二人らしい。

その扇橋師匠がライオンの銀座寄席に出た時。さん喬師匠も一緒に出ていて、
お供で扇辰さんと喬太郎(当時はさん坊)も楽屋に居たらしい。
そこへ主催のライオンが、グラスビールを持って来て楽屋で振舞った。
さん喬さんもそんなに呑める方じゃないが、一口二口、これに口を付けたそうです。
そして、このグラスを喬太郎に渡して、「残り呑んでくれ、さん坊」と言う。
「ハイ、分かりました」と答えて、喬太郎がぐいーーーっと一気に飲み干したのを、
扇橋師匠が見て、「このうわばみ!」と、言ったらしい。

『路地裏の伝説』 これも今年二回目で、YEBISU亭で聴いている。
短いけど、喬太郎らしいスピリッツを感じる新作です。
父親の三回忌に日記が出て来て、謎の都市伝説「風邪引くぞ」おじさんが、
実は自分の親父だった事を、主人公が知るお話だ。
この話も80年代の懐かしいアイドルや雑誌、都市伝説が登場する。
口裂け女、栗田ひろみ、GOROなど懐かしい名前が沢山登場する。

 
4.打上げ
イメージ 1
こんな感じの鉢盛の料理が、色々と出てお酒は呑み放題です。
喬太郎が、21時まで落語を頑張ったので、正味1時間半くらいの間でしたが、
なかなか美味しいものを沢山いただいて、お酒もたらふく呑みました。
この日は、芸談に答えて落語の演じ方や、好きな噺について、その噺がなぜ好きか?
イメージ 2
また逆にやらない噺の、どこが自分に合わないか?なぜ嫌いか?など、
普段は聞けない話を、フランクに話す喬太郎でした。

そして、最後にこれを書いてくれました!去年は短冊しか持ってなくて…
イメージ 3
しかも、誰かに上げたんだよなぁー だから今年はちゃんと色紙を持参して、
サインとバルタン星人が落語をやっているイラストを描いて書いてもらえました。
イメージ 4
喬太郎のサインは、三三くんと共書きになっているヤツだけしか持ってなかったので、
このピンの貴重なサインが手に入り、満足しています。

来年も行くぞ!! ノラやの喬太郎。