
苦節16年、一之輔に抜かれ、志ん陽に抜かれ、そして文菊にも抜かれた天どんが、
ようやく会長小三治に認められて、真打に昇進しました。
その披露目が、小田急沿線、成城で開催されるというので二日間、四公演全部行きました。
“通し券”なるものが売られていて、それを四公演全部買ったのです。
それにしても、四公演、22席聴くのは、結構体力を要しました。
なんせね、31日-1日と二日間開催だったので、この合間にですね、
横浜にぎわい座の10月興業の発売があったんですよ。
ようやく会長小三治に認められて、真打に昇進しました。
その披露目が、小田急沿線、成城で開催されるというので二日間、四公演全部行きました。
“通し券”なるものが売られていて、それを四公演全部買ったのです。
それにしても、四公演、22席聴くのは、結構体力を要しました。
なんせね、31日-1日と二日間開催だったので、この合間にですね、
横浜にぎわい座の10月興業の発売があったんですよ。
だから、天どんの披露目初日→にぎわい座に並び→天どんの披露目二日目ですよ。
恐ろしく体力を消耗されて、しかも、天どんの長講を古典二席、新作二席聴くのよ!!
これがまたまた試練というか、いいエクササイズになりました。
そんな天どんの真打披露(真打疲労?) 初日古典編の昼の部は、こんな感じでした。
1.狸札/ぬう生
絽の黒紋付で登場したぬう生!「私は、口上には並ばないのですが…」
まぁ、だいたいの咄家は、袷、単、絽の三種類の紋付を持っている。
今日の夜の部の口上に、役者の清水宏さんが上がるので、
背格好も似ているぬう生の紋付を借りたいと、天どん兄さんに言われて、
まぁ、嫌だ!と言えないので貸すことにした。しかし…
ぬう生曰く、この絽の黒紋付は、作ったけど着る機会がなく、
本人が一度も袖を通していなかったそうだ。それを、いきなり他人に着られるなんて!
そうですよね、大切にしていた勝負パンツを他人に貸すようなもの。
私も、似た経験があります。それは引越しした時のこと。
手伝いに来ていた若衆が、「Marsさん!すいません、トイレ貸してもらっていいですか?」
と、言うのです。 エッ!世帯主の俺がまだ使っていないのに、こいつ何を言うんだ!!
非常識な奴メ!!と、思ったけど、デもの・ハレもの止められずで、ダメとも言えない。
結局、使わせたのだが、無念な気持ちで一杯になりました。
だから、俺には、ぬう生の気持ちが良く分かります。
結局、清水さんは黒紋付は着ず、オレンジ色のハデなジャージ姿で口上に出ました。
良かったネ、ぬう生。 ちなみに、『狸札』は、普通のデキ。可も無く不可も無し。
2.釜泥/三三
日本橋亭での大日本橋亭落語祭で聴いて以来の三三くんの『釜泥』
また、マクラは、小満ん師匠の会でのマクラと殆ど同じでした。
まぁ、入り方がめでたい席での演目の話から入って、
そいう場面では、泥棒の噺、『寿限無』『一目上がり』『松竹梅』なんて噺が縁起良いとされる。
更に、二代・三平の襲名披露でのギャグを言って、石川五右衛門の辞世の歌へ。
ここで、ちゃんと今回は、石川啄木の歌を足して、
日本橋亭での大日本橋亭落語祭で聴いて以来の三三くんの『釜泥』
また、マクラは、小満ん師匠の会でのマクラと殆ど同じでした。
まぁ、入り方がめでたい席での演目の話から入って、
そいう場面では、泥棒の噺、『寿限無』『一目上がり』『松竹梅』なんて噺が縁起良いとされる。
更に、二代・三平の襲名披露でのギャグを言って、石川五右衛門の辞世の歌へ。
ここで、ちゃんと今回は、石川啄木の歌を足して、
「石川や 浜の真砂は尽きるとも われ泣きぬれて蟹とたはむる」と言いました。
これが、小満ん師匠の会では、「世に盗人の 種は尽きまじ」だったんですよねぇー
アレ?ボケないの?と、思ったけど、この日はちゃんとボケました。
そんなマクラから『釜泥』 豆腐屋の老夫婦の会話が三三くんらしくてイイです。
3.お菊の皿/雲助
天どんくんには、数多く稽古を付けているそうで、この会にも呼ばれた雲助師匠。
めでたい席なので、あまり恐くない怪談を、と言って、『お菊の皿』へ。
高円寺で聴いたのと、殆ど同じで、可愛らしいお菊さんを演じました。
天どんくんには、数多く稽古を付けているそうで、この会にも呼ばれた雲助師匠。
めでたい席なので、あまり恐くない怪談を、と言って、『お菊の皿』へ。
高円寺で聴いたのと、殆ど同じで、可愛らしいお菊さんを演じました。
4.名古屋版金明竹/圓丈
師匠・六代目圓生から、ぬう生時代に「ぬうや!お前は名古屋の生まれだから」
と、薦められて作った作品・名古屋版金明竹を思いいれを込めて演じました。
が、デキはイマイチでした。明らかに、最近やってません!!って感じで。
流石に、弟子の玉々丈やたん丈がやるよりは、100倍良いのですが、
かなり平凡。名古屋弁の言い立てが、全然切れてないし、スピード不足でした。
何んと言っても、この兵庫の坊主の好みまする屏風じゃによってが、
ゆっくりなのに、ちゃんと聞き取れなかった。
5.口上
幕が上がり高座には「三三・たい平、天どん、圓丈・雲助」で座り、深々とお辞儀をした状態。
しかし、“東西東西”の声が掛からないのだ。変だ?と感じた圓丈師匠が頭を上げて袖を見る。
その様子が笑いを誘ってしまう。ザワ付く場内。珍しい口上である。
耐え切れない三三くんとたい平師匠が、「東西東西で、拍子木入れろよ、知らないのか?」
と、言って高座から降りて、袖へと指導に出かけれる。
たい平くんが、「やり直します、忘れてください、見なかった事にして」と言って再度幕が閉まる。
私は長年披露口上、襲名口上を見ていますが、こんなグズグズなのは初めてでした。
幕が上がり高座には「三三・たい平、天どん、圓丈・雲助」で座り、深々とお辞儀をした状態。
しかし、“東西東西”の声が掛からないのだ。変だ?と感じた圓丈師匠が頭を上げて袖を見る。
その様子が笑いを誘ってしまう。ザワ付く場内。珍しい口上である。
耐え切れない三三くんとたい平師匠が、「東西東西で、拍子木入れろよ、知らないのか?」
と、言って高座から降りて、袖へと指導に出かけれる。
たい平くんが、「やり直します、忘れてください、見なかった事にして」と言って再度幕が閉まる。
私は長年披露口上、襲名口上を見ていますが、こんなグズグズなのは初めてでした。
2分後
再度、太鼓と笛が鳴り、幕が上がり、先ほどと同じように高座には「三三・たい平、天どん、圓丈・雲助」
今度は、「東西東西」の声が掛かり、何と!拍子木を持った三三くんが高座から入れる“チョン!”
「この後、三回行われる口上のリハーサルのつもりで」 「演芸半ばではございますが…」
と、非常に流暢な司会で、三三くんが口上をリードします。この初回口上が三三で良かった。
これが、夜の部の白酒くんだと、もっとグダグダになり、伸びるだけ伸びていたかも?
三三くん、本当に上手いです。MCで食っていける才能だと思います。
セクハラで問題になっている“みの もんた”に代わる存在だと思います。
まず、司会の三三くんが天どんさんのプロフィール紹介。
入門から真打昇進の軌跡を語りました、そして三三くんも何席か、
天どんさんに古典落語の稽古を付けていますが、アゲの稽古で聴くと、
教えた噺が跡形もなく崩れているそうです。高野豆腐がおぼろ豆腐になるくらい。
また、天どんさんの会は、若くて綺麗な女性が多い。しかし…
どこか不幸そうな感じだと言う三三くん。
三遊亭天どん、あの頼りない感じが母性本能を擽るのか?
続いて、林家代表 林家たい平よりの口上
高座で幕開きを待っていたら、天どんくんは、目ヤニを取っていたそうです。
この緊張感の無さこそが、三遊亭天どんらしいと言うたい平師匠。
また、三三、雲助には稽古を頼みに行くのに、自分には来た事が無いと不満たらたら。
林家を見下げるあたりは、実に三遊亭らしいと、皮肉を言っておりました。
最近は、咄家の多くが“押しの芸”で勝負する中、天どんさんは、
実に、「ふざけてるのか?!」と、思うぐらい脱力感たっぷりの、
伸び伸びとした芸で、異彩を放っている。今後もこの道を極めて欲しい!!
そう言って、十八番、笑点でもお馴染みの花火のモノマネで〆ました。
毛氈からホコリが出て、お約束の咳でむせる天どんと三三。
続きまして、古今亭代表 五街道雲助よりの口上
もう、天どんくんには、10数席稽古を付けているという雲助師匠。
最初は、三回稽古で、アゲの稽古をやっていたそうです。
また、雲助師匠も言っておりました、三三同様跡形も無いと。
そして、だんだん教える短い噺が無くなり、長講ものの稽古を望まれて、
『文七元結』を覚えたから聴いてくれと、アゲの稽古をやったそうです。
『文七元結』とは思えない噺を1時間聴かされて…
次に、通しで『双蝶々』をと言われ、もうアゲの稽古は止めて、
稽古は付けるけど、アゲは無し。雲助DVDが出てるから買っておさらいしなさい!
そんな稽古に変わったそうです。
最後に、師匠である三遊亭圓丈よりの口上
自分の弟子は、俺が付けた名前をことごとく嫌う!と、お冠の圓丈師匠。
その代表が天どんで、前座時代、天どんと付けてやったのに、不満たらたら。
(天どんとか、小田原丈とか付けられたら、誰でも不満だと思う。
ちなみに、白鳥さんは、真打になる時、“三遊亭なまはげ”を薦められている、
新潟出身なのに秋田の名物を付けられそうになり、破門覚悟で拒否している)
そして、二つ目になる時、圓丈師匠も、天どんは可哀想だからと思っていたが、
昇進直前に師匠しくじり、「お前は、ずーーーっと天どんだ!」と言われた。
そんな理由で、16年 天どんで通した、天どんさん。
流石に、真打になるんだから、改名しなさいと、色々本人と名前を考えたそうです。
その中で本人が選んだのが、天どんの天残しの「天長」
おいおい、お前は、コンビニのアルバイトか?!
真打が「店長」どまりでどうするんだ!と、叱ったら、
結局、天どんでいいです、と、なぜか初代天どんを名乗り出したそうです。
この“初代”に対しては、この後の口上で袋叩きに合います。
圓丈師匠は、最後に、天どん。天の字の付く咄家は東京に彼しか居ない。
天は、それこそ天下一の天であり、最上級を現す文字、
その下に“どん”があり、このドン臭いゲスな文字が付く事で、
天とどん 絶妙なバランスを形成している。
これからも芸に精進し、天どんと言う名前を大きくして欲しいと〆ました。
三本〆の音頭を雲助師匠が取って、一回目の口上は無事終了。
6.七段目/たい平
上手く15分で演じました。ちょっとクサい芸で、これでもか?と、
たい平師匠が芝居好きなのは分かるけど、そこまでしなくてもと思います。
私は、この噺、サラっと粋に、三味線・太鼓と合わせ見せるのが良いです。
上手く15分で演じました。ちょっとクサい芸で、これでもか?と、
たい平師匠が芝居好きなのは分かるけど、そこまでしなくてもと思います。
私は、この噺、サラっと粋に、三味線・太鼓と合わせ見せるのが良いです。
7.紺屋高尾/天どん
聴いたの二回目です天どんの『紺屋高尾』
稽古のような前回よりは遥かに良かったです。
ただ、1時間聴くと辛いです。せめて、40分にしましょう。
特に、前半がモタモタするからダメなのです。
下手なのにト書きが長いのが致命的!!
説明したくなる気持ちは分かるけど、サラっと会話で進めましょう。
聴いたの二回目です天どんの『紺屋高尾』
稽古のような前回よりは遥かに良かったです。
ただ、1時間聴くと辛いです。せめて、40分にしましょう。
特に、前半がモタモタするからダメなのです。
下手なのにト書きが長いのが致命的!!
説明したくなる気持ちは分かるけど、サラっと会話で進めましょう。