三遊亭白鳥師匠の勉強会、ヨチヨチSWANの三回目に行きました。
毎回、出足が早いので17:30開場ですが、14:30に現場入り。
流石に誰も居なくて、前の会の入場係の女性がタバコを吸ってました。
この前の会というのが、鉄道落語で有名な“しん吉・駒次”の二人会!!
鉄好きが集まってました。中に東京メトロと武蔵野線の運転手さんが居て、
この二人に対して、尊敬の念を込めて目が輝かせるしん吉・駒次でした。
この打ち上げを、人形町の飲み屋「キハ」でやると言っておりました。
これまた、鉄道オタクらしい!! そんな会の後にヨチヨチSWANは始まりました。
 

・男旅牛太郎

仲入り

・裏日本兄弟の漫才

・サーカス子象「中村仲象」


1.男旅牛太郎
白鳥さんのライフワークとなりつつある、流れの豚次伝シリーズ。
この第六話が、今回の『男旅牛太郎』です。
前回は、エピソード1という事で、豚次の誕生秘話をやり、
その前のヨチヨチSWAN/今年1月にやった五話『天王寺代官切り』の続編です。

この『天王寺代官切り』までの五話は、豚次が新しい見方、新しい敵と出会い、
闘いを繰り広げながら成長する展開でしたが、この六話からは、五話までの因縁の動物、
既に登場したキャラクターたちが、物語に再登場して絡んで行く展開になりました。
そうです、あの圓朝師匠の作品と似たような、展開になって行くのです。
この六話の舞台は、名古屋の大須、新キャラとしてブルドックのブル松が登場します。
ここに二話と三話に登場した虎男と、四話に登場した猫のマリーが絡んで来ます。
また、牛太郎は、三話の流山動物園の豚次の仲間ですが、
豚次の男気に惚れて、第一話に登場した狸/タヌゲ段平から格闘技を習います。
そして、鋼鉄の肉体と必殺“バッファローパンチ”を身に付けて、
野犬一家に命を狙われている豚次の助っ人を買って出るのです。

途中で入るギャグも白鳥さんらしいのが出ます。
豚次のピンチを流山動物園に伝えるカラス。
このカラスが、力尽きて動物園の入り口にうずくまっていると、
これを見た、チャボのチャボ子が「とくダネの小倉さんのカツラ!!」と言います。
まず、この掴みで爆笑してしまいました。白鳥さんにしかできないギャグです。

「焼け牛に水」

『源平盛衰記』で初代三平のギャグを入れてみたいり、
総武流山電鉄の「流山駅」周辺をイジルギャグなど、
古典的なゆるい駄洒落から、白鳥ワールド全開のギャグまで、
本当にバランスの良い一席に仕上がっておりました。

豚次が登場しない噺というのも初めてでね。
新しい展開を感じさせながら、中盤のいい見せ場になっていたと思います。
終盤に向かう七話以降も、大いに期待しております。

 
2.裏日本兄弟
圓丈師匠の喝!!を踏まえて、新ネタを披露する裏日本兄弟でした。
圓丈師匠も、「めざし」と「ホッケ」で目覚まし時計!!を強く批判したらしい。
そうですね、意味不明だった、この「めざし」と「ホッケ」
圓丈師が言うように、「めざし」と「ホッケ」なら、目覚ましホッケですよね。
今回は、カマクラの話で、漫才というよりもコントになっていました。
稽古を積んで、あくまでも、漫才で勝負して欲しいと思います。
そして、たん丈くんが、お面を外して喋ってくれたのだけ、評価します。

 
3.サーカス子象/中村仲象
久しぶりに聴きました『中村仲象』
以前、紀伊国屋の企画で、市馬師匠が『掛取り』を、白鳥師匠が『中村仲象』をやるというのがありました。
しかも、それぞれ、六代目圓生のビデオで『掛取り』、『中村仲蔵』を前半流して、
それを客に見せておいて後半を、市馬師匠と白鳥師匠が演じるというものでした。
ねぇ、圓生の後に、白鳥さんが『中村仲象』をやったんですよ。客はドン引きでした。
それで、終演後、市馬師匠が「白鳥は悪気はありません、そういう芸なんですから」と、
帰るお客さんに声を掛けて、必至に謝罪していたのが印象に残る会でした。
その時以来のサーカス子象でした。牛太郎がこの噺の中に登場して、
豚次シリーズとの融合がなりました。めでたし!めでたし!です。