始まりました。雲助の『お富與三郎』と馬石の『名人長二』が。
楽しみです、ワクワクします。連続モノの良さがありますね。
昔は、この連続モノをして、人情噺と云ったんだそうです。

私は最近だと、三三のにぎわい座での『嶋千鳥沖津白浪』と、
馬桜師匠の日本橋亭・全生庵での『牡丹燈籠』、
それと喬太郎が本多劇場でやった同じく『牡丹燈籠』があります。
本来は、講談師にやって欲しいのですが、続きものをあまりやりません。
神田伯龍先生の口演で有名な『越後伝吉』とか『天保六花撰』とかやって欲しい!!

さて、今回はその初回、前座も上げずに馬石くんの登場
会場は、なかなかの大入りで100人近かったと思います。
 
1.名人長二~仏壇叩き~ / 隅田川馬石
この『名人長二』は、馬桜師匠の圓朝座のゲストで、まさにこの“仏壇叩き”を聴いています。
この日の馬石くんは、まず、連続ものを何度か過去にやった想い出話から始めて、
なんと言っても、続きものは、切れ場で言う「さて、この続きどうなりますやら?
この続きはまた明晩ということで、本日はこのへんで失礼いたします!」
そう言って、下がる時が、思わずニッコリしてしまうぐらい嬉しいとか。
更に、前座さんナシについても触れて、前座さんも6日間同じ前座さんなので、
30分くらいの噺を6つに分けて、毎回5分やればいいのに?と妙な発言をしました。
前座噺でながいと言えば、「子ほめ」「たらちね」になるかと思いますが、
どこで切れ目を付けるんだ?っていうことですよね。
また、さてこの続きがどうなりますやら?と言ったら知っている客が殆どなので、
これまた笑われてしまいます。どうせなら、小咄3つくらい披露するのがいいよね、5分なら。

そんあ事を喋りながらも、緊張が隠せない馬石くんで、やや早口でした。
マクラも早々に本編に入り、指物師長二という主人公の人となりを、
坂倉屋助七からの仏壇の注文を通して説明します。
徐々に緊張がほぐれて、助七が仏壇を壊そうとするあたりからは、
本来の馬石くんの調子になりました。
ただ、持ち時間を15分残して終わってしまいました。
前座できたじゃん、1席。と、思いました。
 
2.お富與三郎~発端~ / 五街道雲助
喬太郎のモノマネどうように、目をギョロっとさせて手を突っ張って登場。
喋りは、喬太郎のモノマネほど籠もってはおりません。
マクラも早々に、本題へすーーーっと入る雲助師匠。
馬石君とは違って、堂に入った態度で、いつものように語ります。
談春が6年くらい前にやったのを聴いているけど、完全に忘れてました。
そうそう、こいう噺だったと思い出しました。長い噺ですからね。
「ご新造さんへ、女将さんへ、やさお富 久しぶりだなぁー」までは、かなり遠い。
舟を漕ぐ仕草が本当に似合う雲助師匠です。
あのケロヨンみたいな顔が、與三郎に見えるから芸は恐い。
約50分、なかなかの熱演で、次回今日が楽しみです。

◆お富與三郎 一話