永谷のダブルブッキング事件の影響で、今回からここ下谷神社が会場でした。
寒い中、大勢のファンで一杯でした70以上入っていたようです。
そんな今年初回の本牧五人会は、こんな内容でした。
寒い中、大勢のファンで一杯でした70以上入っていたようです。
そんな今年初回の本牧五人会は、こんな内容でした。
笊屋 … 金原亭駒松
紋三郎稲荷 … 鈴々舎馬桜
開帳の雪隠 … 林家正雀
猫久 … 柳家小ゑん
お仲入り
明烏 … 金原亭馬生
松曳き … 三遊亭吉窓
1.笊屋/金原亭駒松
様子のいい前座さんです。まだ二年目だと思うけどしっかりしています。
金原亭の秘密兵器になれるように、頑張って欲しい気がします。
様子のいい前座さんです。まだ二年目だと思うけどしっかりしています。
金原亭の秘密兵器になれるように、頑張って欲しい気がします。
2.紋三郎稲荷/鈴々舎馬桜
永谷のダブルブッキングの件、その後を語るところからマクラは始まりました。
永谷側は、相変わらず「もう、終わった事」にしたいようですが、
本牧側は、謝罪させるまでは、やめられないって感じですね。
永谷も、評判を悪くするだけだろうにと思いますが、社長は謝るつもりないみたいですね。
相変わらずの相撲好きで、東のたまりに陣取って観てますね、永谷の社長。
さて、マクラは正月の思い出へ。馬桜師匠がまだ見習い時代。
人形町・末広がまだ残っていた時代です、元旦の早朝、まだ御天とう様が顔を出す前に、
まず、談志師匠の新宿のマンションに行って新年のご挨拶。
更に、談志一門で目白へ移動、小さん師匠の家へ7時ころ挨拶へ。
そして、小さん一門に大所帯になって、黒門町の文楽師匠の家へ挨拶に行ったそうです。
黒門町の師匠の脇には、目白の小さん師匠、先代の円蔵師匠、そして足立先生なんかが座っていて、
談志師匠は、まだまだ若手、脇なんかに座らせもらえなかったそうです。
外で、文楽師匠に挨拶する順番を待つのがもの凄く寒かったそうです。
もうこの当時、こぶ蔵の正蔵は、もう小三平で正月の寄席の高座を踏んでいたそうです。
「パンツ破れたよ」「またかい!」みたいなのをやってましたよ。
ダジャレや小咄かなんか披露して、父親の真似して、手をグーにして額に当てておりました。
お稲荷様の使い姫が狐で、虚空蔵菩薩は鰻がお使い姫が鰻だという話に。
そんな話から、志ん朝師匠の“鰻絶ち”の話に成って、
丑寅の生まれの人は鰻を食べてはいけない。
ちょうど母親の死に目に、旅興行で遭えなかったのを、
少し気にしてらしたそうです、志ん朝師匠。
そんなもんだから、虚空蔵菩薩は鰻がお使い姫なんで、
貴方は、丑だからこれを絶ちなさい!と言われて信じたそうです。
で、志ん朝師匠は“鰻絶ち”始めたけど、仲間を増やしたい。
そこで、丑寅の生まれの人を次々に誘うんだそうです。
まず、捕まったのが、小益の文楽さん、そして馬桜師匠も誘われたそうです。
最初、そんなの迷信ですよと断ったそうですが、志ん朝師匠に、
「だから、お前さんの芸はダメなんだ!」と、言われて絶ったそうです。
そしたら、それを楽屋の脇で見ていた小三治師匠が、
「お前、本当に絶つのか?うなぎ」と言うので、
馬桜師匠、「ハイ、みんな見てる前で宣言したので絶ちます!!」と答えると、
「偉い!そいでこそ男だ、ヨシ、食い納め、最後のうなぎを俺がおごってやる」
そう言って上野鈴本の近くにある老舗から特上の鰻を出前で取ってくれて、
これが最後だ!ってんで味わって頂いたそうです。
そしたら、デザートにメロンまで付いていたそうで、
そんな高級な鰻は生まれて初めて食べたと言っておりました。
しかし、この禁は二度破られた。
最初は、馬桜師匠が学校寄席で浜松に行った時。
その時は、目白の小さん師匠と一緒で、
校長室が控え室になっていて、その日の昼食が、
浜松なんで嫌な予感がしたらしいけど、案の定、うな重だった。
校長室に着くなり、小さん師匠が「食うぞ!おめぇも食え」と、
いきなり置かれていたうな重を開けて、バクバクやり出したもんだから、
「私、断ち物がうなぎです!」なんて言う間もなく、仕方なく食べたそうです。
そして、二回目が、雷門助六師匠。この師匠から馬桜師匠は、
落語だけでなく住吉踊りや、芝居などでも大変お世話になっていたそうです。
ある日、「お前、好き嫌いないよなぁ」と言われて、親戚に鰻屋を開業した奴が居て・・・
と、鰻を食わされたそうです。これも泣きで食べた馬桜師匠。
この時に決めたそうです。ご馳走になる鰻は食べると。
そんな話から『紋三郎稲荷』へ。
ネタ卸し同然だ!などと言っておられましたが、
どうして、ちゃんと笑わせて、サゲまで軽妙でした。
昔の人が、マッチを提灯と懐に1つずつ入れていたのは、
マッチの硫黄の臭いを狐が嫌うので、バカされない為の知恵だったとか。
為になる薀蓄を、今回もありがとう御座いました。
3.開帳の雪隠/林家正雀
マクラでは、師匠・稲荷町の正蔵師匠と地方公演で旅をした話から。
稲荷町の師匠と泊まったホテルで、朝飯を食べる時に師匠は洋食の朝定を注文、
その時、正雀師匠が和定食を注文したら、例の調子で「バカ野郎ぉーーー」と師匠が怒る。
なぜだろう?と、思ったら「ホテルで和食なんて頼むやつがあるか?!旅館じゃまるめぇーし」
と、言ったそうです。正蔵師匠の頭の中では、ホテル=洋、旅館=和の公式が固まっていて、
これに逆らうと、怒ったんだそうです。
続いて、浅草の“ヨシカミ”で友人と食事した時に、
たまたま、近くの席に背の高い前座が入って来たそうです。
そかも、女性連れ。若くて美しい女性だったそうです。
デートかな?と思いつつ、知らん顔も悪いと思って、
その前座に声を掛けたら、相手はビックリした様子。
「誰れだ、この女性?」と訊ねると、「従妹です!!」と言う。
「そうかぁ、ならここの勘定は俺が持ってやる」そう云って、
正雀師匠、前座くんの席の伝票も一緒に払ったそうです。
1ヶ月後くらいに、新宿末広の楽屋でその前座と再会。
「師匠、先立てはご馳走様でした!!」と例を言われたので、
「ところで、従妹のお嬢さんは元気かい?」と云うと、
「いやぁ、あの後別れました」と返されたそうです。
ホテルのカフェテリアで2人連れのお婆さんの話、
初めてSUICAを持ったら、二度も落としてしまった話
そんな話から、昔、芝居のお染久松が大ヒットした時、
江戸じゅうに風邪が流行った。芝居見物の客から蔓延したので、
この風邪がお染風邪と呼ばれて、ある長屋で長屋中が風邪で寝込んでいるのに、
1軒だけ風邪に掛からない家が在った。なぜだろう?とその家に行ってみると、
「久松、留守」の貼紙がしてあったという。
回向院の出開帳から、貧乏神の出開帳が在ったという話を振って、
頼朝公の骸骨(しゃれこうべ)の小咄と御印文頂戴の小咄から『開帳の雪隠』へ。
回向院の前の駄菓子屋の老夫婦が、出開帳に来た客が雪隠/トイレを借りに来るのが、
どうも気に入らない。トイレを借りるだけ駄菓子の売り上げに貢献しないというのです。
しかも、出開帳の行列ができると、地方からも大人が来るので、
子供が怖がって、駄菓子の売り上げが悪くなるという。
そこで、雪隠貸しを有料にして、儲けようとするのだが、
駄菓子屋が雪隠貸しで小銭を稼いでいると周囲が知ると、
駄菓子屋の向かいの空き地に、綺麗な新設の有料雪隠をだれかが作った。
所謂、有料公衆トイレですね。駄菓子屋と料金が一緒で綺麗ときている。
たちまちにして、駄菓子屋の雪隠貸しは閑古鳥に。
困った老夫婦、お爺さんが雪隠が再度繁盛するようにお参りに出かける。
すると、お参りに出たその日に、奇跡的に駄菓子屋の雪隠が繁盛する。
喜ぶ婆さん。そして、夕方、お爺さんが戻って来たので、お婆さん報告!!
「お爺さん、ご利益!ご利益! すぐに雪隠が繁盛しましたよ、何処でお参りしたの?」
答えて爺さん「いやいや、お参りなんかしていない、1日中、前の雪隠に入って居た」
4.猫久/柳家小ゑん
目白の師匠の『猫久』が、いい!!いい!!って世間が言うのでやってみることにした。
そんな乱暴な発言をして、小ゑん師匠、『猫久』を誰かに習ったのではなく、
袖で昔聞いて覚えている小さん師匠の、その記憶を頼りに、
なんとなく稽古をしてやってみる事にしたと言っておりました。
本当かよ!それで『猫久』ができるのか? そんな不安も感じつつマクラから。
まず、犬猫を昔飼った話から。この番犬を飼っていた少年時代の話は大笑いでした。
これと、USAで中華のデリバリー店が、配達中の営業車を盗まれて、
お得意先に配達予定の料理ごと、そっこり盗まれるんですね。
弱った店主が、得意先に“ごめんなさん”の電話を掛けると、
「何を言ってるの?ちゃんとデリバリーされてますよ」と客は云う。
???
そう、犯人は料理を届けて、その売り上げを盗んでいるんですね。
結局、気付いた店主が警察に連絡して、最後のデリバリー先で待ち伏せ、
犯人はその最後の客の家で御用。働き損というオチだったようです。
こんなマクラから、『猫久』へ
面白いのは面白いのです。侍の真似を熊さんがして、
それを女房が茶化す展開もちゃんとできています。
が、やっぱり江戸の風です。吹きません。
口調というより間合いです。間合い、間が新作っぽいのです。
しかも、小ゑんさん独特の間です。
5.明烏/金原亭馬生
この師匠は、苦手です。滑舌が気になるのです、モゴモゴします。
また、時々発する奇声も好きになれません。
先の馬生からサラりとやるのは受け継いでるかな?
とは思うのですが、粋に感じないと、サラリの意味がないように思います。
とは思うのですが、粋に感じないと、サラリの意味がないように思います。
6.松曳き/三遊亭吉窓
白酒くんの『松曳き』を10点満点の8点だとすると、4点に達してません。
詰まる、いい間違える、侍言葉の上下関係ができていない。
ちょっとひどかったです。三太夫さんが町人に使う言葉と、
殿様に使う言葉の、切り分けがおかしかったりしました。
仕込みの笑いは、ちゃんと受けていたので、練習ですね。
もう少し完成してから、次は聞きたいと思います。
白酒くんの『松曳き』を10点満点の8点だとすると、4点に達してません。
詰まる、いい間違える、侍言葉の上下関係ができていない。
ちょっとひどかったです。三太夫さんが町人に使う言葉と、
殿様に使う言葉の、切り分けがおかしかったりしました。
仕込みの笑いは、ちゃんと受けていたので、練習ですね。
もう少し完成してから、次は聞きたいと思います。
最後に、手ぬぐいが配られました。抽選で林家さん歩さんのが当たりました。
嬉しい!!本当に得した気分になって、ここから渋谷PARCO劇場に向かいました。