立川こはるの横浜での勉強会“こはるパラダイス”の本年一回目が開催された。
昨年より始まった、この会、これが通算4回目になります。
大勢のこはるファンで満員の会場で、こんな演目になりました。
 

・十徳/こはる

・たらちね/こはる

お仲入り

・蒟蒻問答

1.十徳/こはる
予約のお客様から風邪/インフルエンザでのドタキャンがあり、
入りを心配していたと言うこはるでしたが、超満員の大盛況でした。
女性の咄家では、ぴっかりチャンと人気を二分していると思われます。
そんな新年の挨拶から、正月といえば志の輔のPARCO公演!!
こはるも、勉強に行って戦利品として造花を4本貰って来ていて、
それを会場で飾っておりました。ただ、4本では貧相この上無い状態でした。

先週、横浜は保土ヶ谷地区で断水があった話に触れて、
工事の関係でこはるが住む府中のアパートも断水だったらしい。
その断水を大家が知らせてくれず、起床して5時間後に、
歯を磨こうとして初めて知ったこはるだったそうです。

続いて成人の日の積雪の話へ。
成人式といえば、10年前にこはるも友人7~8人で明治神宮へ。
友人は全員晴れ着だったのに、こはるは普通の着流しの着物。
引率者?と思われるような姿だったらしい。
そして、明治神宮を歩いていると、沢山の外国人から写真を撮らせて欲しい!!
と、お願いされるのだが、こはるだけ「フレームに入らないで!」と差別されたらしい。
そんな苦い成人式の思い出を語った後で、積雪の方の話へ。

東京スカイツリーの残雪が落ちてくるニュースを見て、
完全に他人事だと思っていたこはるが、新宿駅の西口!!
小田急百貨店のところから外に出たんだそうです。

すると、

いきなり雪の塊をぶつけられて、「イタイ!誰だ、こんないたずらしやがるのは?」
「どこの前座だ!」と、辺りを見渡すと、周囲に居た沢山の人が、
「危ない!」「逃げろ!」「いやー!」と言いながら、
新宿駅(小田急百貨)の中へ、我先に逃げ込む姿が在った。
すると、次の瞬間、今度はこはるの少し先に、大きな雪の塊が天から降ってきたそうです。
そう!小田急百貨店の屋根に積もった雪が溶けて、風に煽られて落ちていたのです。
それをモロ直撃を喰らったこはる、大きなコブができたそうです。

最後に、立川流の新年会の話をしました。
どんな格好で行くか?悩んだ末に紋付&袴で行ったそうです。
去年までは、新年会というと例の“前座の余興”が待っていましたが、
今年からは、この余興をやらずに済む!! それだけで気持ちが違ったそうです。
こはるに言わせると、上納金なんて大したことなくて、この新年会の余興、
この「何かやれ!」が、一番の苦痛だったそうです。
そう考えると、この余興を16年連続でやったキウイは凄い!!と、
あらためて兄弟子の凄さを知ったと言っておりました。

この後、紋付で昨年酉の市に行ったら、
ちょうどスーツ姿のヤクザの皆さんが集まって挨拶をしていたので、
そこに、紋付で行ったもんだから仲間か?と間違われて恐縮したそうです。
そんな着物の話をして、『十徳』へ。

こはるは、このネタ前座時代にもやっていましたが、
二つ目で聴くほうが、力みがなく余裕もあっていいですね。
他愛もない噺なのに、笑いが起きますネ。

2.たらちね/こはる
前座噺は、なかなか掛ける機会がないので、
ローテーションで、自分の勉強会でおさらいすると言う、こはる。
この日は、二年ぶりに『たらちね』をやりました。
しかも、よそではなかなかできないフルバージョンでした。

3.蒟蒻問答/こはる
まず、冒頭ではアンケートに書かれた質問に答える、こはる。


質問1
神保町:落語カフェでの談春一門弟子の会は復活しますか?
→ これの代わりに横浜にぎわい座で談春一門会が開催されます。
  落語カフェでの会は、弟子の数が増えてやりにくくなっているのが現状
  当面は、にぎわい座の一門会を定着させたい

質問2
声の調子が悪いようですが、大丈夫ですか?
→ 風邪の影響/季節の影響もあるけど、声が枯れやすくなっている
  年々、なぜか声が野太く低くなる傾向にある、理由は不明だが…
  でも、落語をやるのには都合がよい。
  宮治、松之丞、こはるの三人が、若手声デカイ三人集らしいです。

質問3
好楽師匠は、女性の落語家は“使える言葉、使えない言葉”これがあるから弟子に取らないそうです。
これについて、こはるさんはどう思いますか?
→ 確かに下ネタをどこまで出すか?女性の咄家だから悩む部分がある
  意識して加減しすぎるとつまらないし、出し過ぎると客が引く

質問4
どうやって、ネタを覚えているんですか?
→ 基本は教わる師匠の所へ行って、そこで稽古を付けてもらって、
  マスターしたな?と思ったら、その師匠の所へ再度行ってアゲて貰う。
  現代は録音機器が発達しているので、ICレコーダーにまず録音しながら稽古して貰って、
  それを聴きながら稽古して、覚えてできるレベルになるから3べん稽古というのではない

  また、談志師匠曰く「生のへたくそに教わりに行くぐらいなら、名人のCDだ!」
  なので、談志師匠がこの噺は、目白の小さん師匠のコレというふうにパターンを決めてくれているので、
  立川流は、その教えをなぞって、CDで覚えるパターンが多い
  尚、志らく一門は、そのCDに志らくの教えが入った秘伝の教科書があるらしい

  こはるが、よく稽古を付けてもらう師匠は、立川流では龍志、談幸で、
  よそだと遊雀くんが一番多くて、この日の十徳もそうで湯屋番も習ったとか。
  他には喬太郎に『転宅』『松竹梅』、市馬からは『転失気』を習ったそうです。

  ちなみに、師匠談春から習って持ちネタになっているのは、
  『道灌』『子ほめ』『たぬき』と、『真田小僧』なんだとか。
  『岸柳島』も習ったそうですが、談春の型はあまりにヤクザな調子なので…

質問5
聴いてて好きなネタと、やって楽しいネタは同じですか?
→ 概ね同じだけど、違うものもある
  やって楽しいのは、スピード感のある噺だそうです。
  それを自分のものにして、タメができるようになる更に楽しさがUpするそうです。

そんなアンケートに答えてから『蒟蒻問答』へ
まだ、ぜんぜんダメでしたが、頑張っている気持ちは伝わりました。
ただねぇーそれでも、最後の問答で、旅の僧;永平寺の。
この僧の問答での最初の言い立てがカミカミで忘れてて、最低でした。

さて、最後に昨年、2012年に立川こはるを19席聴いておりました。

つる
井戸の茶碗
黄金の大黒
寄合酒
金明竹
権助魚
三人旅 ~びっこ馬~
小言幸兵衛
松竹梅
締め込み
天災
転宅
道灌
不動坊
武助馬
平林
万金丹
目黒のさんま
金明竹

 
勉強会中心なので、ネタがかぶりませんね。
結構、ステディーな演目が並んでいます。