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総領弟子の桃月庵白酒がゲストという豪華な初春親子共演。
しかも、雲助師匠は、『芝浜』と『二番煎じ』を根多出ししての会。
他は、こんな演目が並びました。

1.手紙無筆/古今亭きょう介
昨年の夏で、一度廃業したと聞いた“きょう介”さん。
今年から?高座復帰していました。なにはともあれ良かった。
前座らしい、元気な高座を見せてくれました。
真打、大看板、名人目指して頑張って下さい!!
 

2.寿限無/桃月庵白酒
1月の初席、寄席はまだまだ正月気分の興業だと言う白酒さん。
咄家が、一番疲れている時期に、よく独演会をやるなぁーと、
師匠に対しても毒を吐いておりました(笑)

そして、他人の会に、脇で出るのは、非常に気楽だと言って、
何でもできるから嬉しいと言いつつ始めたのが『寿限無』でした。
ただし、そんなに普通の寿限無じゃないですね。笑い満載。

◇寿限無
「苗字が杉田ですからねぇー 杉田寿限無、
名前負けしそうでねぇー」

◇五劫の擦り切れ
「五光とかいうと、博打うちになりそうだ!」

◇海砂利水魚の
水行末 雲来末 風来末
「“海砂利水魚”とか付けると改名しそう」

◇食う寝る処に住む処
やぶら小路の藪柑子

「そんな名前、学校でいじめに合うでしょう
ホームレス野郎みたいな名前」

◇パイポパイポ パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナー
「日本人の名前じゃない!!」

◇長久命の長助
「最初から、それでいいでしょう!!」

 
そう言いながら全部繋いで、長い名前にする。
そして、寿限無くんが学校へ行くようになり、
授業前の出席を取ると…

先生「麻生くん、 マンガばっかり読まない!!」

先生「安倍くん、 今度はしっかりとやんなぁよ」

先生「小沢くん、小沢一郎くん、小沢一郎くん???
    また、転校したのか?」

先生「小泉くん、小泉純一郎くん、 息子をヨロシクですかぁー」

先生「杉田、またこいつだ、寿限無、寿限無…」

 
この学校の場面を挟んで、おなじみのタンコブのくだりでサゲますが、
単にたんこぶが引っ込んだではなく、アザすら消える長い名前と言ってサゲました。
それと、家族で、両親は「寿限無、寿限無…」と正しく言えるのに、
お婆ちゃんだけが、この名前を言えないのも白酒くんらしいと思いました。

さて、ついでに2012年の桃月庵白酒を総括します。
何を隠そう、この桃月庵白酒を2012年は一番たくさん聴きました。
聴きも聴いたりで、52席聴いておりましたね。
にぎわい座の「白酒ばなし」、成城の「セゾンド白酒」、
日本橋亭の「白酒・甚語楼の会」、北沢タウンホールの「Wホワイト」
この独演会2つと、二人会2つに通うと、こんな結果になるんですね。
2013年は、「白酒ばなし」は止めるか?と思っています。

そして、聴いた演目は35演目、このような内容でした。
凄いのは、笠碁を5回も聴いているって事ですね。
6月と7月に2回聴いて、8月にも聴いています。

お見立て × 2
お茶汲み × 2
だくだく  × 3
井戸の茶碗 × 2
厩火事
化物使い
火焔太鼓
花見の仇討
花色木綿
花筏
笠碁 × 5
幾代餅  × 3
錦の袈裟 × 2
禁酒番屋
五人廻し
御慶
今戸の狐
山崎屋
四段目
紙入れ
宿屋の仇討
寝床  × 2
酢豆腐
水屋の富
千両みかん
粗忽長屋  × 2
短命(長命)
天災
突き落とし
尿瓶
馬の田楽
抜け雀  × 3
平林
万病円
明烏  × 2

3.二番煎じ/五街道雲助
日本は、四季があるはずなのに、最近は二季になっていると嘆く雲助師匠。
二季なんて、御徒町の菓子屋じゃあるまいし、と言う辺りは年齢を感じます。
初代三平がCMやっていて、それを正蔵が継いでますよねぇー

絶対買うもんか?! 二木の菓子

そんな夏がくそ暑く、冬は異常に寒い昨今を嘆いて、『二番煎じ』へ。
去年は、瀧川鯉昇・柳家甚語楼・柳亭市馬で『二番煎じ』を聴いていました。
これらの『二番煎じ』と、雲助師匠のは決定的に違うのが、
火の番小屋で、1の組と2の組に分かれて夜回りするというくだりがないのです。

三々五々集まる火の番面々の紹介から始まるというのも新鮮ですね。
そして、夜回り中の掛け声、この場面で聴かせるのは、柳亭市馬か雲助かですね。
昔、吉原の親方ん家に居候してた半さんの“火の用心 さっしゃりましょう”の声が絶品。

着ボイスにしたら売れるのにと思いました。

そして、飲み食いの場面が、江戸前です。
ここが卑しい演出にしないのが雲助流です。
あの鍋に座らせる場面をやらない雲助師匠。
私は、この方が好きです。

 
4.芝濱/五街道雲助
志ん朝の型でやるのか?と思ったら、談志でした。
前半、抑えに抑えて演じる雲助師匠。
たんたんと流れます。

「草鞋履いて気持ち良かったら、荒物屋のオヤジは年中いい気持ちでぃ」

私は、このセリフ大好きです。

そして、最後の大晦日の夜。
ここで、初めてタップリ、ユックリ時間が流れます。
涙を誘われるまではやりません、それも雲助流ですね。
柳家さん喬の対極にある芸です。

さて、2012年の雲助師匠は、この六席を3つの会で聞いただけでした。

 

お初徳兵衛浮名桟橋
つづら
もう半分
鰻の幇間
宮戸川
汲みたて

 

今年は、弟子の白酒を減らした分、雲助師匠を聴きたいと思います。