山野楽器の第九回年忘れ落語祭がスタートしました。
今年も朝7時45分に並んで1番だったんですが、
結局2番、3番の人は9時頃登場、早すぎました。
そして、気温も到着時点8℃だったのに、即6℃に。

今年最後の親子会の為に、並びました!寒さの中。

  
  
 

1.一目上がり/林家扇
久しぶりに聴いたように思う扇ちゃん。4年目のタテ前座さんです。
愛嬌はあります。自称・落語会の剛力彩芽です。
ただ、女性の噺家にありがちな、キンキン声が問題です。
この欠点をなんとかしないと、二席聴きたくなりません。
昨日、赤鳥庵で聴いた“なな子”さんを参考にして欲しい。
口調やリズム、仕草などは、タテ前座だと思えるけど、
この『一目上がり』は、時々、キンキン声が気になりました。
頑張れ!扇ちゃん、貴方はこの3年間で驚異的に成長しています。

  
  
 

2.四段目/一朝
いい味の『四段目』でした。やり過ぎない。
どこか控えめに芝居を“風”にやるのが私は好きです。
これみよがしにやる噺家居ます、あえて言いません。
あくまでも『七段目』もですが、この噺だと定吉が可愛くないとダメです。
一朝師匠も、三段目で帰ろうと思ったけど、20銭払ってもう一幕観てしまった!!
そう蔵の中で後悔する空腹の定吉が、実に可愛いのです。
そして、藪さんが仰る、丁稚の小遣いで一幕観れた歌舞伎を表現します。

  
  
 

3.富久/一之輔
昨日の小満ん師匠の『富久』とは、全く別物です。そして、悪くはない。
ただ、聴いている間、前日の小三治の言葉が気になりました。
“品格は在るのか?”という言葉が気になりました。
小満ん師匠でも、談志師匠でもなく、一之輔の『富久』が在りました。
幇間として、せっかく旦那に“許す”と言われたのに、
それだけでなく、富の結果に拘る久蔵。この展開こそが落語的展開。
家元が言う業です。そこまで欲張らなくてもと私は思います。
だから、当たってしまうのかもしれないし、諦められそうでられない。

旦那に許された火事場で、その場で見舞いの台帳を付けながら、
しくじった酒を飲みたくなる男、久蔵って人物が、どれだけダメな奴か?!
また、そんな奴だからまずは、幇間として仕事で頑張って借金を返すのではなく、
富の結果に、一発逆転を夢見るのです。そんな男の描き方には、
そんなに手法があるとは思いませんが、一之輔はその咄家臭覚で人間像を描いている。

  
  
 

4.加賀の千代/一之輔
暮れの謝金がテーマなので、この噺へ。
私は若手真打では、三三と一之輔でこの噺を聴いていますが、
どちらも、甚兵衛さんという人物を上手に描きます。
与太郎とは違う種類の、おバカですね。愛すべき存在です。

  
  
 

5.薮入り/一朝
昔ながらなのでしょう。マクラで、あえてわざわざネズミの懸賞の話をしません。
ただ、長い!! 俺がせっかちなのもあろうが、長かったです。
現代のオーソドックスでいい『薮入り』なんですよ。
でも、金馬師匠のとは違いますネ。もう少し息子、亀ちゃん/金ちゃんが可愛いと、
私としては楽しかったと思います。最初の眠れない夫婦の床での会話は、
流石、一朝師匠と思うのですが、亀ちゃんが薮入りで帰宅してからが、
私好みでないのですね。好みの問題かもしれませんが、
子供が可愛いと、この噺はいきいきするように思います。