如何でしたか?談洲楼燕枝作『嶋鵆沖白浪』。本は三十八話ありましたが、それを二十四話に纏めてお送りしました。


まず、原作のキャラクターの設定が見事です。五人の主要人物と主人公佐原の喜三郎の距離感が素晴らしい!!

あくまでも、佐原の喜三郎が主役で、爽やかで任侠道と義に厚い存在で描かれています。悪い奴には、とことん厳しく許さない存在ですが、受けた恩は倍返しの義侠心に厚い漢。

昔なら、高倉健で映画にしたいけど、梅津長門と二役で、高倉健は、また、違う感じが致します。此れを映像化するとなると、佐原の喜三郎と梅津長門の二役。

そうなると、佐原の喜三郎は一貫した人物ですが、花鳥のマブだった顔も長門なら、お嬢お兼の紐も長門、そして最後は春木童斎も演じられる役者が求められます。

一方、お虎の花鳥は、葉月里緒奈か沢尻エリカのイメージです。やや無邪気なおてんばな若い娘時代から徐々に毒婦化する感じですよね。この二人にピッタリ!!

あと、玄若は、是非えなりかずき君に演じて欲しい。喜怒哀楽を殺して演じるえなり君の冷たい目が似合うと感じます。

あの冷血漢の目でお冬を殺して欲しいと思います。ピン子死ねぇ!!と、叫んで。


他方、この物語は因縁の連鎖が見事だと思います。キッカケを作るお虎が摺られた五両が、三日月小僧庄吉の仕業。玄若が死体を不忍池へ捨てる時の火事は、お虎の放火。更に、梅津長門が春木童斎となり江戸に戻って採用した女中が、自身が殺したお大尽の娘。

因果が廻り、人の人生を狂わせるが、狂わせた方も、狂わせられた方も、なんとなく、定めだと受け入れながら生きているのが素晴らしいと感じました。



さて、問題は次回の読み物です。吟味してから、27日くらいまでに決めたいと思います。私の個人的な候補は。


【任侠傳】

・天保水滸傳

・清水次郎長傳

・天明白浪傳

・関東七人男


【大岡政談】

・村井長庵

・畦倉重四郎


【その他】

・赤穂義士傳/本傳

・高橋お傳物語



それ以外でも、皆様からのリクエストを26日まで受付致します。