11月のにぎわい座での会が、JAL名人会と重なって行けず。
久しぶりのこはるの会でした。勿論、今年最後のこはるです。
会場に着くと、まずこはると席取をして頂いた友人に、
お歳暮ではありませんが、実家から届けられた“柚子こしょう”を。

この季節のは、特に香がよろしくて、鍋に最高に合います。
そして、こはるには、初めてサインを書いてもらいました!!
勿論、ハート型の色紙で!! 色紙に彼女が書いた文句が、

「お歳暮廻りは、アポナシで!」

立川の流儀みたいですけど… らしい一言を有難う、こはる。
今回も超満員で、次回からは2日間興行になるというこの会、
こんな演目で、今年一年を〆るこはるでした。
 


・松竹梅

・天災

仲入り

・万金丹

 

 

 

 

 

1.松竹梅
何をしていたのか?出が遅れるこはる。
小三治師匠にはよくあるが、録音の出囃子が終わって再度再生する。
ようやく登場してきたこはる、おしっこだったのか?
さて、毎度おなじみのとめどないマクラが始まる。
これは、へたな真打よりかなり上手い、楽しい話を毎回します。
このマクラで、木戸銭の45%くらいを占めているのかも?と思うマクラです。
出の遅い人は、小三治に代表されるように、マクラが面白くて長いのか?

さて、この日はまず、風邪を引いて根多卸しの稽古ができていない事を謝るこはる。
そこで、今回は前座時代に1回掛けて塩漬けにしていた『天災』をやりました。
11月のにぎわい座の会の後に、風邪でダウン!! 寝込んだそうです。
医者から声を出すなと言われたみたいですね。

そんな風邪に話から、落語CDの音源整理の話を始めました。
これまでは、単にCDをかなり古いリッピングソフトでPCに取り込んでいたこはる。
だから、音源のファイル名は、“トラック01”みたいな名前で、
CD毎のフォルダーに無造作に入れて貯めてたそうです。
本人が高校時代から、このやり方と言ってました。

それが、ひょんなことからアップルのiTunesを使い始めて、
ネットワークに繋ぐと自動で演目、演者、アルバムの表題を管理してくれるのに、驚いたそうです。
お前は、20世紀の化石か?!と思いましたね、こはる。
そして、こはるは、“ジャンル”というカテゴリーも勝手にiTunesが区別してくれるのを発見するのです。
これは面白い!と、いろんな咄家のCDをiTunesでリッピングし始めるこはる。
すると、iTunesが奇妙な分類をするのに気付きます。

まず、大師匠である立川談志=Rock
ほー、iTunesの判断だと、立川談志の落語はRockかぁー
どの演目も、談志家元はRockに分類されるそうです。
そして、次に春風亭百栄のCDをリッピングしてみることに。
まず、1トラック目、『人間国宝への道』をインポート、すると!!
なんと、これは、PopsにiTunesは分類したそうです。
おぉー 百栄の『人間国宝』は、Popsかぁーなるほど。
ちなみに、龍志師匠のCDは、「不明なアーティスト」扱いで分類されなかったそうです。
また、同じ百栄作品でも、『甲子園の魔物』は、同じくPopsで分類してくれたのに、
『桃太郎の後日談』は、不明なジャンルになって分類されずじまいだったとか。

この分類が楽しくなったこはる、過去に貯めた音源をジャンルだけでも、
自分で入力して、iTunesを使って整理することにしたそうです。
このiTunesのジャンルは、結構細かく分かれていて、勿論、Rakugoというジャンルもあります。
また、Rakugoだけじゃなく、寄席囃子というジャンルまであるのです。
やり方は、整理する演者のCDをiTunesに読み込ませて、
あらかじめiTunesが用意しているジャンルで、その演者の演目を、
片っ端に残りは手動で入れ込む作業を始めたそうです。
立川談志→Rock!Rock!Rock!、春風亭百栄→Pops!Pops!Pops!みたいな作業を。
そして、龍志師匠のようなのには、Rakugoを選んで入れ込むのです。

そんな事を始めて、小さん師匠のCDを入れると、こいつのジャンルが“Traditional”
おぉー人間国宝だから?そこで、小さんと米朝は、Traditionalというカテゴリーを選んだそうです。
着々とある程度の音源は整理できたこはるですが、ジャンルがないものに対して、はたと困ったこはる。
たとえば、かっぽれや南京玉簾を踊る時の音曲が、どうもシックリくるジャンルがないのです。
仕方なく、エントリーされているジャンルを見ていると、“Dance music”なるジャンルを発見!!
これだ!と、思ってかっぽれと玉簾の曲は、Dance musicで分類したそうです。
そしてそして、最後に残ったのが講談と浪曲なのです。iTunesは、落語はあるのに講談&浪曲はない。
仕方なく、それらは“Business”というジャンルで分類したそうです。

このCDのジャンル整理の話から、久しぶりにミスチルのCDを買った話へ。
こはるは、落語会の始まる前に、BGMとしてミスチルをよく掛けています。
本当は、これは著作権法的には違法になるおそれがあります。
某咄家に聞いたところによると、有料の会の開催前や仲入りで、
勝手にCDを掛けていると、著作権協会から印税を払って欲しい旨の電話があるらしいです。
流石に、この40人くらいの勉強会で使ったぐらいの事は言ってこないかと思いますが、
入場料に関係なく、会場の大きさで印税が値踏みされて払ってくれ!と来るらしいですね。

そんな話はさておき、そのミスチルのCD。特典映像のDVDが付いていて、
プロモーションに使った映像が収録されていたそうです。
こはるは、家にテレビもなく前座修行の間、殆どテレビを見なかったので、
ミスチルの曲は聴いていても、その姿を10数年見ていなかった。
それで、ですよ、10数年ぶりにミスチルの桜井さんを見たんですね、そのDVDで。
10数年ぶりに見る桜井さんは、高校姓時代のこはるが見たそれとは、
全く似ていない別物、別の人に変身してしまっていたのですね。

誰かに似ているぞ!

そう思ったこはるが、PVをずーーと見て4:30後、マイクを持った桜井さんを、
カメラが下から舐めて撮るカット見て思わず叫んだそうです。

「あっ、橋下」と。

そうなんですね、ミスチルの桜井さん、今は、大阪橋下市長みたいになってしまいました。
愕然として、いやだー!とも叫んだこはるでした。

これでもマクラは終わらず、橋下市長といえば文楽嫌い。
ということで、今度は文楽の魅力について語るこはる。
池上のお寺で、文楽教室が連続で開催されていて、
その最終回に参加した話をするこはるの目が活き活きしておりました。
あの表情をみるだけで、こはるの文楽への思いが読み取れます。
本来なら黒子の服を着て、また台や衝立で、人形の操作を見え難くするんですが、
この初心者教室では、あえて人形の操作もみせながら、解説してくれるそうです。

マクラの最後は、こはるが結婚式・披露宴というものに出席しない理由。
トラウマに近い結婚披露宴を学生時代に体験したというこはる。
それは、大学の先輩で地方テレビ局重役の息子の結婚披露宴でのこと。
その先輩は高知出身、皿鉢料理で有名な高知というのがポイントですね。
落研の仲間5人で高知の披露宴に招待されて、テレビ局の関係者400人くらいにまじり、
新郎の友人ということで、場違いなテーブルで恐縮しているものの、
徐々に雰囲気にも慣れて、キャンドルサービスが始まった頃には、
完全に、東京の落研のノリで騒ぎ始める5人。料理として出された、
蟹クリームコロッケに爪が付いているのを見て、

爪に火を灯すだ!

と、洒落でその食い終わった蟹の爪に蝋燭を立てる5人。
「こんち、お日柄もよく」 「つつましい生活しろよ!」と盛り上げようとしたが、
当然、何やってるんだ、あの無礼者は??? 周囲にドン引きされる。
キャンドルサービスが終わったら、各自ご歓談くださいとフリータイムに。
すると、高知名物の「ご返杯」が始まって、次々に新郎の家族・親戚からの、
飲め!飲め!攻撃を受ける。こはる自身もしこたま飲まされて、大分いい感じに。

そして、見てみると新郎は、高砂のステージでニコニコしているばかりで飲んでいる様子もない。
よし!「ご返杯だ!」と、ステージにビール&グラスを持って突撃したが、
高知の流儀に反するようで、こはるは、周囲の客に取り押さえられて席に戻される。
仕方なく、そのビールを手酌でやるこはる!! これも礼儀に反します。
結婚式で手酌はダメだろう、忌み言葉ならぬ忌み所作のひとつですよね。
益々、周囲からは、なんだあの狼藉者は?と白い目を向けられるこはる。

フリータイムが終わり、お色直しやら、友人代表のスピーチやらに続いて、
「では、ここで東京の落研の皆様から、何か芸を」と、まったく下準備なしに、
突然、お前等も余興をやりなさい!と、司会者から振られてしまう。
オロオロする5人、仕方なく、とりあえず一番目下のこはるが小咄をやりにステージへ。

えー、我々の落研で最初に必ず習う伝統的な小咄がありまして、
これを今日は、皆さんに披露します。

「オイ、大将!冷やし中華」
「すいません、店開けたばっかりで、麺を今冷やしてます」
「なんだ、冷やし中華冷やし中かぁー」

まったく笑いは起きず、重苦しい空気になったそうです。
この後、名誉挽回で上がった先輩が大うけして、
それを遠くで眺めながら、二度と披露宴なんか出ないぞ!と決めたこはるだった。

この披露宴のマクラから『松竹梅』へ。
流として、マクラの方が面白すぎて本編がかすんでしまいました。
 

 

 


2.天災
ここでも、マクラを振りました。こしら&志ら乃の真打披露パーティーの話でした。
談志家元亡き後、最初の真打披露だったそうで、まぁー纏まらなかったそうです。
司会を談笑が務めて、進行したそうですが、あらかじめってもんが何もないそうで、
普通、進行表とかスケジュール、アジェンダみたいなものを作成するのに、
この日は、そんなものはなく、受付していたこはるに、
「ブーケトスするから二つ目は呼ばれたらステージに来い」とだけ言われたそうです。

ブーケトス?真打披露で?

意味が分からないと思ったら、何でも新真打が二つ目が早く真打にとの思いを込めて、
ブーケトスをするから、二つ目で奪い合って欲しいそうでした。
大方の予想通り、グズグズで参加者も少なく、舞台のスミだったこともあり、
招待されたオダンの客たちは、見向きもしなかったそうです。
そんなブーケトスの後で、キャンドルサービスもあったらしい。
二人の師匠である志らくが、いつものように表情ひとつ変えず、
この弟子の新真打披露を、黙って見ていたのが不気味だったとか。
このマクラから、いつぞや麻生ホールで玉砕した『天災』へ。

あの麻生の時よりは、格段に落語になっていました。
しかし、長いのです。一生懸命で丁寧なのは分かるけど、
あと10分詰めたらいい『天災』になると思いました。
 

 

 


3.抽選会&万金丹
おなじみの抽選会です。これが最後の抽選会だと言っておりました。
月に2回になると、二回抽選会はできないから・・・ 別に1回でいいじゃんね。
今回の抽選会は、私が21番札を持っていて、当選したのが、19、20、22、23ですよ。
まぁ、こんなところで運を使わなくて済んで良かったのか?

さて、『万金丹』 珍しいですよ、これを最後までやりました。
さん喬師匠は、やりますね。弟子もやるなぁ。それ以外では珍しいですよ。
工夫して面白くしたいみたいですが、まだまだですね。
なぞかけとか、独自の工夫で面白くできたらいいですね。