こんな内容の会になりました!!
1.ご挨拶/彦いち
普段着で、前座代わりに登場するのは昇太と同じですね。
世間話しながら、会場を暖めます。この日はたまたま人身事故で、
小田急が止まっていて、電車が遅れて、このトーク中に客が入ってました。
私は、鍋屋に早目に入って腹拵えしてからだったので助かりました。
2.権助芝居/志ん吉
二回目?三回目?早稲田の落研で、期待されてるから志ん吉なんでしょう。
志ん橋師匠の弟子らしく、所作が綺麗で、こびない芸がいいですね。
演目が権助モノなので、それなりにデフォルメはあるのですが、
全体としては、古今亭の本流らしい芸でした。
持ち時間が15分くらいだったので、次回はもう少し聴きたいです。
3.みんな知ってる?/彦いち
寄席でやる短いお噺です。主婦にありがちなお喋りオバサンが登場します。
この町内のに必ず1人は居る「放送局」みたいなオバサンが、
息子の部屋を掃除していて、ベッドの下でエロ本を発見!!
これに動揺しつつも、性なのでしょうか?息子の恥部を言いふらすのです。
彦いちらしい一席でした。
4.紙入れ/談春
アフタートークがあるので、少し抑えたマクラでした。
彦いちとの想い出として、東西落語研鑽会でトリを取った話をしました。
その出演が凄いんですよ、彦いち/小朝/仁鶴 仲入り 三枝(現・文枝)/談春。
現在もですが、この頃、仁鶴さんと三枝師匠が一緒の会に出るのは無かった。
どちらも吉本のエースですからね、大看板二枚の揃い踏みは28年ぶりだったそうです。
そこで、談春がトリですよ。仁鶴さんが十八番『不動坊』をやったので、
三枝師匠が力が入ったんでしょうねぇー 20分の予定で上がって50分。
よみうりホールは、20:55.終演予定が20:50だったそうです。
そこに、談春は上がって、『鼠穴』を50分やったと言っておりました。
私は、この会は行ってないんですよねぇー で、結構事件に成って、
談春をトリに指名した小朝が、関西まで謝罪に行ったとか、行かなかったとか。
この話のオチは、楽屋で三枝師匠の上がりを待つ談春に、
先に出番の終わっていた彦いちと、遊びに来ていた花緑が心配して、
「兄さん!大丈夫?」 「兄ぃ!頑張って」と励ましながら送り出してくれたそうです。
そして、談春が高座を下りたら、「良かった!兄さん、最高だった」と、
彦いちが、涙をみせながら強く手を握りに来てくれたそうです。
談春が、いい仲間を持ったなぁーと思った矢先、同じく遊びに来てた二代・木久蔵が、
サムアップポーズして、「談春はぁにさん!Good Job」と言って親指を突き出したそうです。
そんなマクラから姦通罪と間男の話を振って、『紙入れ』へ。
この噺は、カシラの女将さんと、貸本屋の新さんの演じ方ですね。
男は、亭主も間男も、女である女房にはかなわない!!
そんな感じがタップリ演じられていて、談春の『紙入れ』私は好きです。
特に、この日のように短いと最高ですね。
5.厩火事 ~ 厩大火事
SWAで彦いち自身が作った『厩大火事』です。
「古典アフター」という、古典落語のその後を作った会で、
彦いちが作った『厩火事』のその後が、この『厩大火事』なんですね。
ひとつ俺が、あれ?と思ったのは、『厩火事』のお崎さんは、
仲人のまねごとをしてくれた親方のお兄さん的存在に相談したはずなのに、
この彦いち版は、正式な仲人で、夫である八五郎とは同職ではありません。
それどころか、大きいお店の主人という設定で、ちゃんと仲人しています。
一方、『厩大火事』では、八五郎の復讐に合います。
八五郎が、定吉に「ご主人が本当にお前を贔屓にしているか?」確認しろ!と吹き込むのです。
定吉は、主人が大事にしている骨董品の壷を割って、主人の料簡を確認し、
その噺に触発された番頭が、掛け軸を、飯炊きの権助にいたっては奥様を折檻します。
そして、主人がこれは「唐土と麹町の仕返しだなぁ?」と気付いて、八五郎に更なる仕返しを考えて、
八五郎の大切なものを壊してやろうと、たくらむのですが… オチは言いません。
なかなか、よくできた話ですが、二つ続けると40分、これはやや長いですね。
6.アフタートーク
彦いちが、40分の熱演を終えて、談春を高座に呼んでトークがスタートしました。
開口一番、談春が「いやぁー驚いた、お前の二席通しより俺の厩火事の方が長い」
彦いち「兄さんは、厩火事が40分以上なんですか?」と怪訝な発言。
確かに談春のは長いけど、『厩火事』で50分は無いと思いました。
そこから話題は、つい最近行われた博多天神落語会になり、その打ち上げのゴルフ。
談春は、小遊三・圓楽の組で廻ってつまらなかったと言う。なぜなら、もう一組が、
志の輔、昇太、雀々だったんだそうですよ。あまりの爆笑続きで、最初の3ホール、
志の輔のティーショットは上に上がらず、全部、ゴロだったそうです。
更に、雀々師匠の住んでいるマンションの名前が笑うって話になり、
その名前が、「ザ・グレートラッキー」なんだそうです。パチンコ屋か?!ですよね。
しかも、本人自慢げにただのグレートラッキーないのよ、グレートラッキーⅡと自慢。
Ⅱがあるなら“Ⅰ”もあるのか?と、言って盛り上がりました。
今度は、圓丈師匠の話に話題が移ります。新作落語中興の祖と言われる圓丈師匠。
談春も最初二つ目の時に出会った時、古典に独自のハメことを入れているのを聴かれて、
「君はできる! 新作の世界が君を待ってたんだよ」と、新作の会に誘われたそうです。
談春が、誰にでも圓丈師匠は言ってるんだろう?と彦一に言うと、
いえいえ、ああ見えて圓丈師匠は、一本釣りで、これは?!
って若手だけに声を掛けるんですよと答えておりました。
すると、この一本釣りに談春が反応して、圓丈師匠は漁師顔だよねぇ。
あの顔で、大間のマグロ漁船とかに船長で圓丈師匠が乗ってたら絵になるねぇー
でも、ぜんぜん釣れないとは思うけど。なんてボケを飛ばして更に圓丈談義。
彦いちが なぜ圓丈師匠が凄いのか?を語りました。
まず、斬新な落語のタイトル、「白い螺旋階段」や「薮椿の木の下で」など。
次に、モノが喋るなど無機質な世界を擬人化する手法を落語に持ち込んだ。
最後は、プロならみなさん十割を目指すが、圓丈師匠は三割打者だ!!
ここから、ふたりで野球に喩えて、圓丈師匠でしばらく遊んでから、
それでも圓丈ワールドは凄い!って話で一応〆へ。
話題の最後は、談春のマクラにも登場したMr.バカ=二代・木久蔵。
普通の奴が、あんな場面で「Good job!!」なんてやったら殺されるけど、
木久蔵だから笑いで済まされる。そんな特異なフラを持っているって話になりました。
談春は、これ以外にも、喬太郎、志らく、三三、木久蔵と出た会で、
ジャンケンで負けた談春がトリで、三三と木久蔵は楽屋に残っていて、
談春が『明烏』をやって下りてきたら、三三くんは煙草を吸っていて、
「ごくろうさまです」と、いつもの感じで挨拶して来たけど、木久蔵は、
もう満面の笑顔で、「師匠!ありがとうございました、大変感動しました」と言うので、
「何、俺の明烏、そんなに気に入ってくれた?」と談春が言葉を返すと、
「ハイ!もう大感激しました、談春師匠の明烏を聞きながら、
ここの美味しいお弁当を頂けて、幸せでした。」と木久蔵が言うと、
脇で煙草を吸っていた三三の顔色が変わって、煙草を慌てて消して、
「兄さん!こいつバカですから・・・わわわ悪気は、ないんです」とフォローしたそうです。
談春は、木久蔵の言葉にオイオイとは思うけ、ど怒ってはいなかった。
でも、慌てふためく三三が面白過ぎて笑ったそうです。
この話を聞いた彦いちが、最新、木久蔵情報を話してお開きに。
それは、職場復帰された高田文夫先生を、ニッポン放送にお祝いの挨拶に彦いちが行った時。
一人で行くつもりだったら、木久蔵が「兄さん何処にいくんですか?」と聞いてきて、
「高田先生の全快を祝いに挨拶しに行くんだ」と言うと、木久蔵も連れて行けときかないそうです。
一人で行きたかったけど、あんまり連れてけ、連れてけと木久蔵が言うので渋々同行させたそうです。
そして、ニッポン放送の楽屋で、高田先生と色々喋っていると、高田先生がオーバーに、
心臓の手術が大変だった話をさせたんだそうです。ここから切って、こっちも開いて、
最終的に縫ったら、もう俺の胸板はジグソーパズルみたいになってんの!!みたいに先生が言うと、
木久蔵がそれに被せて、そのパズルは何ピースぐらいなんですか?と、訊いたそうです。
勿論、高田先生は怒りもせず、その木久蔵に、こう言ったそうです。
ノリつっくみで「そうだなぁーここに1ピース、こっちにも1ピース… バカ野郎、おれはフランケンか?!」
彦いちは冷や冷やだったけど、高田先生が木久蔵に理解のある人で良かったと思って、
「おい!木久蔵帰るぞ」と、高田先生の気持ちが変わらないうちにその場を去ったそうです。
そして、ニッポン放送を出て、近くの喫茶店でお茶でも飲んで行くか?と木久蔵に言うと、
「兄さん、さっきのジグソーパズルは何ピースだったんでしょうねぇー」と、
まだ言ってるので、「いい加減にしろ!」と叱ったそうです。