前々から、講談の会にも行きたいと思っていて、
ノラやさんが毎月第三金曜日に今年からやっている、
若手講談師の会に行きました。

団体さん(企業の社長&会長の集まり風)が10人と、
一般役が15人くらいで、25人くらいが入っていました。
ちょうどいい感じのノラやさんの“HACO”でした。


イメージ 1
出演は、神田すみれ先生の弟子で「神田山緑」さんと、
故田辺一鶴先生の弟子で「田辺銀冶(ぎんや)」さんです。

◆田辺銀冶1
http://www.youtube.com/watch?v=cy02kOfT-48
※なぜか「鞍馬」で登場します

◇田辺銀冶2
http://www.youtube.com/watch?v=FbMHv_Chaa8
※母親が講談師だった話をします
 

 

 

1.宮本武蔵から「武蔵の檜風呂」/山緑
“神田”の弟子は、この宮本武蔵から武芸モノは習うそうです。
そして、今回は山緑さんの記念すべき持ちネタ100席目のネタ卸しでした。


さて、このお噺は…

修行中、播州路を旅する宮本武蔵は、三日三晩なにも口に入れておらず、
たいそう空腹を覚えていた。そこに一軒の立派な道場を見つける。

「天下無敵流 白倉源五右衛門」

これが、片岡ならば赤穂浪士なんですけどね、しかも忠義の家来です。
しかし、この話は白倉源五右衛門です。
この道場に、旅の武芸者:「宮田左馬之助」と偽名を使って手合わせを願い、
なんとか食事にありつこうとするのでした。

しかし、あまりの強さと、二刀流で武蔵であるとバレてしまうのですが、
この白川源五右衛門は、義兄:澤田杢左衛門を武蔵に殺されたいた。
だから、武蔵を接待して、油断をさせて仇を討とうと狙っていたのでした。

そして、武蔵を道場に泊めてた6日目に、檜風呂が完成したので、
是非、武蔵先生に一番風呂を使っていただきたいと、風呂を薦めて
その風呂で茹で殺そうとする白倉源五右衛門でしたが、
危機一髪のところを、武蔵は茹で殺されず、返り討ちにしたのでした。

なかなか、ネタ卸しにしては良かったのですが、
ところどころ、言葉が現代語になっているのが気になりました。
 

 

 

 

2.鍋島化け猫伝「夜桜の猫」 / 田辺銀冶
プロフィールは、Youtubeで本人が詳しく話されているので割愛します。
ちょうど、立川こはるチャンと同世代の芸人ですね。
子供の頃から少女講談師として活躍しただけあって、
発声や、リズムの取り方、声の通し方などはいいですね。
この日は、鍋島の化け猫騒動のお噺でした。

そのおこりの部分を25分くらい読みました。
講談は、“読んだ”と言いますが、暗記して語ってますからね。
会話部分の声の使い分けと、講談調でト書きを読む部分のバランスも良かった。
私は、もう少し会話が多い方が好きですが、まずまずでした。
 

 

 


3.東京オリンピック / 田辺銀冶
師匠・田辺一鶴先生作の新作講談ですね。
あまりにも有名なのでご存知かと思います。
1964年の東京オリンピックの入場行進の模様を、
講談にして聞かせたら、講談を知らない人もファンになるに違いないと、
記録映画「東京オリンピック」(市川昆監督作品)を何度も観て、
故・田辺一鶴が講談に仕上げた作品です。

銀冶さんも、師匠の通りに語り、最後参加94カ国の国名を、
ギリシャから始まり、アルファベット順に進み、最後に開催国:日本が登場する、
このクライマックスで、お約束の万国旗を着物の袖から出して拍手喝采になりました。
ただ、最後の日本の場面での「白地に赤く、日の丸染めて」が出て来なくて、
ここで詰まったのだけが残念でした。
 

 

 


4.三井の大黒 / 神田山緑
落語では三代目:三木助でおなじみの『三井の大黒』
左甚五郎が、江戸へ出て来て、大工の政五郎と出会う噺。
落語と講談で、いろいろと違う部分もあるのですが、
まぁ、ストーリーは全く同じです。

私も講談で聞いたのは久しぶりで、甚五郎が名前を言い出せず、
政五郎の弟子たちに、殴られた拍子に忘れたと逃げるのだが、
落語では、弟子たちが「ポンシュウ」とあだ名を付けるのだが、
講談では、「ボーシュウ(房州?)」になってました。
あと、落語では登場する政五郎のお上さんが出てきません。
こちらも、25分くらいで、いい調子で流れて人物描写もメリハリが有って良かったです。

「ここは こうだん こうえんじ」

次回も行こう!と、思っています。
できれば、続き物が聞いたいですね