中堅どころの真打を組合せた二人会です。今回の相手は柳亭市馬。
会場は1階席だけで70%くらいの入りでした。残念ですね満員御礼ではなくて。
さて、秋を少し感じられるようになった銀座で開催された、この会、演目はこんな感じです。
1.金明竹/市也
池袋と全く同じネタでしたが、スピードがゆっくりでした。
特に道具七品の言い立てが早口にならないのが変でした。
2.厩火事/小満ん
マクラで昔の寄席について話す小満ん師匠。
人形町の末廣が、「落語の世界の歌舞伎座的存在」と呼ばれていたそうで、
でも、そう呼んでいるのは、お席亭だけで、200で満員御礼なのに、
歌舞伎座とは、ちょっと恥ずかしい気がすると言う小満ん師匠でした。
ここから、旦那が寄席に行くと言って出ようとすると、お上さんが焼餅を焼く。
そういう振りになったので、『悋気の独楽』か?と思ったら『厩火事』でした。
小満ん師匠のお崎さんは、非常にスタンダードなお崎さんで、
髪結いの女性らしい気の強さと、お喋りな性格がよく表現されていて、
噺に心が引きこまれて、サゲまで短く感じる一席でした。
3.猫の災難/市馬
熊さんが、ちょっと立派過ぎる市馬師匠の『猫の災難』でした。
4.七段目/市馬
たっぷり丁寧な『七段目』でね、市馬師匠自身が楽しそうで良かったです。
5.明烏/小満ん
黒門町直伝の『明烏』ですね。『厩火事』といい『明烏』といい、文楽師匠の十八番からの二席でした。
そして、吉原の解説が小満ん師匠らしく、丁寧で粋で艶やかで、最高の1席でした。
余韻を感じつつ歩く銀座の夜はふけるのでした。 また行くぞ!小満ん師匠の会。