この二人の組合せは、既に何度か聴いています。
なかなか持ちネタ豊富な二人なので楽しいです。
今回は、こんな感じでした。
 

 

 


・転失気  … 春風亭昇也

・六尺棒  … 三遊亭兼好

・七段目  … 三遊亭遊雀

仲入り

・悋気の独楽 … 三遊亭遊雀

・猫の災難  … 三遊亭兼好
 

 

 

 

 

 

1.転失気/春風亭昇也
元漫才師で、コンビを去年解散して咄家になった子です。
ですから、喋り自身はデキています、開演の挨拶も携帯電話の注意などを混ぜて、
上手に客に注意を喚起しながら、笑いも取っておりました。
妙なクセもなく、落語喋りできているので、少し注目してみようか?と思っています。
元・メロンソーダって漫才師の片割れ、昇也くん!芸協の星に成れるかな?!
稽古に精進して、師匠に負けない芸協の星に成って下さい。
 

 

 


2.六尺棒/三遊亭兼好
マクラでは、二度目の北沢タウンホールだと言っておりました。
偶然だと思うけど、この真夏の暑さが収まって、涼しくなると、
人間、ポックリ亡くなるもんだと、兼好くんも言ってました。
“も”と言うのは、この日の昼に白酒くんも同じことを言ったのです。
特に、古今亭は、呪われたように9月にみんな亡くなりましたからねぇ。

最近は、四季ではなく三季だと言う兼好くん。
暑季と寒季と雨季の三つだと言って、最近は「爽やか」な季節がない!と。
確かに、秋こそ爽やかな季節のはずが、あんまり爽やかじゃないですね。
そう振って、季節だけじゃなく人間も爽やかなキャラが減ったと言う。
これまた、確かにですね。初々しさを兼ねた爽やかキャラが減ってますね。
兼好くんは、王さんのCMで見せる演技が爽やかだったと言ってました。

そして、芸人ですよ。爽やかってのは本とに居ませんネ。
若き日の志ん朝が最後じゃないのか?芸人の爽やか。
そんな話をして、遊雀くんが如何に爽やかから遠いか?といじり倒して、
本題の『六尺棒』へ。 意外と聴きませんよね『六尺棒』
親不孝の若旦那噺で、これを選ぶ人が少ないんでしょうね。

過去5年間で、三回目でした。残る二回は談春でしたね聴いたのは。
やる人はやるのか? でも、これをやるくらいなら『干物箱』や、
この後、遊雀くんがやった『七段目』ですね。
それでも、兼好くんらしくやりました『六尺棒』
最後に、大旦那が締め出しを喰うのが面白いですね。
 

 

 

 

3.七段目/三遊亭遊雀
完全に、前の兼好さんについた根多になりましたが、
太田そのさんが出囃子なので、それでやりたくなったのか?『七段目』
この噺ばかりやるのが居ますよね。遊雀くんはそんなことないけど。
もう、聴くと三回に一回はこれに当たるのが… 名前はあえて言いません。
東西に居ます、一人ずつ、他の噺を稽古しなさい!と言いたくなる。
この二人のおかげで、私は少しだけ『七段目』が嫌いになりました。

さて、話を遊雀くんに戻します。
マクラでは、爽やかなはずないじゃないか!?と返しを入れて、
俺は打ち上げで評判を上げているんだからと、笑いを取った遊雀くん。
芸協は文治襲名、落語協会の方は文菊と志ん陽の真打披露で盛り上がっている。
そう言って、思いついたように、現在の尖閣問題を見ていて、
極東アジアの様子は、東京の落語界と縮図が似ていると言う遊雀くん。

まず、日本が芸協だとすると、落語協会は中国!!
そして、韓国が圓楽党で、北朝鮮が立川流だと言うのです。
上野広小路亭とか日本橋亭辺りが竹島にあたると言って笑いにしてました。
この後、芝居の方も襲名してますね、猿之助!この話に触れて、
芝居と落語の違い、それはお客様の緊張感!!と言ってこれまた受けてましたね。
そんな芝居に話題を持って行って、『七段目』に入りました。

遊雀くんの『七段目』 かなり臭い演出です。
正直、私はあまり好みじゃありません。
かと言って、先の東西のよくやる人みたいに、
芝居をまんまやるのが、この噺でもありません。
その辺りの加減で、演者の技量が測られます。
 

 

 


4.悋気の独楽/三遊亭遊雀
膝変わりは、もう打ち上げモードだったのか?軽く『悋気の独楽』でした。
でも、悪くはありませんよ。ちゃんと真打の芸を見せて下がりました。
それにしても、短かったです。打ち上げの準備だったのか?
 

 

 


5.猫の災難/三遊亭兼好
私は、この兼好くんの『猫の災難』が大好きです。
熊五郎が、徐々に大胆になって、酒を飲むとそれが加速します。
そして、何度か書きましたが、あの壁際に徳利を置いて酒を注ぐ場面が傑作です。
年に1度は聴きたいけど、だいたい3年に2回くらいしか聴けていない、
兼好くんの『猫の災難』です。