このホールに来る時だけ利用する観のある駅です。
また、大江戸線の一番“微妙な”位置にある駅ですネ。
都庁のそばの駅は、大江戸線の環状部分があるので、
左回りに乗るほうがいいのか?右回りにすべきか…
競馬の馬みたいな悩みを感じる部分です。
さて、そんな牛込箪笥ホールでのあやめ師匠の会、こんな感じでした。
1.世間の車窓から/桂三四郎
落語を知らずに入門したという三四郎さん。
ピン芸人としてもレッドカーペットに出たりもしていますから、
喋り自身は、芸暦の割りにしっかりしている印象です。
談笑師匠のところの吉笑くんなんかもそうなんですが、
今時のお笑い芸人風の口調で落語をやる感じです。
新作落語がよく客に伝わる感じはするのですが、
銀瓶くんみたいに、もう少し落語のリズムになると、私は好きです。
2.妙齢女の微妙なところ/桂あやめ
桂花枝でデビューして、もう30年になるんですね。
デビュー当初は、けたたましい印象で、大阪ローカルのTVによく出てました。
そして、小枝師匠の計らいで、あやめを襲名してから、
落語だけでなく、今回も披露した姉様キングスや、
大喜利風のイベントを企画するなど、常置小屋のない関西で、
繁昌亭ができる前の時代に、知恵を出して頑張っていました。
その頃、SM大喜利とかしてましたネ。ダメな答えだと江戸時代の罪人みたいに、
膝の上に石を乗せられるみたいな、過酷な大喜利を。
最近は、30代後半から40代に近い女芸人を集めて、
酒が呑めるライブハウスで、「女芸人 パブナイト」というショーをやっているらしい。
松田聖子と娘・さやかのディオで「三年目の浮気」の替歌を、
♪三度目の結婚くらい多めに見てよ、開き直るその態度が気に入らないのよ!とか、
黒柳徹子と上沼恵美子の、相手の発言を聞かない同士の漫才とかやっているらしい。
一番面白かったのが、COWCOW「あたりまえ体操」のパロディーで、
「あがる前体操」というのをやるらしいです。
・禁酒でけへん!禁酒でけへん!なのに、子宮には筋腫できる!あがる前体操
みたいなのをやるらしいです。そして、この「女芸人 パブナイト」が、
東京にも進出を計画中なんだそうです。行ってみたい!!
◆あたりまえ体操
http://www.youtube.com/watch?v=G0zRBRUQils
さて、本題の新作落語「妙齢女の微妙なところ」
40代後半の主婦3人組が、妙齢女あるあるを語り合う噺です。
同世代の女性には、ドッカン!ドッカン!受けてましたし、
女性でなくても、大笑いするようなネタでした。
3.豊竹屋/林家染雀
あぁ見えて阪大の文学部を出ています。芸が確かなのが分かる一席でした。
文楽、浄瑠璃を語る天才と、口三味線のスペシャリストのコラボは絶品です。
流石、あの染丸師匠の弟子だと思わせる一席で、この後の姉様キングスとのギャップがいいですね。
大爆笑の後に出て、『立ち切れ線香』に向けて、会場を〆るよい役目だったと思います。
4.立ち切れ線香/桂あやめ
先の文枝師匠と親子会で、『立ち切れ線香~小糸編~』を以前からやっていたあやめさん。
この小糸編は、何度か聴いたのですが、『立ち切れ線香』をやるのは初めてでした。
かなりビックリしました。ギャグ、クスグリは抑えて、30分、タップリの『立ち切れ線香』なのです。
特筆すべきは、声の音程と速度、リズム、アクセントの付け方です。
音程は低い方から、番頭、若旦那、置屋の女将、小糸、芸子仲間と分けられて、
興奮しても、男喋りでは早口にならない、女将も抑えてゆっくり喋りました。
そうしておいて、小糸の芸子仲間が来ると、かしましく喋って、一瞬座が明るくなる。
枝雀師匠は、緊張と緩和が笑いを生むとよく言われていましたが、
まさに、そのような緩急が付いたいい一席でした。
そして、30分という『立ち切れ線香』にしてはコンパクトなのも好感です。
5.極道のつる/柳家喬太郎
有名な喬太郎の逸話で、あやめ姉さんの兄弟子・桂きん枝師匠が、
自分の会に、是非、喬太郎に出て欲しいと思って、東京の咄家に疎いきん枝師匠、
てっきり喬太郎は自分よりやや年上だろうと、その髪の毛の白さだけで判断。
出演を喬太郎が快諾したので、あやめさんに「こんど俺の会に喬太郎師匠が出るんだぞ」
と、自慢したら、「アラ、兄さん良かったですね、喬太郎くんが出てくれて…」との返事。
「お前、喬太郎“くん”て、失礼な奴やなぁー」と言うきん枝師匠、あやめさんが、
喬太郎は、ああ見えて、私と同級生で、芸暦はまだ20年そこそこですよ、と、教えたそうです。
よく調べたら、きん枝師匠はさん喬さんより芸暦は長いのでした。
さて、芸暦をマクラで語る喬太郎でした。自分は、まだ20数年だけど、
師匠のさん喬師匠は、芸暦45年。この45年繋がりが2つ在って、
一つは、喬太郎の大好きなウルトラセブン。ウルトラセブンと柳家さん喬は同期なのです。
そして、もう一つが、餃子の王将!! これまた王将と柳家さん喬は同期なのです。
さん喬・王将二人会ってのを開催して欲しいと言う喬太郎!! さん喬・餃子・炒飯・さん喬かよ。
そんなマクラから、『極道のつる』へ。
何度聴いても笑います。寄席でやると会長・小三治に小言を喰らうのか?
鈴本のお席亭も嫌いそうなネタなので、こいう脇で披露して弾ける喬太郎でした。
6.姉様キングス
楽器のチューニングがおかしかったのと、短い15分のステージでした。
是非、また、横浜にぎわい座で、柳亭市馬と歌謡ショーをやって欲しいです。