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夏の定番番組ですね、一龍斎貞水先生を招いての怪談の会。
今回、落語家は入船亭扇遊師匠がゲストでした。
こんな内容で、なかなかタップリの会でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

1.鼎談(貞水・扇遊・貞友)
暑いですねぇーがご挨拶の始まりになるくらい湿度が高く暑い夜でした。
そして、貞友さんの司会で鼎談は、まず映画館なんでね、映画の話題から。
貞友さんは、学生時代、前の文芸座のオールナイトで何本映画が見れるか?!
我慢大会のような映画鑑賞会をやっていたそうです、お弁当持参で映画見てたらしい。

貞水先生は、活動写真からシネマスコープに変わった時の思い出を披露。
画面が横に広いワイド画面に成ったので、前の席に座るとやたら首が痛くなったそうです。
そして、東映の時代劇が全盛期、当時の映画は時代考証ができていたので、
武士の女房は、眉を落としてお歯黒で演じていた。今の女優にはできんだろうと。
そんな妖怪みたいな顔の女に、昔の若い者は、間男したんだという。
なるほど、昔の間男は、結構ストライクゾーンが広いと思いました。

最後に、扇遊師匠は、なんと言ってもモスラ!だそうです。
故郷熱海の海に向かって、ザ・ピーナッツが歌う主題歌を歌ったそうです。
どんな少年だったのか? そして、文芸座深夜寄席に二つ目時代出た思い出も語りました。
当時は、10時-11時半で3人の若手が出て、結構真剣勝負の研鑽の場だったそうです。
また呼んで貰えるようにと、必死で稽古したそうです。
 

 

 

 

2.真柄のお秀/貞友
朝倉氏の戦国時代の豪傑・真柄十郎左衛門(真柄 直隆)のお母さんの噺です。
姉川の戦いで有名な武将で、浮世床の読み立てでも登場します。
コミカルな貞友さんらしい一席でしたが、ちょっとクスグリがピント外れでした。
 

 

 


3.天狗裁き/扇遊
今年は、まだ聴いていなかった『天狗裁き』がここで聴けました。
そして聴きながら、『天狗裁き』の演出を一つ思いついてしまいました。
それは、

「まずは、女房が聞きたがり」   = お崎さん
「次に、隣家の男が聞きたがり」  = 寅さん
「家主までもが聞きたがり」    = 幸兵衛さん
「最後は、奉行までもが聞きたがる」= 南町奉行・大岡越前

つまり、『厩火事』『棒鱈』『小言幸兵衛』『三方一両損』の四席が関係するのです。
まず、夫婦喧嘩する時に、「モロコシだ、猿だとぬかして俺の大事な茶碗を割りやがって、
こんどは見もしねぇー夢を教えろってか? 今度は誰の入れ知恵だ!!
夢占いでも始めたのか? お前は、フロイトか?!!」みたいなクスグリを入れて、
次は、「おめぇーが田舎侍の座敷で、斬りやがれ!このタコ野郎!!イボイボ坊主!!
と、啖呵切って殺されかけたのを助けたのは、誰だ?俺だろう」
「違うよ、寅さんじゃねぇーよ、板前のコショウに助けられたんだよ」と、返してクスグる。
このようにして、『小言幸兵衛』『三方一両損』も、相互に絡んだ部分を入れて、
それぞれの因縁を関係付けると、喧嘩に迫力と妥当性が生まれるように思うのです。
どうでしょうね、こんな感じのクスグリ、あんまりやらないけど、
この噺では、できるように思います。

 

 

 

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4.お岩様誕生/貞水
このような、大仕掛けで立体的に怖がらせる講談をやる貞水先生です。
私は、シンプルな方がすきなんですけどね。客の悲鳴も上がらず、
今回も、先生の熱演がやや空回りでした。