馬桜師匠のライフワークと言っても良い圓朝座です。
第七次ということで、牡丹燈篭をやっています。
その3回目、『お札はがし』なのですが、場所をいつもの日本橋亭から、
ここ圓朝縁の全生庵に移して行われるお盆時期の会に行ってきました。
そして、ゲストも圓朝縁の圓丈師匠でね。結構楽しかったです。
1.夏泥/春風亭朝呂久
今年3回目の朝呂久くんの『夏泥』でした。流石に飽きた。
違うネタできるだろうに、なぜ、夏だからって『夏泥』なのか?
11月には二つ目なのだから、もう少し違うネタも聞いたい朝呂久くんです。
2.牡丹燈篭~ お札はがし ~ /鈴々舎馬桜
圓朝座の夏の会を、ここ全生庵でやるように成って12年目だそうです。
“光陰矢のごとし”だと、しみじみ語る馬桜師匠でした。
牡丹燈篭では、一番有名で芝居でも演じられる怪談部分のお噺です。
飯島の娘・お露が、継母のお国とそりが悪く、下女のお米を連れて別居している。
一方、根津の清水谷に萩原新三郎という若い美男の浪人が住んでいた。
美しい娘が下女と田舎の寮で二人暮し、そこに若い美男が訪れる、牡丹燈篭の発端です。
出会いから間があって、新三郎は二人を出会わせた医師・山本山本志丈から、
お露も、お米も死んでしまっていると聞かされていたが、
そこへ、毎夜毎夜、若い娘のお露、女中のお米の二人が通って来る。
私たちには、新三郎様が亡くなったと知らされていました!
そんな事を二人が言うので、新三郎はこれを信じてしまう。
ある日、新三郎が日に日にやつれていくのを心配した、
人相見の白翁堂勇斎という人が新三郎宅を覗いてみると、
果たして新三郎と語らっているこの二人は骸骨であった。
白翁堂勇斎の助言で新三郎が彼女の住まいだという谷中三崎町をいろいろ調べてみると、
この二人、墓もちゃんとある。しかも、通って来る際に使っていた牡丹の燈篭が置いてある。
つまり、お露とお米は幽霊であったのだ。新三郎のことを恋しくて、お露が通って来る。
夜になると「 カランコロン、カランコロン」という駒下駄の音。
このままだと、新三郎は幽霊に憑り殺されてしまうというので、
白翁堂はお露さんの墓のある新幡随院の和尚に助けを求める。
和尚は寺宝・海音如来の仏像を貸してくれ
「これを肌身離さず、それから魔除けのお札を家中の窓に貼り付けておくように」
と固く言いつけた。
果たして、お露、お米の二人は、お札の為に家に入れない。
そこで萩原家の下男の伴蔵(ともぞう)、お峰夫婦のもとへ幽霊二人が現れ
「どうかお札をはがして下さい」と頼む。
伴蔵夫婦は 最初半信半疑であったが、
女房と相談の上「それじゃ、百両と引き換えにはがしましょう」と、金に目が眩み、
「お札はがし」の約束をしてしまう。
新三郎に身体が汚いと幽霊が取り付くからと騙し、
行水をさせている隙に仏像をすり替え、お札をはがしてしまうのだ。
その夜、新三郎の許へ、二人が現れ、恋しさ余って新三郎を憑り殺す。
こんな展開になるはずですが、伴蔵が「お札はがし」を引き受ける場面までで、
50分を経過したので、ここが切れ場となって、
新三郎が憑り殺される場面は次回へと持ち越しになりました。
ほどよい恐怖の演出で、良かったと思いますが、最後の最後で、
お峰を“お米”と言い間違った馬桜師匠でした。
この間違い、この部分の『牡丹燈篭』でありがちな間違いです。
3.新・牡丹燈篭/三遊亭圓丈
圓朝座では、数年前に『文七元結』をやって、ごめんなさい手拭を配っている圓丈師匠。
最近は、覚えられない!! が、口癖の圓丈師匠ですが、今回はどうだったのか?!
結論から言うと、無限の最終回でやった時より、遥かに良くなっていました。
おそらく、讀賣GINZA落語会で、この『新・牡丹燈篭』をやる予定なので、
相当稽古しているんでしょうねぇー ル・テアトル銀座ではしくじれないのでね。
さて、そんな圓丈師匠いきなり、「昨日のプークでの会が客が入らず淋しかった!!」
と、言って15人しか入らないとは、プロとして情け無いと言っておりました。
「金メダルが取れない!なんて、悩みのうちに入らない!」と、ぼやいてました。
そして、自身の新作落語に圓朝師匠が登場する落語がある!と言い出す圓丈師匠。
その噺は、何でも鈴本、末広、池袋、浅草の四軒の寄席が、
ある日、ブラックホールに吸い込まれて消滅の危機に立たされる。
それでもゴキブリ並に生命力が強い川柳師匠はガーコンパワーで、
ブラックホールに吸い込まれても、それに逆らって出て来てしまう。
そして最後に、圓朝師匠が登場して、寄席を吸い込んだ訳を話すのだった。
これは4年前の作品で、馬風師匠が会長だった時代のネタで、
圓朝師匠は、落語協会の会長に成りながら、圓朝作品を一切高座でやらないので、
その態度に怒って、寄席をブラックホールで吸い込んでいたんですねぇー
まぁ、馬風師匠は、圓朝ネタぬんぬんの前に、落語をやりませんからねぇー
ちばみに、『寄席沈没』って作品。ワザオキで売り出す話もあったらしいです。
馬風師匠に殴られたら洒落にならないので、CDにはしなかったそうです。
ここから、今、新作落語『白波五人男』を作っている話へ。
今日来ているみなさんに、落語で『白波五人男』を聞いた人!!
と、手を上げさせる圓丈師匠。なんと!一人のオバサンが手を上げる。
圓丈師匠が、「誰のを聞いたの?」と訊ねると、そのオバサン「歌舞伎で観ました」
と、ピント外れの答えを返して、会場が爆笑となり受けてしまう。
よく聞いて下さい!オバ様、「落語で『白波五人男』です、歌舞伎は私も観ています」
ここで、思ったのは、圓丈師匠は芸協の三代目・圓右師匠作『白波五人男』は知らないの?って、ことである。
この作品、圓右師匠の弟子は何人かやります、寿輔で聴いた記憶がある。くだらないネタですが…
まぁ、圓生師匠が芸協をボロくそに言ってたんで、圓丈師匠も聴いてないんだろうなぁー
この圓丈作『白波五人男』は、国立演芸場で公開予定の作品で、私も聴きに行く予定です。
少しだけネタばらししてくれたのは、浜松屋の場を、浜松ショッピングモールでの噺になるようです。
そして、南郷力丸は、力丸子ちゃんで登場するということだけが、分かっております。
日本左衛門は、始終カメラをいじっている“ニコン左衛門”になるそうです。
この後、自身のボケ具合を象徴するエピソードとして、
コンビニでのやり取りを上げて、店員に「160円です!」と言われたのに、
50円と5円を間違えて、115円出して、店員が「160円です!」を、
更に3回言わないと、自身の間違えに気付かなかったそうで、
かなり自己嫌悪だったと言っておりました。
更に、カレー専門店でコートでカレーを掬った話をし、
超能力者の悪口を「透視」と「サイコキネッシス」について語りました。
まず、誘拐や殺人現場の透視は必ずありふれた光景ばかりを口にする。
そして、サイコキネッシスで動かす物は非常にセコイ!!
そんなの手で動かせる!! 箱根の山を10mくらい動かしてみろ!!
圓丈節炸裂しまくりのハイテンションから『新・牡丹燈篭』へ。
『新・牡丹燈篭』何が凄かったって、途中で、圓朝師匠の霊がいたずらしたんです。
主人公の母親が、幽霊の秘密について語りだす場面で、空調が突然止まって、
そして、止まっただけでなく、幽霊が再登場する場面で、空調が突然動き出したんです。
流石の圓丈師匠が、「冗談はやめてください、圓朝師匠。恐いじゃありませんか?!」
と、アドリブを飛ばすくらい絶妙のタイミングでした。
この空調の切り、入りだけでも、この『新・牡丹燈篭』は価値ありました。
4.トークコーナー/馬桜&圓丈
最後に、終焉時間まで15分くらいあったので、馬桜&圓丈でトークがありました。
まず、馬桜からも圓右師匠作『白波五人男』が在りますよって話が出ました。
圓丈師匠、まったく知らなかったみたいで、そうなの?っと少し困惑していました。
その後、『文七元結』で1回しくじり、リベンジでもう1回やった話へ。
それが凄いできで、“参ったか?!”手拭を作りたいと思ったらしいです、圓丈師匠。
そして、前座1年ちょっとの頃、初めての夏に師匠圓生から、
「今から、全生庵に圓朝師匠の法要に行くから、お前もお伴しなさい」と言われたけど、
それを前座の身分で断ったそうで、圓生師匠はあきれて一人で行ったそうです。
その時の恨みを、今日圓朝師匠に返されたかなぁ?と、圓丈師匠の弁。
馬桜師匠「俺は恐くて、そんなの談志師匠にはできなかったなぁー」と苦笑いでした。
この後、圓丈師匠が圓生問題を熱く語ったが、生臭い話過ぎたので省略します。
第七次ということで、牡丹燈篭をやっています。
その3回目、『お札はがし』なのですが、場所をいつもの日本橋亭から、
ここ圓朝縁の全生庵に移して行われるお盆時期の会に行ってきました。
そして、ゲストも圓朝縁の圓丈師匠でね。結構楽しかったです。
1.夏泥/春風亭朝呂久
今年3回目の朝呂久くんの『夏泥』でした。流石に飽きた。
違うネタできるだろうに、なぜ、夏だからって『夏泥』なのか?
11月には二つ目なのだから、もう少し違うネタも聞いたい朝呂久くんです。
2.牡丹燈篭~ お札はがし ~ /鈴々舎馬桜
圓朝座の夏の会を、ここ全生庵でやるように成って12年目だそうです。
“光陰矢のごとし”だと、しみじみ語る馬桜師匠でした。
牡丹燈篭では、一番有名で芝居でも演じられる怪談部分のお噺です。
飯島の娘・お露が、継母のお国とそりが悪く、下女のお米を連れて別居している。
一方、根津の清水谷に萩原新三郎という若い美男の浪人が住んでいた。
美しい娘が下女と田舎の寮で二人暮し、そこに若い美男が訪れる、牡丹燈篭の発端です。
出会いから間があって、新三郎は二人を出会わせた医師・山本山本志丈から、
お露も、お米も死んでしまっていると聞かされていたが、
そこへ、毎夜毎夜、若い娘のお露、女中のお米の二人が通って来る。
私たちには、新三郎様が亡くなったと知らされていました!
そんな事を二人が言うので、新三郎はこれを信じてしまう。
ある日、新三郎が日に日にやつれていくのを心配した、
人相見の白翁堂勇斎という人が新三郎宅を覗いてみると、
果たして新三郎と語らっているこの二人は骸骨であった。
白翁堂勇斎の助言で新三郎が彼女の住まいだという谷中三崎町をいろいろ調べてみると、
この二人、墓もちゃんとある。しかも、通って来る際に使っていた牡丹の燈篭が置いてある。
つまり、お露とお米は幽霊であったのだ。新三郎のことを恋しくて、お露が通って来る。
夜になると「 カランコロン、カランコロン」という駒下駄の音。
このままだと、新三郎は幽霊に憑り殺されてしまうというので、
白翁堂はお露さんの墓のある新幡随院の和尚に助けを求める。
和尚は寺宝・海音如来の仏像を貸してくれ
「これを肌身離さず、それから魔除けのお札を家中の窓に貼り付けておくように」
と固く言いつけた。
果たして、お露、お米の二人は、お札の為に家に入れない。
そこで萩原家の下男の伴蔵(ともぞう)、お峰夫婦のもとへ幽霊二人が現れ
「どうかお札をはがして下さい」と頼む。
伴蔵夫婦は 最初半信半疑であったが、
女房と相談の上「それじゃ、百両と引き換えにはがしましょう」と、金に目が眩み、
「お札はがし」の約束をしてしまう。
新三郎に身体が汚いと幽霊が取り付くからと騙し、
行水をさせている隙に仏像をすり替え、お札をはがしてしまうのだ。
その夜、新三郎の許へ、二人が現れ、恋しさ余って新三郎を憑り殺す。
こんな展開になるはずですが、伴蔵が「お札はがし」を引き受ける場面までで、
50分を経過したので、ここが切れ場となって、
新三郎が憑り殺される場面は次回へと持ち越しになりました。
ほどよい恐怖の演出で、良かったと思いますが、最後の最後で、
お峰を“お米”と言い間違った馬桜師匠でした。
この間違い、この部分の『牡丹燈篭』でありがちな間違いです。
3.新・牡丹燈篭/三遊亭圓丈
圓朝座では、数年前に『文七元結』をやって、ごめんなさい手拭を配っている圓丈師匠。
最近は、覚えられない!! が、口癖の圓丈師匠ですが、今回はどうだったのか?!
結論から言うと、無限の最終回でやった時より、遥かに良くなっていました。
おそらく、讀賣GINZA落語会で、この『新・牡丹燈篭』をやる予定なので、
相当稽古しているんでしょうねぇー ル・テアトル銀座ではしくじれないのでね。
さて、そんな圓丈師匠いきなり、「昨日のプークでの会が客が入らず淋しかった!!」
と、言って15人しか入らないとは、プロとして情け無いと言っておりました。
「金メダルが取れない!なんて、悩みのうちに入らない!」と、ぼやいてました。
そして、自身の新作落語に圓朝師匠が登場する落語がある!と言い出す圓丈師匠。
その噺は、何でも鈴本、末広、池袋、浅草の四軒の寄席が、
ある日、ブラックホールに吸い込まれて消滅の危機に立たされる。
それでもゴキブリ並に生命力が強い川柳師匠はガーコンパワーで、
ブラックホールに吸い込まれても、それに逆らって出て来てしまう。
そして最後に、圓朝師匠が登場して、寄席を吸い込んだ訳を話すのだった。
これは4年前の作品で、馬風師匠が会長だった時代のネタで、
圓朝師匠は、落語協会の会長に成りながら、圓朝作品を一切高座でやらないので、
その態度に怒って、寄席をブラックホールで吸い込んでいたんですねぇー
まぁ、馬風師匠は、圓朝ネタぬんぬんの前に、落語をやりませんからねぇー
ちばみに、『寄席沈没』って作品。ワザオキで売り出す話もあったらしいです。
馬風師匠に殴られたら洒落にならないので、CDにはしなかったそうです。
ここから、今、新作落語『白波五人男』を作っている話へ。
今日来ているみなさんに、落語で『白波五人男』を聞いた人!!
と、手を上げさせる圓丈師匠。なんと!一人のオバサンが手を上げる。
圓丈師匠が、「誰のを聞いたの?」と訊ねると、そのオバサン「歌舞伎で観ました」
と、ピント外れの答えを返して、会場が爆笑となり受けてしまう。
よく聞いて下さい!オバ様、「落語で『白波五人男』です、歌舞伎は私も観ています」
ここで、思ったのは、圓丈師匠は芸協の三代目・圓右師匠作『白波五人男』は知らないの?って、ことである。
この作品、圓右師匠の弟子は何人かやります、寿輔で聴いた記憶がある。くだらないネタですが…
まぁ、圓生師匠が芸協をボロくそに言ってたんで、圓丈師匠も聴いてないんだろうなぁー
この圓丈作『白波五人男』は、国立演芸場で公開予定の作品で、私も聴きに行く予定です。
少しだけネタばらししてくれたのは、浜松屋の場を、浜松ショッピングモールでの噺になるようです。
そして、南郷力丸は、力丸子ちゃんで登場するということだけが、分かっております。
日本左衛門は、始終カメラをいじっている“ニコン左衛門”になるそうです。
この後、自身のボケ具合を象徴するエピソードとして、
コンビニでのやり取りを上げて、店員に「160円です!」と言われたのに、
50円と5円を間違えて、115円出して、店員が「160円です!」を、
更に3回言わないと、自身の間違えに気付かなかったそうで、
かなり自己嫌悪だったと言っておりました。
更に、カレー専門店でコートでカレーを掬った話をし、
超能力者の悪口を「透視」と「サイコキネッシス」について語りました。
まず、誘拐や殺人現場の透視は必ずありふれた光景ばかりを口にする。
そして、サイコキネッシスで動かす物は非常にセコイ!!
そんなの手で動かせる!! 箱根の山を10mくらい動かしてみろ!!
圓丈節炸裂しまくりのハイテンションから『新・牡丹燈篭』へ。
『新・牡丹燈篭』何が凄かったって、途中で、圓朝師匠の霊がいたずらしたんです。
主人公の母親が、幽霊の秘密について語りだす場面で、空調が突然止まって、
そして、止まっただけでなく、幽霊が再登場する場面で、空調が突然動き出したんです。
流石の圓丈師匠が、「冗談はやめてください、圓朝師匠。恐いじゃありませんか?!」
と、アドリブを飛ばすくらい絶妙のタイミングでした。
この空調の切り、入りだけでも、この『新・牡丹燈篭』は価値ありました。
4.トークコーナー/馬桜&圓丈
最後に、終焉時間まで15分くらいあったので、馬桜&圓丈でトークがありました。
まず、馬桜からも圓右師匠作『白波五人男』が在りますよって話が出ました。
圓丈師匠、まったく知らなかったみたいで、そうなの?っと少し困惑していました。
その後、『文七元結』で1回しくじり、リベンジでもう1回やった話へ。
それが凄いできで、“参ったか?!”手拭を作りたいと思ったらしいです、圓丈師匠。
そして、前座1年ちょっとの頃、初めての夏に師匠圓生から、
「今から、全生庵に圓朝師匠の法要に行くから、お前もお伴しなさい」と言われたけど、
それを前座の身分で断ったそうで、圓生師匠はあきれて一人で行ったそうです。
その時の恨みを、今日圓朝師匠に返されたかなぁ?と、圓丈師匠の弁。
馬桜師匠「俺は恐くて、そんなの談志師匠にはできなかったなぁー」と苦笑いでした。
この後、圓丈師匠が圓生問題を熱く語ったが、生臭い話過ぎたので省略します。