談春師の独演会は、久しぶりです。談春師のフリートークも、らくごカフェのあれ以来かな?とある談春ウォッチャーから、「今年になって、長くダラダラやる高座が少なくなった」と聞いて、このシリーズは、一年聴いてみるか?!と、思っています。
そんな、久しぶりに帰ってきた横浜にぎわい座の談春独演会!!こんな内容でした。
1.ろくろっ首
マクラで、ホームグランドに帰ってきた気分だと久しぶりのにぎわい座を噛みしめる談春師。玉置館長時代の思い出なども語り、
横浜にぎわい座がオープンした当時は、談志、志の輔、志らく、談春と、立川一色だった懐かしい話をしました。
あえて、短くマクラを終えて、『ろくろっ首』へ。談春師匠の与太郎は、談志・志らくよりもフラが濃く出ていて好き。
談志師匠や志らく師匠のは、与太郎という人物のイメージを描いて演じてみせますが、談春師匠のは、談春師自身の中の与太郎が飛び出して来ます。
時にピュアであり、時に乱暴な与太郎です。フラが利いていて、演じている感が少なく何が飛び出して来るか?ワクワクします。
2.お化け長屋
冒頭、少しだけ昇太結婚に触れる談春師匠。結婚、祝いの『ろくろっ首』だったのか?続いて『お化け長屋』まさに、小三治的なネタが並ぶ。
余計な説明を省き、杢兵衛さんの怪談が冴えます。後半の畳み掛ける感じが、もっと利いていても良いか?と感じましたが、笑いタップリで私は好きです。
3.真景累ヶ淵「豊志賀の死」
根津の七軒町に…と、淡々とやるのではなく、少し柔らかく入ろうとする談春さん。
美人が、男嫌いを公言してバリアーを張ると、男は寄って来ると言う話は真理だと思いますが、この『豊志賀』との絡め方が雑過ぎる。
結局、シリアスに聞かせるつもりなら、そのように演出して、緊張を緩和する意味での笑いは、周到に計算して入れた方がよい。
ただ、昔から思うのだが、人情噺ができるのと、怪談は別もので、談春さんはニンに無いとまでは言わないが、コツや間合いが出来ていない。
恐怖で押すなら押せば良いのに、なんだろう?人間が優しいからか?日頃見せている自分より弱い奴を、真綿で締めるように、いたぶる技が怪談では、出て来ない!!
今日の展開なら、最後は『豊志賀』ではなく、『へっつい幽霊』が聴きたいと思った私でした。
次回は、八月十七日・土曜日に二回公演です。