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年に2回、この企画がにぎわい座でも開催されています。
もうお馴染みですね、柳家喜多八・三遊亭歌武蔵・柳家喬太郎の落語ユニット。
今回は、こんな感じの演目が並びました。

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1.コント
縁台将棋を喜多八と歌武蔵が囲んでいます。
えっ?喬太郎とじゃないの?が最初の印象です。
ご通過でもありましょうが、このコント喜多八師匠は喋らないはずなのです。
なのに・・・基本喋らないのですが、意味不明の発音を繰り返し、
歌武蔵がそれを通訳するようなやり取りでコントを進行します。

理由は、喬太郎が浅草で昼トリを取ってから駆けつけるので、
喜多八と歌武蔵で繋いでいたのです。歌武蔵師匠大熱演ですよね。
「昼トリなんて休めよ! 殿下は上野のトリ休んで来てるのに・・・」
ブツブツ言いながらも、繋ぐイジリで殿下を転がす歌武蔵師匠。

可笑しかったのが、浴衣姿で縁台将棋しているのに、
喜多八師匠がステテコをはいていない!! ???
なんと!この人、ステテコを首に巻いているのでした。
「お客さんから、見えるから!!」と歌武蔵に言われて、
高座の影に隠れて、ステテコをステージ履く喜多八師匠。
そんなやり取りの中、喬太郎が到着。客席の後ろから入場しました。
そして、お決まりの「携帯電話・アラーム付腕時計」へのご注意を言って始まりました。
 

 

 


2.猿後家/古今亭菊六
マクラで、この落語教育委員会に出る二つ目は、あのコントで荒れた客席の空気を、
古典の雰囲気にするのが、一番の使命でございますと、言いながら客を古典落語の世界へ。
ちょうどいい雰囲気に成りかかったところで、途中入場して来たオジサンが、
カラの空缶を蹴っ飛ばして“ガンガラカンカン!”と、けたたましい音を出して興醒め。
菊六くん、「これが落語教育委員会名物、二つ目への洗礼です」と言って笑いにしました。

さて、菊六くんの『猿後家』ですが、志の輔がやる型よりも関西のオリジナルに忠実です。
だけど、百日紅でしくじった植木屋さんは、柿木に登って渋柿をかじってろ!と啖呵切るより、
志の輔がやるみたいに、おにぎりでも食っていろ!!の方が、皮肉に聴こえて良い。
仕立て屋の多兵衛も出てこない短いバージョンの『猿後家』でした。
 

 

 


3.千両みかん/柳家喜多八
マクラで、暑いのは苦手だ!と言う話から、子供時代は夏休みが待ち遠しく、
従兄弟が小田原に居て、小田原の御幸ヶ浜で海水浴した話をしました。
喜多八師匠の幼少時代は、毛糸の海水パンツだったという話から、
ラムネ、昔のラムネは炭酸が強くて、泡が鼻に抜けたなんてことを話して、
そこから『千両みかん』へ

久しぶりに聞きました、喜多八師匠の『千両みかん』
若旦那のか弱い感じが、喜多八師匠らしい表現でね。
この若旦那だから、みかんに恋焦がれて患うに違いないと思います。
オカマまではいきませんが、オネエ系、宝塚系の若旦那です。
 

 

 


4.孫帰る/柳家喬太郎
マクラからテンションが凄く高かった喬太郎でした。
太っていると夏は、嫌だ!!と言っておりました。
そして、この日は隅田川の花火大会で、浅草から横浜に来る途中、
たくさんの若者が、男女連れ立って三々五々隅田川周辺に集まっている。
これを目撃した喬太郎は、本当に不機嫌になると熱弁を振るいだしました。

若者の着物の着方にまず、クレーム。
女の子は悪代官に手ごめにされたように着崩れて、
どうかしたら、尻っ端折て歩いている女性が居ます。
しかも、キャリーバックをゴロゴロいわせて。

一方、男性はパンツは腰ではくくせして、
浴衣の帯は位置が胸まで上がっているバカボン調。
帯はうまく結べない状態で、ほつれかかった状態です。
そして、履物がビーサンだったり、クロックスだったりなんですよ。
下駄か、雪駄を履け!!

そんなカップルが、また、花火の下でバカ丸出しの話をする。
「スゲー!まじ、スゲー! 音もスゲー!」
「超ー受ける、可愛い、超・超・かっこよく ない?」

花火 三尺玉も、こんな感想・掛け声を受けるつもりで生まれて来たんじゃない!!
花火は、蝉と同じだと言う、喬太郎。作っている過程が長く、上がると一瞬で終わる。
だから、まるで蝉であると言うのです。蝉も幼虫で7年とか長い奴は13年も土に居ます。
それが成虫になってようやく外界に飛び出すと、わずか1週間で死んでしまう。
花火は、本来、“たまや!” “鍵や!”と、掛け声を貰う為に、長い製造過程を経ているのであって、
決して、スゲーとか、超!可愛いとか、受けるとか言われる為じゃない!!と熱弁を揮う喬太郎。
ここから、話がどんどん脱線します。

USの映画「バットマン」試写会での、無差別乱射事件に話題が移りました。
そして、テロや無差別殺人が怖いから、五輪なんてロンドンまで見に行くな!と言う喬太郎。
その点、寄席は安全だと言うのです。アルカイダは寄席には来ないと言うのです、当然です。
寄席で、客の自爆テロなんて聞きません。でも、芸人は時々舞台で自爆します。
ここで、少し受けて、話は更に脱線して行きます。

先の花火の話中、原因不明ですが、舞台証明が一瞬明るく輝いて、チカチカしたのです。
「アッ!超常現象、霊の仕業だ!」と、異常に恐がる喬太郎。
更に、テロの話中にも、二回目の同じく強く輝いた後に、チカチカが再発した。
もう、恐くて喋れなくなる喬太郎を見て、なぜか冷静に客席は笑っておりました。

霊さん!私の落語中はもうチカチカするのやめて!と懇願し出す喬太郎。
この会は、無事に終わらせてください。来月の風間杜夫の会はいいけれど・・・
何てことをいいつつ、話題は、なぜか歌の「おおい 中村くん」へ
大熱唱しました、「おおい 中村くん」

◇「おおい 中村くん」
http://www.youtube.com/watch?v=vEFi2bit08c

この中村くんは、新婚で会社で同期の“自分”が酒に誘っても、
なかなか一緒に飲んでくれません、そんな歌なのですが・・・

この“私”結構変なやつで、新婚で奥さんの元へ帰りたくて仕方ない中村くんを、
なぜか?昔馴染みの店に、そこの看板娘をダシにして誘おうとするのです。
しかも、最後の奥の手は、俺が悪者になり奥さんに謝ってやるから飲もう!と誘います。
この中村くん、男なのにそれほどまでの魅力がある飲み仲間って、どんな奴なんでしょうか?
そんな風に、この歌詞の矛盾を突き捲くる喬太郎でした。

そしてそして、ようやく『孫帰る』へ
この噺、最初は爆笑なのですが、最後はしみんり終わるので、
マクラとの落差で、会場がシーーーーーーンとなりました。
 

 

 


5.お菊の皿/三遊亭歌武蔵
「おおい 中村くん」と『孫帰る』の後で、すごくやりにくそうでした。
それでも、得意の『お菊の皿』を大熱演。生で観るのは二回目で、
今回の方が下座のえりちゃんとの息もぴったりでした。
自虐的なデブの幽霊に大笑いしました。
なぜか、最近、菖蒲園さんが紹介したネタを観る機会が多いと思いま
す。