志の輔/談春/志らくが出ていた頃は、必ず来ていました。
志の輔が出なくなり、談春もやらなく成って、会員登録の更新を止めました。
久しぶりに、ここの会員の友人から、チケットを取って頂いて訪問しました。
昼2時からの会なので、三鷹の蕎麦屋も、久しぶりに訪問して、
焼き味噌や煮こごりなど、蕎麦屋らしいツマミで一杯やって、
会場に入りました。改装直後に行ったのが最後だったかな?
そうそう、こんな感じだったと、天上や壁を懐かしく眺めました。
そして、会場に来ているお客さんの中にも、見知った顔が…
そんな懐かしい三鷹の白酒・兼好二人会、こんな番組でした。
1.子ほめ/一力
高座返しで呼ばれたというよりも、おそらく太鼓が上手なんで声が掛かる一力さんです。
彼の『子ほめ』は、今年二回目、しかも、先週の山野楽器で聴いたばかりでした。
太鼓だけでなく、落語も一朝師匠仕込みで、上手くなりそうな予感の一力くんです。
2.馬の田楽/白酒
出囃子が、“ふるさと”でした。“ふるさと”ったって五木ひろしじゃありませんよ。
同様の「ウサギが美味しい」故郷の方です。(結果、兎は美味しく食べられる訳で…)
なぜ、こんな曲をチョイスしたのか?と言うと、週末、テレ東の「ソロモン流」に
談春師が出ていて、お客は女性限定の落語会で、その客からの質問
「師匠は、どういう気持ちで落語を客に伝えようと思っているんですか?」
に、対して、談春がちょっとキザに「俺を愛してくれぇ!! って感じかな?」
と、答えたのを取り上げて、白酒くんが毒を吐く!吐く! 吐き捲る。
よくもまぁー あの程度の顔で言えるよなぁ、から始まりまして、
確かに、咄家の中では、まぁ、マシな部類だろうけど、
一般市民に入ると、その程度の外見(みてくれ)で、
そこまでキザなセリフを吐く奴はいないと言わんばかりで、
これには、お囃子のえりチャンも賛同していたと、恩田えり師匠も巻き込んでおりました。
そして、楽屋でそんな談春の「ソロモン流」で盛り上がったので、
「えりチャン、最初の出囃子は、『俺を愛してくれ!』みたいなのを、
頼むから一発カメシてくれ!」と、言うと、えりチャンの選曲は、
この“ふるさと”だったんだそうです。 えりチャンらしい間性です。
そんなマクラから、田舎の言葉は何を言っているのか?
理解できないくらい訛った方言があるという話から、『馬の田楽』へ。
田舎言葉の面白さで、落語らしい展開なのですが、
小三治師匠のような、田舎の情景が浮かんで来るような、
牧歌的な魅力は、湧いて来ませんでしたね。
人、それぞれの味が有っていい落語なのですが、
この噺は、小三治師が見せるような、田舎へのノスタルジーが私は欲しいです。
おそらく、自分自身が年寄に近付いている証拠なんだろうと思います。
3.お化け長屋/兼好
マクラでは、夏はよく水族館に行くという兼好師匠です。
動物園は、動物がクッタリしてやる気なさげなのが嫌やなんだそうです。
確かに、動物園の動物は、夏は極端に動かないので見てもつまらんですね。
以前、横浜ズーラシアに真夏に行って、ゴリゴリした経験ありです。
兼好さんは、アザラシを観ていて、そうだ!白酒師匠と二人会だ、
と、思い出したと言って笑わせておりました。似てますネ、アザラシと白酒師匠。
そこから、『お化け長屋』へ
珍しく、長屋の全員で、職人風の江戸っ子を幽霊騒ぎを起こして、
これを追い出すところまで、最後までやりました。
私は、生で最後まで『お化け長屋』をやるのを聴いたのは、
この兼好さんと、志らくだけです。
だいたい、職人風の江戸っ子を杢兵衛さんが追い出せずの場面で終わります。
兼好さんの『お化け長屋』は、楽しくて本人も楽しいだろうというのが伝わるのですが、
二番目にやってくる職人風の江戸っ子が、もう少し乱暴者に描ければと思います。
かなりいいんですけどね、画竜点睛を欠くとまでは言いませんが、惜しい気がします。
4.風呂敷/兼好
兼好さんに合っている噺だと思います。
ただ、「おでんに履を納れず」は、三遊亭であっても「おでん屋が食い逃げを警戒するだろう」と、
志ん生を踏襲して欲しいです。また、「直に冠を被らず」もやって欲しいです。
そうは、言うけど、「君子」を“キミコ”と言うのは、兼好流で面白いです。
「キミコ豹変すだ」
「あんた!それどういう意味?」
「キミコは、突然、豹柄を着たりするんだよ!!」
兼好さんらしいクスグリで、クスッと笑えました。
この君子シリーズに、是非、伊達君子ネタを加えて欲しいです。
5.笠碁/白酒
今年、白酒の『笠碁』は、これで四回目です。
いいかげん、梅雨は明けたんで、違う根多が聴きたかったです。
根多までもが、戻り梅雨になった、三鷹の二人会です
。