これを我慢して、青山一丁目から戸塚へと移動!!
電車とバスでちょうど1時間半掛けて“あーとすぺーす風”で開催の、
柳家小せん独演会の夜の部に間に合いました。15:10に草月ホールを出て、
16:40にあーとすぺーす風到着でした。凄い坂道で汗まみれでの到着でした。
そして、そんな思いまでして行った甲斐がありました。
・野晒し … 小せん
・景清 … 小せん
仲入り
・井戸の茶碗 … 小せん
1.野晒し/小せん
凄く豪華な三席の訳は、7月の鈴本の中席(11-20)夜の部を小せんくんが主任なので、
それで、トリに掛ける大ネタをさらっておきたくて、この日は全部大ネタ六席だった。
この日の昼の部では、『たがや』『殿様の盃』『蒟蒻問答』をやっています。
さて、『野晒し』最後までやりました。ただし、“タイコ落ち”ではなく“夜鷹落ち”でした。
タイコで落とすには、前に説明が必要で、現代人には共感をえにくいので、夜鷹だったのか?
それはさておき、釣りの仕草がカッコイイ小せんくんです。
そしてそして、何よりサイサイ節が美声で聴かせます。かなり上手です。
無理に、サゲまで要る?って気もしますね。針なしで釣り出した所でサゲてもいい感じです。
2.景清/小せん
珍しい噺ですね。私はこの噺、米朝、枝雀、談春、そして菊乃丞で聴いています。
上方落語よりも、人情噺的ですよね。私はどうも江戸の『景清』は中途半端に感じるのです。
人情噺でやるならば、壷坂風にオチにしては?と思いますね。
定次郎が満願の日に目が開かず、谷底へ飛び降りて、
それを気取った女房が後を付けて、死に切れなかった定次郎の目が開くみたいな展開にしては?と。
小せんくんのも、人情噺っぽい感じではあるけど、泣かせるまでは至らないのですね。
3.井戸の茶碗/小せん
今年は、『井戸の茶碗』の当たり年です。
小せんくんのは、非常に丁寧にやってくれます。
最初の50両での、高木と千代田の間を行ったり来たりが、
三回あって、最後に双方が刀を抜く!ここを1回で端折らず、
「300紋で50両は買えぬ」
「先祖様が残したものだから施しではない」
「千代田さん本人はよかろうが、娘が可哀想」
それぞれ、戻る度に高木の意見に「なるほど!?」となる清兵衛さん。
また、首実験から茶碗を代わりに出すまでは、
客に短くまとめて、無駄のない構成で進み、
最後のサゲに向かうお殿様が300両で茶碗を買い上げ、
この半分を千代田家へ持って行って、娘を嫁に貰うまでが、
丁寧すぎず、早くないちょうどよい加減の『井戸の茶碗』でした。
なかなか、良かったと思います。
さて、この日は、この後、主催者と小せんくんと一杯やって反省会。
落語談義に花が咲きました。