年に4回/四季に合わせて開催される白酒・甚語楼の会。
師匠は、雲助と権太楼と違いますが、早稲田の落研同級生同士の会です。
見た目や芸は、かなりタイプが違う二人ではありますが、
根底にある落語への思いとか、芸への探究心は似ている気がします。
さて、今回は初夏に向けてこんな根多を披露してくれました。
・ラブレター … 柳家いっぽん
・無精床 … 柳家甚語楼
・厩火事 … 桃月庵白酒
仲入り
・万病円 … 桃月庵白酒
・船徳 … 柳家甚語楼
1・ラブレター/柳家いっぽん
蛍光色でない普通の黒の着物を着たいっぽんくんを初めてみました。
蛍光の黄色とか、オレンジの着物を着ているとデブが強調されますが、
この黒の着物なら、普通のデブに見えるじゃありませんか!?
さて、本題の芸の方ですが、この『ラブレター』は、中野小劇場で、
小せんくんの会の開口一番で聴いたのと同じ根多。
どの程度上手くなっているのか?と、興味津々で聴いていたのですが…
殆ど進化も成長も感じられません。寧ろ、ややダメだったかも?
原因は、本人も言っている上がり症? 出だしがタドタドし過ぎました。
最後は、早く終わりたかったのか?駆け足でサゲへ。
いっぽんくん!人の字を書いて飲み込みましょう。
2.無精床/柳家甚語楼
マクラでは、甚語楼くんの会は、非常によく携帯電話が鳴るって噺からスタートしました。
なぜ、なんだろう?毎月開催しているわけでもなく、年に3回程度なのに…
落語家主催の会なんだから、脇や寄席と違って「落語を聴きに行くぞ!」という、
比較的マナーもレベルも高いお客さんが集まって下さっているのに、なぜだ!?
と、以前から疑問に思っていたそうです。 それが、やっと答えがみつかったという甚語楼。
その理由とは、自分の会には必ずご両親を呼ぶんだそうです。
確かに、甚語楼くんと瓜二つのお母様を見掛けた事があります。
甚語楼が女性の着物を着ているぞ! あれ?カツラ?と思ったぐらいです。
そんな両親が、友人を必ず連れていらっしゃるんだそうです。
そうです、この両親の友人が携帯電話を鳴らすのです。
殆ど、落語なんて興味のない友人。上尾から東京に御登りさん状態で来ます。
甚語楼くんを、「甚語楼師匠」とは呼びません。 「おがしわ(小柏)さん」とか、
「はじめ君」とか呼ぶような、実家のご近所に住んでいる方々なのです。
つまり、浅草演芸ホールの客と何ら変わらない方々が鳴らすのです。
この「携帯電話はなぜ鳴るのか?」の考察と分析、なかなか興味深い話でした。
そんな話から、若い頃:まだ二つ目の“さん光”だった時代ですね。
ある町で、町おこしの落語会をやる事になり、さん光さんを呼んで、
3~4ヶ月に一度独演会を開いてくれていたそうです。
まだまだ仕事のない二つ目時代だったので、嬉しくて気合を入れてやっていたら、
それが4回で突然終わりに成ったそうです。 何か悪い事をしたかと思い悩んでいたら、
何のことはない、この町おこしには、2つの町内が連盟で主催者に成っていたのだが、
どちらの町会長が落語会の主催者になるかで、モメて結果落語会自身が無くなったのだ。
しかも、双方の町会長が、私がなりたい!って喧嘩したんじゃなく、
「お前が成れ!」「いや、お前だ!」と、押し付け合って揉めたんだそうな。
実に悔しい思いをしたと、語る甚語楼くんでした。
もう一つ、二つ目時代の落語会で残念な思いをしたのが、
某有名な落語会の主催者に、甚語楼くんは可愛がられていて、
その落語会にもちょくちょく呼ばれていたそうです。
そんなある日、「そろそろ、お前の冠の落語会を俺がやらせてやろう」と言って、
新聞社に口をきいてもらって、某有名落語会の姉妹会みたいな位置付けで、
甚語楼の会をやる企画がほぼ決まりかけていたのに、新聞社側の都合でボツになったんだそうです。
すると、その落語会の主催者の人が、「あんだけ俺がやってやると言ってできなかったから」と、
それ以降、某有名落語会の方にも甚語楼くんは呼ばれなくなってしまったそうです。
何んの悪いことも、しくじりをしたわけでもないのに、損した気分になったと言っておりました。
そんな話から、『無精床』へ入りました。
実は、甚語楼の『無精床』は、二回目でして、昨年、権太楼の『百年目』を鈴本に聴きに言った時、
甚語楼も顔付けされていて、浅い出番で、この『無精床』をやりました。
その時は、寄席だったので、極短いバージョンでしたが、この日はその時よりはタップリでした。
まぁ、タップリと言っても所詮『無精床』なんで12~13分です。無精な床屋の親方が最高でした。
合ってますね、こいう噺が甚語楼くんには。
3.・厩火事/桃月庵白酒
実は、今夜も白酒くんを恵比寿で聴く予定です。『厩火事』と『笠碁』は止めて欲しいです。
できれば、『青菜』『お化け長屋』あたりにして欲しいです。三三くんとの会なので、
二人ともできる根多なので、『青菜』『お化け長屋』の可能性があります。
いきなり出囃子が、桃太郎師匠の出囃子「桃太郎」で登場。
今日も、桃さんに負けない毒桃攻撃で、毒を吐き捲るぞ!!そんな決意を感じました。
まず、何度か聞いた青春時代から早稲田入学までの想い出話からスタート。
中学・高校と野球部だったんですよね、愛甲尚人少年(白酒)
中学2年までは、真剣にプロを目指したそうですが、中3の時に挫折。
高校でも野球は続けたけど、これで大学に行けるのならが続けた理由だという。
しかし、これも各名門大学のセレクションを受けたがことごとく不合格となり、
ヨシ!勉強で正面から名門大学に入ってやる!と決意するも東大受験に失敗。
仕方なく、早稲田へ進学。たまたま、落研の勧誘で入部、甚語楼くんと出会う。
白酒くん、ここで早稲田の雄弁会とかに入っていれば、
今頃は、小沢チルドレンだったかもしれないと言う。
小泉チルドレンってタイプでは自分はない、小沢チルドレンだ!と言うのに、
妙な説得力を感じました。
別に落研だからプロになるとは限らず、白酒くんの場合も、
落語が好きで、天狗連みたいな活動をしていた訳でもなく、
単に、寄席や独演会で、五街道雲助師匠を追いかけていただけだという。
それがある日、居酒屋で飲んでいて、たまたまそこで飲んでいた、
喜多八・はん治両師匠を見て、「何だこいつら???」と思ったそうです。
それは、いい年齢して、夢みたいな事を酔って語り、
「恥ずかしくないのか?」「お前には無理!!」と思われる発言の連発だったそうです。
それからその居酒屋に行くと、喜多八&はん治をよく見かけて、
咄家って、このレベルでも飲んだくれて過ごせるいい商売なのかもしれない?!
と、思って、前々から好きだった雲助師匠に入門したんだそうです。
白酒くん曰く「居酒屋で会ったのが、小三治とか志ん朝だったら…」
俺の人生は変わっていたのかもしれない。
そもそも、小三治師匠はゲコだから居酒屋にはいないし、
志ん朝さんは、お前ら落研が行くような居酒屋には行きません。
もっと、いい呑み屋で、小料理屋ですね、小粋な女将がやっている。
俺も、藤あや子みたいな女将の店が在ったなら、毎晩行くのになぁー
そんな話から、人間どんな縁で人生が決まるか分からない、と、言って『厩火事』へ。
ほぼ、オーソドックスな流れで、特にクスグリも入れずに展開しました。
ちょっと設定で気になったのが、相談に来るお崎の仲人のような存在、
お兄さんというのが、ご隠居さんみたいな設定でやるので、
これまで聴き慣れた『厩火事』とは、ちょっと違和感がありました。
白酒くんらしいクスグリは、「モロコシ」で、「あぁ、知ってます、指圧の心・母心の人」
「それは“浪越”」というのがありました。ちょっと古いですよね。
「広田レオナの元の旦那?!」 「それは“吹越”」の方が今風だと思います。
これから、何度かやって良くなる予感の『厩火事』でした。
(でも、今日のYEBISU亭ではやらないで欲しい)
4.・万病円 … 桃月庵白酒
このマクラで、桃の毒が炸裂です。原監督の女性問題に触れました。
1988年当時の出来事をネタに、原辰徳監督が元ヤクザもんに強請られて、
その口止め料に1億円を支払ったという事件です。
原監督が現役バリバリの選手だった時代のスキャンダルですが、
今更、その不倫相手の日記をネタに、1億円も払うのは常識ハズレですよね。
ただ、白酒くんが毒を吐いたのは、その一億円を払った部分ではないのです。
原監督が現役時代から一貫して「若大将」=爽やかなイメージで売ってきたので、
今回のスキャンダルが、あまりにゲスな感じがして、大きくイメージダウンしたと言うのです。
まず、その手を出した相手が、遠征先で利用していたホテルのアルバイト従業員。
若大将ならもう少しハイグレードな女だろうと言うのです、澄ちゃん=星由里子ですからね。
白酒くんの「意外と青大将じゃないかぁ?!原監督」というギャグが大うけでした。
どうせなら、凄い相手と不倫しろよ!って訳ですね。若大将なんだから。
それが、アルバイトのホテル従業員じゃ、あまりに手近で済ませ過ぎだろうというのです。
ここが、この事件をゲスにしている部分なのだと、力説します。
どうせ、こんな事件が出るのなら、爽やかイメージでばかり売らずに、
日ごろから、ちょっとゲスな一面を見せておけばよかったのにと、分析します。
確かに、白酒くんは日ハムの栗山監督を例に出して解説しましたが、
彼のように、時々スキャンダルで週刊誌を賑わしていれば、
この程度の事件に、1億円は払わずに済んだかもしれませんね。
そんな毒話をやった後、得意の『万病円』でした。毎年必ず聴く根多です。
白酒くんの『万病円』は、饅頭屋の小僧が可愛いので好きです。
5.・船徳/柳家甚語楼
この季節の旬な根多ですね、『船徳』
めちゃくちゃ研究してますね、いろんな人が演じるから、
その良い所どりができていて、テンポがむちゃくちゃ良くて、
時間を短く感じる、爆笑の『船徳』でした。
唯一、気になったのは、竿ですね、櫓はできていましたが、
竿を、徳さんが格好付けて回そうとする演技が工夫が必要です。
両手で回していましたが、槍と一緒で、回す時は片手で、
端を持って、長い竿を回す方がカッコイイと思います。
それでも、本当に良かった!!
流石、磯釣りが趣味で、暇があれば船に乗っているだけのことはあります。
是非、みなさん、この夏は、甚語楼の『船徳』を聴いてください。
師匠は、雲助と権太楼と違いますが、早稲田の落研同級生同士の会です。
見た目や芸は、かなりタイプが違う二人ではありますが、
根底にある落語への思いとか、芸への探究心は似ている気がします。
さて、今回は初夏に向けてこんな根多を披露してくれました。
・ラブレター … 柳家いっぽん
・無精床 … 柳家甚語楼
・厩火事 … 桃月庵白酒
仲入り
・万病円 … 桃月庵白酒
・船徳 … 柳家甚語楼
1・ラブレター/柳家いっぽん
蛍光色でない普通の黒の着物を着たいっぽんくんを初めてみました。
蛍光の黄色とか、オレンジの着物を着ているとデブが強調されますが、
この黒の着物なら、普通のデブに見えるじゃありませんか!?
さて、本題の芸の方ですが、この『ラブレター』は、中野小劇場で、
小せんくんの会の開口一番で聴いたのと同じ根多。
どの程度上手くなっているのか?と、興味津々で聴いていたのですが…
殆ど進化も成長も感じられません。寧ろ、ややダメだったかも?
原因は、本人も言っている上がり症? 出だしがタドタドし過ぎました。
最後は、早く終わりたかったのか?駆け足でサゲへ。
いっぽんくん!人の字を書いて飲み込みましょう。
2.無精床/柳家甚語楼
マクラでは、甚語楼くんの会は、非常によく携帯電話が鳴るって噺からスタートしました。
なぜ、なんだろう?毎月開催しているわけでもなく、年に3回程度なのに…
落語家主催の会なんだから、脇や寄席と違って「落語を聴きに行くぞ!」という、
比較的マナーもレベルも高いお客さんが集まって下さっているのに、なぜだ!?
と、以前から疑問に思っていたそうです。 それが、やっと答えがみつかったという甚語楼。
その理由とは、自分の会には必ずご両親を呼ぶんだそうです。
確かに、甚語楼くんと瓜二つのお母様を見掛けた事があります。
甚語楼が女性の着物を着ているぞ! あれ?カツラ?と思ったぐらいです。
そんな両親が、友人を必ず連れていらっしゃるんだそうです。
そうです、この両親の友人が携帯電話を鳴らすのです。
殆ど、落語なんて興味のない友人。上尾から東京に御登りさん状態で来ます。
甚語楼くんを、「甚語楼師匠」とは呼びません。 「おがしわ(小柏)さん」とか、
「はじめ君」とか呼ぶような、実家のご近所に住んでいる方々なのです。
つまり、浅草演芸ホールの客と何ら変わらない方々が鳴らすのです。
この「携帯電話はなぜ鳴るのか?」の考察と分析、なかなか興味深い話でした。
そんな話から、若い頃:まだ二つ目の“さん光”だった時代ですね。
ある町で、町おこしの落語会をやる事になり、さん光さんを呼んで、
3~4ヶ月に一度独演会を開いてくれていたそうです。
まだまだ仕事のない二つ目時代だったので、嬉しくて気合を入れてやっていたら、
それが4回で突然終わりに成ったそうです。 何か悪い事をしたかと思い悩んでいたら、
何のことはない、この町おこしには、2つの町内が連盟で主催者に成っていたのだが、
どちらの町会長が落語会の主催者になるかで、モメて結果落語会自身が無くなったのだ。
しかも、双方の町会長が、私がなりたい!って喧嘩したんじゃなく、
「お前が成れ!」「いや、お前だ!」と、押し付け合って揉めたんだそうな。
実に悔しい思いをしたと、語る甚語楼くんでした。
もう一つ、二つ目時代の落語会で残念な思いをしたのが、
某有名な落語会の主催者に、甚語楼くんは可愛がられていて、
その落語会にもちょくちょく呼ばれていたそうです。
そんなある日、「そろそろ、お前の冠の落語会を俺がやらせてやろう」と言って、
新聞社に口をきいてもらって、某有名落語会の姉妹会みたいな位置付けで、
甚語楼の会をやる企画がほぼ決まりかけていたのに、新聞社側の都合でボツになったんだそうです。
すると、その落語会の主催者の人が、「あんだけ俺がやってやると言ってできなかったから」と、
それ以降、某有名落語会の方にも甚語楼くんは呼ばれなくなってしまったそうです。
何んの悪いことも、しくじりをしたわけでもないのに、損した気分になったと言っておりました。
そんな話から、『無精床』へ入りました。
実は、甚語楼の『無精床』は、二回目でして、昨年、権太楼の『百年目』を鈴本に聴きに言った時、
甚語楼も顔付けされていて、浅い出番で、この『無精床』をやりました。
その時は、寄席だったので、極短いバージョンでしたが、この日はその時よりはタップリでした。
まぁ、タップリと言っても所詮『無精床』なんで12~13分です。無精な床屋の親方が最高でした。
合ってますね、こいう噺が甚語楼くんには。
3.・厩火事/桃月庵白酒
実は、今夜も白酒くんを恵比寿で聴く予定です。『厩火事』と『笠碁』は止めて欲しいです。
できれば、『青菜』『お化け長屋』あたりにして欲しいです。三三くんとの会なので、
二人ともできる根多なので、『青菜』『お化け長屋』の可能性があります。
いきなり出囃子が、桃太郎師匠の出囃子「桃太郎」で登場。
今日も、桃さんに負けない毒桃攻撃で、毒を吐き捲るぞ!!そんな決意を感じました。
まず、何度か聞いた青春時代から早稲田入学までの想い出話からスタート。
中学・高校と野球部だったんですよね、愛甲尚人少年(白酒)
中学2年までは、真剣にプロを目指したそうですが、中3の時に挫折。
高校でも野球は続けたけど、これで大学に行けるのならが続けた理由だという。
しかし、これも各名門大学のセレクションを受けたがことごとく不合格となり、
ヨシ!勉強で正面から名門大学に入ってやる!と決意するも東大受験に失敗。
仕方なく、早稲田へ進学。たまたま、落研の勧誘で入部、甚語楼くんと出会う。
白酒くん、ここで早稲田の雄弁会とかに入っていれば、
今頃は、小沢チルドレンだったかもしれないと言う。
小泉チルドレンってタイプでは自分はない、小沢チルドレンだ!と言うのに、
妙な説得力を感じました。
別に落研だからプロになるとは限らず、白酒くんの場合も、
落語が好きで、天狗連みたいな活動をしていた訳でもなく、
単に、寄席や独演会で、五街道雲助師匠を追いかけていただけだという。
それがある日、居酒屋で飲んでいて、たまたまそこで飲んでいた、
喜多八・はん治両師匠を見て、「何だこいつら???」と思ったそうです。
それは、いい年齢して、夢みたいな事を酔って語り、
「恥ずかしくないのか?」「お前には無理!!」と思われる発言の連発だったそうです。
それからその居酒屋に行くと、喜多八&はん治をよく見かけて、
咄家って、このレベルでも飲んだくれて過ごせるいい商売なのかもしれない?!
と、思って、前々から好きだった雲助師匠に入門したんだそうです。
白酒くん曰く「居酒屋で会ったのが、小三治とか志ん朝だったら…」
俺の人生は変わっていたのかもしれない。
そもそも、小三治師匠はゲコだから居酒屋にはいないし、
志ん朝さんは、お前ら落研が行くような居酒屋には行きません。
もっと、いい呑み屋で、小料理屋ですね、小粋な女将がやっている。
俺も、藤あや子みたいな女将の店が在ったなら、毎晩行くのになぁー
そんな話から、人間どんな縁で人生が決まるか分からない、と、言って『厩火事』へ。
ほぼ、オーソドックスな流れで、特にクスグリも入れずに展開しました。
ちょっと設定で気になったのが、相談に来るお崎の仲人のような存在、
お兄さんというのが、ご隠居さんみたいな設定でやるので、
これまで聴き慣れた『厩火事』とは、ちょっと違和感がありました。
白酒くんらしいクスグリは、「モロコシ」で、「あぁ、知ってます、指圧の心・母心の人」
「それは“浪越”」というのがありました。ちょっと古いですよね。
「広田レオナの元の旦那?!」 「それは“吹越”」の方が今風だと思います。
これから、何度かやって良くなる予感の『厩火事』でした。
(でも、今日のYEBISU亭ではやらないで欲しい)
4.・万病円 … 桃月庵白酒
このマクラで、桃の毒が炸裂です。原監督の女性問題に触れました。
1988年当時の出来事をネタに、原辰徳監督が元ヤクザもんに強請られて、
その口止め料に1億円を支払ったという事件です。
原監督が現役バリバリの選手だった時代のスキャンダルですが、
今更、その不倫相手の日記をネタに、1億円も払うのは常識ハズレですよね。
ただ、白酒くんが毒を吐いたのは、その一億円を払った部分ではないのです。
原監督が現役時代から一貫して「若大将」=爽やかなイメージで売ってきたので、
今回のスキャンダルが、あまりにゲスな感じがして、大きくイメージダウンしたと言うのです。
まず、その手を出した相手が、遠征先で利用していたホテルのアルバイト従業員。
若大将ならもう少しハイグレードな女だろうと言うのです、澄ちゃん=星由里子ですからね。
白酒くんの「意外と青大将じゃないかぁ?!原監督」というギャグが大うけでした。
どうせなら、凄い相手と不倫しろよ!って訳ですね。若大将なんだから。
それが、アルバイトのホテル従業員じゃ、あまりに手近で済ませ過ぎだろうというのです。
ここが、この事件をゲスにしている部分なのだと、力説します。
どうせ、こんな事件が出るのなら、爽やかイメージでばかり売らずに、
日ごろから、ちょっとゲスな一面を見せておけばよかったのにと、分析します。
確かに、白酒くんは日ハムの栗山監督を例に出して解説しましたが、
彼のように、時々スキャンダルで週刊誌を賑わしていれば、
この程度の事件に、1億円は払わずに済んだかもしれませんね。
そんな毒話をやった後、得意の『万病円』でした。毎年必ず聴く根多です。
白酒くんの『万病円』は、饅頭屋の小僧が可愛いので好きです。
5.・船徳/柳家甚語楼
この季節の旬な根多ですね、『船徳』
めちゃくちゃ研究してますね、いろんな人が演じるから、
その良い所どりができていて、テンポがむちゃくちゃ良くて、
時間を短く感じる、爆笑の『船徳』でした。
唯一、気になったのは、竿ですね、櫓はできていましたが、
竿を、徳さんが格好付けて回そうとする演技が工夫が必要です。
両手で回していましたが、槍と一緒で、回す時は片手で、
端を持って、長い竿を回す方がカッコイイと思います。
それでも、本当に良かった!!
流石、磯釣りが趣味で、暇があれば船に乗っているだけのことはあります。
是非、みなさん、この夏は、甚語楼の『船徳』を聴いてください。