今月から隔月で開催される三三くんの会は、
毎回、三三本人がリスペクトする落語以外のゲストを迎えての会です。
その第一回目のゲストが講談師・宝井琴柳先生です。

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そして会の演目は、こんな感じです。

 

 

1.初天神/柳家ろべえ
今年は、遊雀と一之輔の『初天神』を聴いていて、ろべえくんが三回目。
二人と比較するのは可哀想なので、ろべえくんの中の今までの演目と比較する。
そうすると、今回の『初天神』は、デキが良いほうに入ると思います。
まぁ、彼の演目は『元犬』『竹の子』『もぐら泥』と、この『初天神』なので、
その中では、これが一番良かったように思います。
喜多八師匠のお弟子なのですが、師匠同様個性の出し方で苦労しているかな?

 

 

2.夏泥/柳家三三
マクラでは、横浜にぎわい座が10周年という話から入る三三くん。
早いもので、つい最近できた新しい寄席だと思っていたにぎわい座が、
もう10周年になりますと、感慨深そうでした。
月曜日に、談春も似たような感想を口にしていました、今思い出した。
ちょうど、月曜日の会が記念すべき50回目だったそうです。
談春は、にぎわい座ができてすぐは、まだ、呼んでもらえなくてね。
今年が、7年半だと言っておりました。7年半=90ヶ月で50回。
三三くんはどうなのか?彼も4年、5年ですよねにぎわい座への出演暦。

そして、三三くんがこの10年間で変わった事として、
東横線が横浜までになり、えらい地下に電車が潜り、
みなとみらい線とかいう高い運賃の路線になった!!
そう嘆く三三くんですが、高給取りがないを言うって感じもしました。

更に話は本日のゲスト琴柳先生との思い出になり、
琴柳先生が落語協会に入会して間もない頃に、
初めて高座を池袋で観た想い出を語る三三くん。
初小三治よりも大きな衝撃を受けたと言っておりました。

ここから話は、金環食の話へと移り、更には、その前のGW頃のスーパームーン。
何でも月が地球に普段より接近して、満月となる事をスーパームーンと言うらしい。
そして、互いの引力の関係が最大になり、その影響からか?
様々な怪奇現象が起きるという都市伝説があるらしい。
このスーパームーンの話、楽屋で盛り上がっていると、
これに小三治師匠が非常に関心を持ち、食い入るように聞き入って、
それからというもの…

「こないだ茨城で大きな竜巻が起きただろう?あれは、スーパームーンのせいだぞ」
「やたら全国で交通事故が頻発しただろう?あれは、スーパームーンのせいだぞ」

そんな事を言うようになった小三治師匠、浅草でのトリで落語をとちると、
「うぅーこれも、スーパームーンのせいだぞ」と言ったとか?
それを聞いた楽屋の連中は、落語をとちったことよりも、
今日の高座の異常に短かかったマクラの方がスーパームーンの影響だろう?
と、言っていたらしい。そんなスーパームーンと小三治師匠の話から、
三三自身にもスーパームーンの影響?と思える珍事件、弟子入り志願者が来たそうです。

しかも、メールで。(勿論、公式サイト宛)

「弟子入り志願の○○です。弟子にして頂けるなら返信をお待ちしています。」
返信しないだろう普通。あまりに面白かったので、楽屋の二つ目に話すと、
大うけで、「兄さんに、弟子ですかぁー変わったヤツですねぇー」と、
反応するポイントが違って、少しキズ付いた三三くんでした。

ちょっと長いマクラから『夏泥』へ。
泥棒が貧乏な八五郎の家に入り、そのあまりに貧乏な暮らしぶりを聞かされて同情。
結局、泥棒の方が八五郎に銭を巻き上げられてしまうという落語らしい噺。
三三くん、そつなく一席終えるのでした。
 

 

 

3.万両婿(小間物屋政談)/宝井琴柳
講談でこの噺を生で聴くのは、今回が初めてでした。
前半部分が、先の志の輔に比べると、アッサリ進みます。
琴柳先生のかすれた独特の声で、相生屋小四郎と女房のおトキ、
そして従弟の三五郎に、大家を加えた人間模様の描写が素晴らしい。
最後の大岡裁きまで、トントン!と進み短く感じる30分でした。
 

 

 

4.質屋庫/柳家三三
今年は珍しい!あんまり聴かない『質屋庫』を、甚語楼に続いて三三でも聴けました。
凄く丁寧に演じる三三くんの『質屋庫』 熊さんが強く見えないのはご愛嬌ですが、
それ以外は、なかなか気に入りました。勿論、この値多を三三で聴くのは初めて。
次回は、八月八日です。苦手な浪曲の先生がゲストですが、行く予定です