二つ目が二人と、ホスト役の真打が一人出て進行される会です。

今回は、秋に真打昇進が決まっている朝太と菊六の二人に、

ホスト役は、花緑くんでした。そして、この三人でこんな内容でした。


1、やかん/柳家緑太

花緑くんの七番弟子なんだそうです。初花、鬼〆、花ん謝、緑君までの、

二つ目四人は聴いたことあるんですが、どの弟子もイマイチですよねぇー

特に、総領弟子の初花が、イマイチピリッとしませんよねぇー

でも、です。この緑太は、上の兄弟子達より筋がいいと思います。

花緑、忙しいから弟子を構わないのかな?


2.替り目/菊六

菊六くんで、この『替り目』を聴くの初めてでした。

マクラは、先のにぎわい座同様に“ダルビッシュ”から始まりました。

その後、酒にまつわる小咄を2つしました。まずは、禁酒小咄で、

ある男が1年間の禁酒を宣言、神様に願掛けするのですが、

悪い奴に「禁酒の期間を2年に延ばして、1日おきに飲めばイイじゃないか?」

と、入れ知恵されて、そいつは良いと乗ってしまう噺と、

ある居酒屋で、客同士が喧嘩、この先の路地を右に曲がって、

更にその先を右に曲がり、三軒目は俺の家だ!と言い争いをしている。

見ていた客が店主に止めなくていいのか?と言われて、返した言葉が、

「あのお二人なら大丈夫です、だって親子なんですから」


ここから『替り目』へ。「いちでなぁーし、二でなし、三でなし、四でもなぁーい」

と、“佐野さ”から入るところの節の上手さは、流石!古今亭です。

兄弟子菊之丞と、本当に似ておりますね、この辺りの芸は。

そして、定番の車屋さんに呼び止められて、車に乗るのだが、

実は、そこが自分の家の前で、奥さんに大変叱られてしまいます。


この後の、アレが有っただろう、アレを持ってこいは、

菊六オリジナルで、横浜くんにもらったシュウマイや、

小田原くんの蒲鉾、静岡くんの干物、浜松くんの鰻などが登場します。

そして、定番の漬物/古漬の部分があって、おでんへ。


ただ、菊六くんの『替り目』では、旦那さんが家に帰って冷酒で飲むんですよねぇー

その段階で、お燗にする必要がないから、最後までやらないなぁと分かってしまって、

案の定、ひと仕切お上さんへの惚気を喋ってから、「お前、まだ居たのかぁ?!」

で、サゲになりました。


3.粗忽の釘/朝太

入り方が粗忽長屋風でしたが、『粗忽の釘』をやりました。

いやはや、可笑しかったです。キャラクタがいいんえすね。

この人なら隣に釘くらい打ち込むに違いないと。


4.トーク

いまいち纏まりのない話でした。

二人とも9月21日からの真打広めを宜しくと言っておりました。

5.中村仲蔵/花緑

花緑では、初めて聴きました。竜楽さんから習ったそうです。

三遊亭円生から、五代目の円楽と受け継がれた型で習ったようです。

まず、間違って覚えているのが、大部屋:稲荷町から出世した仲蔵、

座頭/四代目の団十郎の計らいで、申し上げますの役者になります。

これは、稲荷町から“中通り”への出世です。それを花緑は、名代下と言いました。

名代下の役者は、舞台に上がります。台詞を忘れて仲蔵が舞台に上がり、

団十郎の耳元で囁くのは、中通り時代のエピソードです。


しかも、ちょうど菊六/朝太と同じような立場と言いましたが、

それも表現が違います。中通りの役者は、立て前座くらいの格付けですよ。

ここの出だしで変な事を言うので、どうもまず乗らない『中村仲蔵』になりました。

そして、他の噺もなのですが、本筋をもう少し解説なしに喋ればいいのに?

そう思うのです。学校寄席の子供に話すような解説が多いのです。

その上、先の中通りと名代下を間違うような嘘を言うから…


ただ、芝居の場面の表現などは悪くないし、

泣かせる場面の演出もいいのですが、

もう一つ、どうか?と思うのが、定九郎の芝居の工夫をさせる、

山崎街道の場面に工夫を入れようと思うキッカケが、

仲蔵自身の“なにくそ根性”ではなく、妻お俊が仲蔵に意見して、

それを仲蔵が素直に聴いて工夫するのです。

素人とは言いませんが、志賀山流の踊の師匠ではあるが、

妻の意見で、仲蔵の目から鱗という展開は、首を捻りたくなる展開でした。


で、サゲなんかいらないのに、柳家だからとサゲを付けます。

これも「?」でした。

志らくの仲蔵も、妙な仲蔵ですが、あれより更に不思議な仲蔵です。