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成城ホールで開催される大道芸人VS立川志の輔みたいな会です。

そして、この会のプロデューサーの“まり子”さんが、

志の輔師を、出囃子の「梅は咲いたか」ではなく、サンバのリズムで送り出します。

これも、この会だけですね。たいがいは、「梅は咲いたか」か「中の舞」で出る志の輔師匠が、

この会だけ、訳のわからないサンバのリズムで陽気に登場します。


 


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そんな「志の輔らくご あっぱれPLUS 6」 こんな内容でした。

 

 


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1.パントマイム/山本光洋

“笑う身体”がキャッチフレーズのパントマイマーです。

王道を行くマルセル・マルソーのような芸ではありません。

中村ゆうじ、松元ヒロと言った皆さんと同じ種類のパントマイムです。


『チャーリー山本』

マリオネットの“チャーリー山本”が登場して、

操り人形らしく振舞う値多です。最後にテーブルクロス引きを披露します。

そうです、あの「かくし芸」でマチャアキがやったアレです。


『キュービー飛ぶ』

ビールのCMソングに乗せて、天使に見立てたキューピー人形が、

縦横無尽に動き回る値多です、どこがパントマイムなんだ!とは思うけど、

楽しい芸で、客と演者の一体感が楽しめる作品です。


山本光洋は、横浜野毛の大道芸人の大会、フェスタなどに出ています。

横浜野毛でやっている時も、かなり黒山の人だかりです。

是非、面白いので見てください。


 

 

 

2.一人コント/ヨージ

志の輔の客前なので、最初は本当にやりにくそうでした。

徐々に値多を、小咄風に短く見せて、客を徐々に取り込んでいきました。


『品川駅朝10時』

無邪気な小学生あるある、小学校3年生くらいの女の子が、

先生に、ワンパクな男子のいたずらを告げ口します。

 

『恋愛あるある』

こんどは、あるあると言いながら、かなり突飛な恋愛像。

夕日が綺麗な海が見える小高い丘の上のレストランを、

観に行くという一風変わったデートが展開されます。


『恐い部活の女子の先輩』

文化部なのです“日本史研究会”なのに、ノリは大会系です。

「刀狩」や「鎖国」を体で表現しようとするところが笑えます。


 

 

 

3.現代音曲/上野茂都

なんだろう、ゆるーい明治の○○節なのです。

カンカラ三線の岡大介くんを、老獪にした感じですね。

あんな風にパッションはなく、脱力感が漂う感じですね。

カンカラ三線の柳家喜多八みたいなオジさんです。

唄の歌詞が、また入船亭扇橋みたいで最高です。

CDを売ってたから迷ったのですが、財布のお金が心もとない金額だったので、

買うのは止めましたが、もう一回聴くとCDを買ってしまいそうです。

そして、絶対に、何で買ったんだろうと後悔する、そんな唄です。


『江戸川節』

江戸川のドテを歩いているとカツアゲに合い、全財産とられて途方に暮れる!

「鯛焼きが買えない!」 (いくらの全財産だ!)

江戸川の脇道を自転車で走っていると、警官に呼び止められて職務質問、待ち合わせに遅刻!

「自転車泥棒はもうやめよう」

江戸川の草むらで昼ねをしていると、若い男女がむつみあう声、何だかドキドキする!

「もい一度、寝たふりしよう」


『めほへむ余情』

あるある歌です、“荷物ある日はよく雨が降る”“何かやる日は、風邪を引く”

そして、“メモ帳は使う時には、無いものだ”と唄って、サビ?が意味不明で、

これがえも言えぬ風情余情を醸し出しているのです。こうです。


めほへひ、めほへひ、常にめほへひ、ほへひめ、はへめほひ。


早口言葉ではありません。


『ぬけた節』

ぬけた、ぬけたよ、力がぬけた、今か今かと張り切ってたがぁー、

シャツに溢したウスターソース、落とし切れずに気がぬけた。


ぬけた、ぬけたよ、拍子がぬけた、今の今まで張り詰めてたが、

ゴムの弛んだ寝間着のスボン、歩きにくさに、間がぬけた。


ぬけた、ぬけたよ、気合いがぬけた、今か今かと張り込んでたが、

洗い忘れた靴下ひとつ、後で出来て腰ぬけた。


脱力感120%な唄でした。

 

『炊事節』

流石に、記憶できそうになかったので、初めてメモしてしまいました。

鞄の中に手を入れて、片手で携帯電話のメモ機能でブラインドタッチ!

やればできるじゃん!と思った、前の三曲は歌詞はうろおぼえです。

意味が合っていれば程度の記憶の糸を紡いだものですが、

これは、メモしてほぼ完璧じゃないかと思います。


キャベツの芯は捨てないで!細かく刻んで餃子の具

レタスの外葉は捨てないで!シメジと炒めて片栗粉

青身の葱は捨てないで!鶏ガラスープに入れて煮る

セロリの青葉、捨てないで!手早く炒める胡麻油

汁蕎麦食えば知るものか、揚げソバ食えばあげようかぁー


パセリの茎は捨てないで!シチューの香りに欠かせない

ブロッコリーの芯は捨てないで!薄切り煮てよし、炒めても

人参の皮は捨てないで!叩いてコロッケ忍ばせる

レモンの皮は捨てないで!まぶした砂糖と煮てジャムに

マカロニ食えば美味かろに、カネロニ食えば眠かろに


煮出した昆布は捨てないで!味濃く煮詰めて佃煮に

湿気った海苔は捨てないで!同じく佃煮山椒の実

大根の皮は捨てないで!千切り炒めてキンピラに

みかんの皮は捨てないで!湯船に浮かべて蜜柑風呂

芝漬け食えば暫くね、奈良漬食えばサヨオナラ!


ゆるいのが好きな人は、嵌ると思う上野茂都さんです。

 

 

 

 

4.江戸の夢/志の輔

マクラが長かったです。20分以上喋りました。

まず、先週ブロッサムの独演会が終わった後に、「詩島(うたじま)」へ行った話をしました。

長崎の詩島です、みなさんご存知ですね、そう!さだまさし所有の詩島です。

長崎の大村空港からクルーザーで15分の詩島。談春師を仲介役に志の輔師匠は初めてだったそうです。

さだ氏のお抱えの詩島管理人兼船長が、空港までお出迎えで、詩島の船着場へ。


もう30年以上前ですね、さだ氏が2千万円くらいで、寺島という無人島を買って、

それを「詩島」と名前を変えて、個人の島として時々滞在するように成ったのは。

この島、電気・水道・ガスのインフラをさだ氏個人が実費で整備して有名になりました。

噂では、3億とも5億とも言われる資金を接ぎ込んで、海底ケーブル・パイプラインを引いて。


今だと、発電機、海水を真水になんてやり方の方が安いと思うけど、

俺が高校生だった時代ですからねぇー スターウォーズ1が公開された頃ですよ。

その後、“飛梅”がヒットした時に、大宰府天満宮から社を正式に分設したんですよね、

更に、ヒット曲が出るとコテージを増やして、桟橋や灯台を整備する。


どんだけ成金なんだ!さだ氏、と思いました。正直、嫌いでした金満で。

当時、タモリもさだ氏の歌の歌詞を批判していましたね、それに同調してた私自身。

ところが、映画『長江』でコケて30億円借金ができて、かなり大変だったようですが、

『北の国から』の主題歌やコンサート活動、書籍の執筆で借財を返してしまいました。

ちょっぴり思いました、やるじゃないか?!さだ、と。


そんな詩島に行って、そこからクルーザーで5分のゴルフ場でゴルフして、

夕方は、大名釣り(第三者がエサを付けて、釣れた魚は外してくれる)をして、

島で見るもの全てが、新鮮で感動の連続だったと言う志の輔師匠。

思い出を語るだけで目がトロンとしているぐらい至福の時間だったようですね。

さだ氏も、「こんなに詩島を喜んだ人はみたことがない」と談春に言うくらい、

志の輔師匠は、詩島を満喫して来たと嬉しそうでした。


30年、落語とガッテンで同じようなリズムで生活して来たが、

少し残りの人生に向けて、生き方を変えなければいけないのかも?

と、気になる発言もしました、これ以上独演会を減らさないで欲しいです。


そんな詩島の話から、松山の「正岡子規記念館」で落語会を5年続けている話をして、

子規の俳句「松山や 秋より高き 天主閣」という句の通り、松山城は高くそびえている!と語り、

ここから俳句繋がりで、加賀の千代の話へ。何度か皆さんも聞いているマクラですね、

「朝顔や つるべとられて もらひ水」の句、これは、「朝顔に」だろう!をまた話ました。


そこから、俳句繋がりで『江戸の夢』へ


正直、先週の木曜日に聴いて、月曜日ですから、たった4日しか経っておりません。

全く同じなのか?と思って聴いていたら、違うのです。テンポが良いのです。流れる感じです。


詩島効果なのか?!


あのブロッサムの時も決して悪くはなかったのですが、

感情の表現、特に嬉しさが爆発しる感じなのです。

『中村仲蔵』『高瀬舟』を1週間で二回聴いた時は苦しかったけど、

この噺は、いや今回の志の輔師匠は、ちょっと別人28号でした。


それにしても、この会は出囃子「梅は咲いたか」でなく、

サンバのリズムで志の輔師匠が登場するのです。

新作の人、特に圓丈師匠の会や、落語ジャンクション出身のSWAの連中は、

出囃子でなく洋楽で登場したりするけど、サンバの志の輔も面白いで
すよ。