土曜日は、連チャンで落語会でした。茅ヶ崎から横浜のハシゴです。
茅ヶ崎で、菊六、白酒、白鳥、小圓歌、正蔵を聴いて、横浜で一之輔と三三と言う豪華な一日です。
開口一番は、秋に二つ目になる巨体の朝呂久くん。彼は、白酒&甚語楼の会で長く前座を勤めたから三年間の成長ぶりを知っています。
この日も、三三くんの入りが遅れていた関係もあり、開口一番20分。『のめる』をやりましたが、
マクラで、桜木町駅を降りてにぎわい座に向かう時、改札で駅員と40代のオバサンが言い争いしていたと言う。
駅員が「ちゃんと運賃払って下さい!」と怒鳴り、女は「ちょっと、間違えただけじゃないの!」
駅員「間違えただけって、その切符!子供料金じゃないですか!」
女「だ・か・ら、女こどもは一緒かと思ったの!普段、あんまり電車とか乗らないの」
上手く成った!と思いました。『のめる』も良かったです。会をやり出したら行こう。
一之輔登場、弟弟子である朝呂久くんに触れて「生まれ換わっても、あの朝呂久の帯にだけは成りたくない!」と言ってドカンと受けました。
今までは、野毛シャーレと言う地下多目的ホールでの独演会だったが、
真打を目前に、芸能ホールに格上げされた一之輔。歌丸館長に感謝しつつ、芸協に幹部待遇でスカウトされたら…怖い!で、また受けました。
更に、先週木曜日に真打昇進記念パーティを開催。本当は、あんなパーティは苦手だと告白。
桜水産で魚肉ソーセージ食わせて、引出物は、明治のカールって訳にもいかず、やりましたと語る一之輔。
ここから、カルチャースクールで落語を教える教室の先生をした話から、得意の『あくび指南』へ。
何度か聴いた一之輔の『あくび指南』クスグリも少なく、彼の中では、本寸法です。
最初に聴いた頃は、力み過ぎだったが、乙にやれるように成りました。
案外難しいですよ、軽く乙な芸って。
三三くん登場、この会だけでなく、真打披露興業は、寄席で50日間続くから、出来るだけ足をお運び下さいと、PRから入るのが彼らしいと感じました。
菊之丞が、一人真打経験者で、借金が三百万!と、根多にしていましたね。
ちなみに、菊之丞師匠も抜擢真打なんだけど、珍しく寄席の席亭からの推薦で、協会が承認したらしいですね。
さて、ゲストの三三くんがで掛けたこの日の根多は『妾馬』、愛でたい噺を披露しました。
三三くんは、人情噺にあんまりせず、滑稽噺で仕上げた『妾馬』45分タップリやりました。
出だしの八五郎が井戸に落ちた釣瓶を拾う場面から始まり、ツルがお世取りを産んでお屋敷に招かれるまでやります。
そして、三三くんらしかったのは、ツルに気付いた八五郎が、お前はお世取り産んで何人も抜いて出世したからって、浮かれてチャ駄目だぞ!と、
一之輔の21人抜きの真打昇進に準えて笑いを取っていました。
トリに「おツルです!」と一之輔登場。大入袋が出ました!次回は、披露めで、一之輔/一朝/小朝と、一朝師匠の一番弟子の柳朝が出るそうです。
海の日の祝日らしいです。昼間の興業で、一朝と小朝が共演するのは珍しいですね、超満員確実でしょう。
そんな話から男女の悋気の度合いなんて話をやりながら、『不動坊』へ。
悪くはありません。私の好きな「アルコールを餡ころと間違える」そんな場面もちゃんと出てきます。
全体的に、リズムが速いのと、前にも話した横展開から後半幽霊を出す辺りからの縦展開が、イマイチなのです。
なぜか、やたら後ろに突っ込みを入れる袂を叩く仕種ばっかりなんです。
あと、悋気三銃士の徳さん、万さん、鉄さんの人物描写がイマイチでした。
利吉さんを入れた四人でも、人物をまだまだ作れていません。
談志師匠は、よく言っていました。長屋の住人が複数出る噺は難しいって。次回に期待します。