今月も2回行く予定の“銀座ブロッサム”
この日も満員のブロッサムでした。
そして、二人の会の演目は、こんな感じでした。
1.元犬/柳亭市也
市馬・志らくの会の開口一番とまったく同じネタでした。
違う噺が聴きたかったぜ、市也くん。
2.雪とん/柳家小満ん
マクラでは、雪が降りまして、これは私の責任です。
なんせ、私は無類の雨男でして、という小満ん師匠。
そして、紹介したのがこんな雪の歌です。
東京にうす雪の降るはまめかし それもその日の暁のこと
これは、かの堀口大學の歌です。訳詩家としてが有名な大學ですが、
何作品か歌や詩が、知られていますね。私も何個か記憶しています。
八百屋お七の歌などもありますね、
「八百屋お七が火をつけた、あれは分かる気持ちです」と続く歌が。
雪の話から、恋患いへと話を移して、小町ならいいが若旦那のは周囲に理解されない。
雪は豊年の貢ぎと言われるほど風情があるものです。そして『雪とん』へ。
船宿に昔世話になった、地方から出てきた大事なお客様の若旦那を泊めていた。
なん日か江戸見物などしていたが、若旦那が体を壊してしまった。
女将が聞き出すと”恋患い”だという。
本町2丁目の評判娘、糸屋の娘”お糸”が 恋患いの相手であった。
男嫌いの娘だから諦めろといったが聞き入れず
「杯の一つでも酌み交わし、その杯を持って国に帰れたらそれでイイ。」という。
女将はお糸の女中に話をし、小判2枚を包んで渡した。
人の命には替えられないので・・・、と言う事で明日の晩、
四つ時にトントンを合図に裏木戸を開ける手はずが整った。
その晩大雪になっていた。若旦那は道を間違えて木戸を叩いたがどこも開けてくれなかった。
そのころ、年の頃二十五・六で役者に負けないイイ男が、
吉原に一晩遊びに行く所であった。
雪の為、足駄に雪が挟まり黒塀に近づいてトントンと雪を落とした。
合図と思った女中に強引に連れ込まれてしまった。
あまりにもイイ男だったのでお糸さんも、
ブルブルっと震えて、その晩泊める事にした。
朝、彼は木戸から送り出された。一晩中雪の中を歩いていた若旦那は
たまたまそれを目撃してしまった。
後を付けていくと宿泊している船宿の女将と話をしていた。
女将に聞くとお祭佐七と言って、あまりにもイイ男なので、
彼が歩いていると街中の女達が取り巻いてお祭のようだと言うので、
お祭佐七とあだ名されていた、と言った。
「お祭りだって!それでダシにされた」
志ん生師匠のがYOUTUBEにあるみたいですね。
小満ん師匠のは、なかなか色気と粋たっぷりの『雪とん』でした。
3.竹の水仙/柳家喬太郎
2月、3回目の『竹の水仙』でした。文左衛門、歌之介ときて喬太郎。
どれも演出が違うのでねぇー 喬太郎のも2年ぶりで新鮮でした。
以前より、あまりやり込んでないので、サラリとしていました。
特に、前回2年前に聴いた時は、宿役人がやたらしつこいキャラでした。
それが、意外とアッサリしていて、逆に表紙抜け。また重ねると濃くなるのか?
4.稲葉さんの大冒険/柳家喬太郎
この噺、あるのは知っていましたが、生で聴くのは初めてでした。
笑いころげました。おせっかいの老人、長谷川保が最高です。
散歩に連れている犬の名前を変えるクスグリが良かったです。
特に、お前は今日から「恩田えり」だ!は、大笑いしました。
えりチャンの本も会場で売っていたので、宣伝してるんですよね、多分。
5.素人鰻/柳家小満ん
タップリの『素人鰻』でね。マクラも幕末のペリー来航の話から入って、
唐人と釣鐘は、提灯と釣鐘の洒落だと言われないと分からないけどね。
良かったですよ、武士が士族となったばかりの頃のお噺です、と『素人鰻』へ。
職人の金公の酒癖が悪いところから、丁寧にやるのは、生では久しぶりでした。
仕草が滑稽で、大好きなお酒を頭に塗る仕方もやってくれて大満足!!
また、機会が有ったら、できるだけ小さい小屋で聴きたい!小満ん師匠。
なんでも、喬太郎は落研時代、小満ん師匠の本牧亭での会で、
入場口での予約確認をしていたそうです。そんな雲の上の存在と…
そんな事言いながら、『稲葉さん』で弾けるのも喬太郎らしかったです
。